目指せ!! 「編集力」「発信力」育成の〝集合知〟!! 全ての子どもが「新聞記者」レベルの素養を備えてから社会に出る「教育の仕掛け」をつくります!
元新聞記者と現役の小学校教諭が「新聞の形式」を基に開発した〝ノート代わり〟のワークシート(書き込み用プリント)「新プリ」を広め、子どもたちの将来に直結する編集力や発信力を育成します。
「新プリ」の内容は、教諭の皆さまや子どもたちの声を頂きながら改善を続け、育成方法に関する「集合知(多くの知識を蓄積して体系化し、活用できる形にまとめたもの)」を目指します。
◆各単元用からグループ活動用まで4種類
「新プリ」は2022年度、大阪市立鶴見南小学校5年生の社会科で導入。授業中のノートとして使う形式で(1)各単元用(2)課題解決に向けたグループ活動用(3)グループ活動後の個々のまとめ用(4)意見の発表用−の4種類を作りました。
大事な内容から書く「逆三角形」の構文をはじめ、見出しやビジュアルを重視する「新聞の特徴」を盛り込んでいます。「新聞形式」の「新しい」「プリント」を略し、「新プリ」です。
各単元の学習後、「テストに出る問題を予想する」という課題解決にグループで挑戦する仕掛けも用意。普段の授業で、編集力や発信力をはじめ、コミュニケーション力から課題解決力まで育成します。
◆「分かりやすい」8割
新聞は、編集・発信方法のよりよい形式や技術を追求してきた媒体。一方で日本の子どもたちは、文章から必要な情報を取り出したり、根拠を挙げて自分の考えを述べたりする力が課題とされています。
新聞作りの技術を子どもの頃に習得しておけば、学力向上への対策になる上、事業者が社内外で情報を整理・発信するといった実社会の場面で成果を発揮します。
新プリ導入後1カ月の段階で、書き方が分かりやすい▽後で読むとこれまでのノートの書き方よりも内容がよく分かる−と肯定的に答えた児童の割合はそれぞれ約8割に上りました。
◆連携の〝輪〟拡大中
児童から意見をもらい、形式を改善し続けているのも特徴。枠の大きさや形状を変更したり、文章による表現の枠を、図を使って表現する枠に変更したバージョンを増やしたりしました。
今後、各教科や各学年、習熟度に対応した形式を構築していく方針です。
全国紙や地方紙への掲載で関心を持っていただいた方が増えており、皆さまとともに編集力や発信力を養う方法の「集合知」を目指します。