未来を変える「サス活」 1GOAL&1ACTION

共創チャレンジ

2023.07.05

法人

チーム名EARTH MALL編集部
共創メンバー小田部 巧、腰塚 安菜
主な活動地域日本
活動テーマ大阪・関西万博の内容周知、テーマや意義の発信 /

私たちの共創チャレンジ

サステナブルな買い物や、SDGsに貢献する日常的な活動(サス活)について、知りたい、取り組みたい、或いは情報発信をしていきたいと考えている、志を共にする共創チャレンジをサポートします。
そこで、『未来を変える「サス活」 1GOAL&1ACTION』と題して、共創パートナーや共創チャレンジの取り組みを取材し、このチャレンジの活動報告として継続的に発信していきます。また、EARTH MALL公式ウェブサイトにもコーナーを設置し、その記事を紹介していきます。
この結果、サス活を実践する人が少しでも増え、SDGs達成に向けて一歩でも近づけたらと考えています。

未来への宣言

買い物をすることが、サステナブルな未来を創ることにつながる社会を目指します。未来をより良いものに変える、価値あるモノやサービスを、一緒に探していきましょう!

きっかけ

『未来を変える買い物 EARTH MALL』は、SDGsを実現する未来へのアクションを創りだす有識者のプラットフォーム『OPEN 2030 PROJECT』(代表・蟹江憲史 慶應義塾大学 政策・メディア研究科教授)から生まれ、株式会社博報堂が社会実装を担っているプログラムです。
サステナビリティや社会貢献という言葉は、一見「高尚なもの」で、生活からは離れているものと捉えられがちです。しかし、普段多くの人が行っている「買い物」をする時に、その商品がどこで生まれて、どうやって手元に来たのかを考えた時、その商品を買うということは、その商品に関係する人々の未来をつくることにもなります。
そこで、そんな商品の背景にあるストーリーと、その商品がどのようなインパクトを世の中に与えようとしているのかを知り、選ぶことで、自分たちにとって望ましい未来をつくるといった、新しい「買い物のワクワク」を提供できないかと考え、活動をスタートしました。

取組の展開

今後展開したい地域・方法すでに始まっている国内での活動を全国へと広げていき、さらにはEARTH MALLのネットワークを活かして海外の共創チャレンジともコラボレーションをしたいと考えています。
共創を希望する方々志を共にできる既に取り組み始めている企業や生産者、このような活動に興味があり自分も参加して広げていきたいと考えている生活者やその団体の方々と共創したいと考えています。

大阪・関西万博のテーマとの関わり

「消費者」から、いのち輝かせる「生活者」へ。
現代では、生産の場と買い物の場は分断され、商品は自然の恩恵であることを十分に感じられず、買い物の場は、いかに安く手に入れられるかが重視される、ただ消費を促す場になっているのではないでしょうか。買い物が、「いのち」を感じられ、「いのち」への貢献を促すアクションへと変わり、結果としてSDGsが目指す人々がよく生きられる社会を実現することは、「いのち輝く未来社会のデザイン」につながると私たちは考えます。
大阪・関西万博で行われる買い物は、「いのち」へのどんな貢献につながるかが見える買い物になっていることを私たちは願っています。

SDGsとの関わり

『未来を変える買い物 EARTH MALL』は、環境面と社会面でSDGsに貢献する買い物であることを重視し、多くの人々が意志のある買い物ができるようサポートし、持続可能な未来を実現することを目指します。そのためには、買い物に関わるすべてのステークホルダーの協働(パートナーシップ)が必要となります。EARTH MALLは、みんなで共創しSDGsを達成する、SDGsアクションプラットフォームとして、これからも取り組んで参ります。

■お問い合わせ先

博報堂 SDGsプロジェクト
EARTH MALL 担当:小田部(コタベ)

ウェブサイト:https://earth-mall.org

メール:staff@earth-mall.org

このチャレンジの投稿

  • サステナブルなMICEの推進を、笑顔から。

    「2025年の未来に託す1GOAL&1ACTION」。今回は、イベントの運営、施工を通じてサステナブルなMICE(*)の推進をめざすサクラインターナショナル株式会社の皆さんの共創チャレンジと続ける・つながる「サス活」を探ります。 (*)MICEとはMeeting, Incentive Travel, Convention, Exhibition/Event の頭文字を使ったビジネスイベントの総称。(JNTOのホームページより)   ライター 腰塚安菜   チームの1ゴール: サステナブルなMICEの推進を、笑顔から。   2023年が始まり、催しは全般的に活気を取り戻しつつある。日本政府観光局(以下、JNTO)によると、2022年12月の訪日外国人数は137万人。コロナ流行前の2019年12月が252万6千人弱ほどだったということで、完全に元通りとは言えないものの、翌年2020年12月が5万8千700人(前年同月比97.7%減)だった当時を振り返ると、国際往来も順調に回復だ。そんな復調の兆しが見られる昨今の環境も取材動機の一つ。コロナ前、国内外でのリアルな催しへの参加がライフワークだった筆者は、最新の現場の話が伺えるのではと取材前から期待を寄せていた。   サクラインターナショナル株式会社は世界中で行われている「MICE」の、企画・デザイン・製作・運営 維持管理を行い、クライアントの機会創出をプロデュース、サポートを行うサービス企業。今回は同社の奈良工場から生産本部の浦久保誠さん、大阪本社から生産本部の東悠平さん、クリエイティブの酒田充規さんに出席いただいた。   はじめに「MICE」とは何か?改めて、読者に説明する必要があるだろう。 JNTOによると、Meeting、Incentive Travel、Convention、Exhibition/Eventの頭文字をとったビジネスイベントの総称で、オリンピックなどの大規模なスポーツイベント、そしてもちろん2025年の万博も、多数のビジネスセクターが今から関心を寄せる催しの一つに含まれる。 生活者として馴染みのある代表例に、国内外の展示場などで開かれる食品、化粧品などの身近な商材や、建築資材などのB to  Bの商材までカバーする「見本市」があるだろう。   これを読む読者の方々が企業の方や万博に何らか関係する方が多いことを予想すると、出展者側の経験がある方もいれば、SDGsもひとつの例に、開催されるテーマへの学びを深める目的、国内外のトレンドを知る目的、関連する商品の味や手触りを確認する目的など、参加者として見て回った経験のある方も多いだろう。 つまり「MICE」との接点は、誰もが少なからず持っていると言える。 サクラインターナショナル社の万博チームが「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジに登録する「サステナブルなMICEの推進」とは。同社が生業の中で目指す具体像はどのようなものなのか。 制作現場を支える企業視点、来る万博の参加者視点双方でMICE・イベントのサステナブル化のポイントを紐解く。   ■MICE・イベント業界に「サステナブル」を投げかける  1980年に設立し、1990年代から太陽光発電、2000年当初からハイブリッドカーを採用するなど、再生可能エネルギーの話題が生活者に浸透する前からパイオニア企業となってきたサクラインターナショナル株式会社。 社会状況に合わせて社長と社員が協議し、変化させてきたという同社のロゴに、現在は「The Green Glocal BUSINESS Producer」という言葉が掲げられている。その「Green」(環境配慮)には、社長の「もったいない精神」がコアにあるそうだ。 MICEのE、主軸であるイベント事業で使用されるブースやディスプレイ資材の再利用システムを独自に採用し、什器やパネルなどを自社工場で保管し、次のイベントでもリユースする仕組みも整えてきた。   「展示会などは数日開催した後、撤去の際にごみとして捨てられるものが多い。(イベントの)施工から撤去までを一貫して扱っている当社では、どうしてもごみは出てしまうため、いかに環境負荷を減らす形で消化するかは課題。廃棄が前提ではなく、環境効率をより高く、高品質なものをリユースしていただくことはできないかと、常日頃考えている。」と東さん。 来場者だけでなく、時に運営や企画の一人ともなることも多い筆者は、企業人という視点、参加者視点の双方を行き来しながらお話を伺っていたが、これに関してはとても共感する。 イベントの土台となる設計、施工段階など、表から見えない部分まで含めて「サステナブル」なイベントの実現は、制作者の視点に立つと容易ではなく、スタッフの努力は計り知れない。また、イベントの表を体験する来場客には、どうしてもケアレスになりがちで、想像し得ない部分でもある。   「もちろん、環境に優しい素材は一般的にコストがかかるので採用に至らない場合も多い。だからこそ、我々が提案していきたい。」と東さんはとても前向きで挑戦的な様子。 「トライ&エラーをしていくことが会社を前に進めている。今後も社長の投げかけたことに対して柔軟に対応する姿勢を取りたい。」と酒田さん。 それぞれの言葉から、イベント制作従事者としての誇りや、企業のパートナーとしての信頼感を感じた。   ■未来を見据えて、イベント現場の海外人材を育成。 「Green」だけでなく「Glocal」の面に力を入れていることも、同社の特徴だ。これについては奈良工場の浦久保さんから詳しく説明があった。 (*)Glocalは「グローバル」と「ローカル」を組み合わせた造語で、地球規模で考え、地域視点で行動する“Think globally, act locally”に基づく考え方。 「事業の位置づけではないが、日本のイベントスタッフに関わり、施工技能を習得した後、自国に帰ってからも現地のMICE事業に従事出来るような人材を育成しようと、3年前から厚労省の検定制度に参加。コロナ禍に動きが止まった部分もあったものの、認可が取れ次第、本格的に着手していきたい。」 タイ、フィリピン、カンボジア、インドネシア、ベトナム、マレーシア、ミャンマーなどアジア各国から来日した国際人材が協力会社のスタッフとして現場施工に入り、日本で身につけた技術を故郷に持ち帰り、自国の現場でも施工技術を活かし、MICE事業が発展していくことを見据えているという。 単発の国際協力ではなく、中長期的な視点で「世界全体でMICE事業を盛り上げたい」と期待を寄せての取組だ。 「幅広い国際人材の登用を早くから行ってきた当社では、スタッフ間での言語コミュニケーション上の障害はあまり感じられない。強いて言えば、施工・技術の基準など、日本には日本のスタンダードがあるが、東南アジアやアメリカなど各国で異なる。『MICEに関わるスタンダード』を敷く仕組みをつくることが、今後の課題だと考えている。」と浦久保さん。 現場から見える課題は、文化・慣習など異なる上で国際交流や商談を行うビジネスコミュニケーションの課題だけでなく、国ごとのイベント基準づくりにまで及び、同社の共創チャレンジに掲げる目標8に直結する取組であると捉えられた。    ■2025年の未来のイベントに、どんなアプローチが出来るか。 「グリーンな万博」は達成なるのか。サステナビリティに関わる企業のプレイヤーや生活者は今、誰もが気になっているだろう。 同社で万博チームを編成する東さん、酒田さん、浦久保さんが「大阪・関西万博について話題が出るのは、ほぼ毎日。」と話したことが印象的だった。 そこで、まだ筆者も漠然としている「2025年の未来のイベントづくり」について、さらにディスカッションを続けた。 「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジの取組にSDGsの目標7、8、15の3つを掲げており、同社の取組とどれも解りやすく結びつけられていると感じたが、新しい目標に着手する可能性も大いにあるという。 イベントから出るロスの活用というゴールに向けて企業とコラボレートするなど、水面下で新しい協働先とのチャレンジも進んでいるという。2025年の未来に向けたイベント制作で、同社とコラボを希望する企業や個人が「グリーンな万博」のためにアイデアを持ち寄る余地はまだまだありそうだ。   酒田さんからは「未来」につながる目標も出た。 「ライフワークは、子どもたちが楽しく参加できて、本気で楽しめるイベントをつくり続けること。未来を見据えられるようなイベントを、大人が本気で考えていきたい。さらに、これからは『過剰供給』ではなく『適正供給』でつくっていくことが時代に合っている。我々つくり手からの提案や、参加者からの声も、より多く取り入れることが出来たら、未来のイベントと言えるのではないか。」 主催者、企業、参加者がそれぞれの視点でフェアにアイデアを出し合って制作することは、SDGs時代のイベントの基本的な考え方と言えるだろう。取材後半のディスカッションで、そんなヒントを得た。   サクラインターナショナル株式会社からの続ける・つながるアクション提案: 「With A Smile」の追求を、ビジネスにつなげていく。   「最終的にSDGsの達成を目標とするにしても、まず『With a Smile』」と浦久保さんが話したことで、東さん、酒田さんも「相違ない」という様子だった。 「SDGsを提案のすべてに盛り込んでいるが、見える形でSDGsを標榜するのではなく、お客様が知らず知らず資材などを使って、結果的にSDGsにつながるイベントの提案が出来ていることが望ましい。」と浦久保さんは続けた。 取材の中では「笑顔」というキーワードが何度も繰り返され、これを読むどんな企業や団体もすぐに着手出来るスモールステップを提案してくれたことで、これが同社の「サス活」だと確信できた。 「企業活動としてサステナブルなイベント制作を目指しているが、まずは笑顔というシンプルな目標から始めて、新しい気付きや発見があれば、それを目標化していく。そのような進め方が自社に合っていると思う。」と酒田さん。 東さんは「まずは社内を笑顔にすることから始め、ビジネスに生かしていきたい。」その具体例に「会社で自分が育休を取得した第1号(社員)。その後社内でもスムーズに広がった。」と話してくれ、緊張感のあった取材の空気が一気に和んだ。 浦久保さんは自社の事業と結び付けて「リユース・リサイクルは当たり前。次に再利用する方が、どんな笑顔で使っていただけるか?までを考慮する。建築廃材をどこかの笑顔に結び付けられないか?と考え、廃材を再利用するだけでなく、企業と組んで新たな商材開発も始めているところ」と話したことも印象的で、同社らしい取組み方だと感じられた。 多国籍を相手にするMICEビジネス、それぞれに文化や風習が違う上で、笑顔は万国共通の“武器”となるだろう。 SDGsの達成や万博の成功といった大きな目標の前提に、笑顔を原動力に催しを支えるという自社の姿勢を関係者に広めることまで含めて、チームの「サス活」であると言える。   これは取材後記となるが、どんな催しにも裏側の努力がある。「サステナブル」を掲げて実施・運営する上で、スタッフの一人として現場に問題意識を持つことから始め、制作の裏側の「あたりまえ」が変わることにも期待したい。 最後に浦久保さんが紹介してくれた新しい人材育成の話にもワクワクした。 「今年4月の新入社員や海外人材から『サステナブルなイベント制作』への目を養ってもらおうと考えている。現場で実際に環境負荷やイベントのロスの課題などを学び、設計や企画の段階から考えてもらう。ごみを最小限にするデザインなどをクライアントとの協議で提案が出来る人材を育成するため。」   来場者の知らない部分でも、未来のイベントの担い手にサステナビリティの視点が加わっていくことで、2025年の未来につながり「グリーンな万博」の実現にもつながっていくのではないだろうか。 今回は、外からは見えざる努力でイベントのサステナブル化に貢献している社のキーパーソンたちが集合した取材で、現場側から見た現状課題や未来のイベント制作への率直な思いに迫ることができた。     取材にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。   サクラインターナショナル株式会社の共創チャレンジ「サステナブルなMICEを推進する」 https://team.expo2025.or.jp/ja/challenge/776 企業サイトはこちら

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  • 病院を中心とした幸福(Happy)と健康(Health)が両立するまちづくり。

    「2025年の未来に託す1GOAL&1ACTION」。今回は医療機関が中心となり、西淀川区、大学、企業が一丸で、ハッピー×ヘルシーなまちづくりをめざす「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジ「イネーブリングシティー西淀川プロジェクト」を取材。にじくじらチームの目標、続ける・つながる「サス活」を探ります。 ライター 腰塚安菜   チームの1ゴール: 病院を中心とした幸福(Happy)と健康(Health)が両立するまちづくり。   「イネーブリングシティー西淀川区プロジェクト」は、千船病院を中心とした多様な顔ぶれが参加する「にじくじらチーム」の共創チャレンジ。「くじら」の形をした大阪・西淀川区のシンボルに、多様性のモチーフでもある「虹」で、今年9月に創刊した千船病院の広報誌『虹くじら』とも連動するチーム名だ。 プロジェクトの中心存在である病院と西淀川区の連携のいきさつに、千船病院 中山健太郎 事務部長から西淀川区 中島政人区長へ「病院も積極的にまちづくりに関わりたい」という提案があったという。   「病気をどう防いでいくかを思案している際『区民の生活の場へ病院がもっと参画するべきだ』と考えた。病気に無意識な状態だと(病気を)初期段階で見つけられず、病院に来た時には手遅れとなってしまうことも。区民の病院、病気に対するリテラシーを高める狙いもあった」。そう話すのは千船病院職員で、現在は横浜市立大学との共同研究員として出向中の村田尚寛さん(リハビリテーション科 科長)。   区民参加型の企画やイベントに積極的に関わるようになったのは「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジへ登録した2021年から2022年にかけて。村田さんは「まずは、病院として、区主導のイベントに何も参加できていなかった状態から『区民まつり』や『健康いきいき展』などのイベントなどに積極的に参加することを目指した。」と話した。取材が行われた12月初旬の週末には、病院前広場での「福ハッピーフェスタ」を開催。現在は、病院主催でイベントを実施するまでに発展した。 写真も見せてもらったが、子どもたちがステージに立つコンサートや、企業ブースのヘルスチェックなどに区民が集い、広場の賑わいが伝わってきた。イベント(福ハッピーフェスタ)は、大阪市西淀川区の「魅力発信サポーター」や福駅周辺活性化協議会、福駅周辺を盛り上げ隊、あおぞら財団、地域住民協力によって、病院のスタッフだけでなく「みんなの力」で作られている。   ■生活の場に医療機関が積極的に出ていく。協働企業がサポート   千船病院が地域に出るサポートをしているのが、協働する企業、からだポータル株式会社や大成建設株式会社の存在でもある。   先述の健康イベントでの測定結果や健診結果から、生活者の健康データの管理、医療機関への提供などを行っているからだポータル社。同社の代表取締役で、千船病院の前任の事務部長だった井内伸一さんの「医療のリソースを使って地域の方々の健康を守りたい」という思いが、千船病院とのコラボへ引き継がれた。   一方、大成建設社は、横浜市立大学、他社と協働開発したウォーキング・WEBアプリの展開で協力している。これは、ユーザーが街を歩きながらスマートフォンのカメラで撮影し、幸福や健康に関する主観的な感情について、そう感じた対象物の写真を投稿し、地図に「ハッピー」や「ヘルシー」のピンを刺していくもので、横浜市内や西淀川区ではウォーキングイベントとして実施されている。   「(イネーブリングシティウォーク・WEBアプリで)「西淀川イネーブリングWalk!」というイベントを、2022年は区内で5回開催。まだ検証段階ではあるが、データの収集やプロットで『ハッピー/アンハッピーな要素が多い場所』を可視化し、アンハッピーな場所をどうやってハッピーにできるか?を探るワークショップ開催などを検討している。(自分の専門領域である)リハビリの観点からも、地域の方々がこのアプリを使い、街歩きで健康増進に繋げることができたら」と村田さん。   デジタルを活用した区民と健康との接点づくりが新鮮に映り「病気を治す」「患者を治療する」といった自分が病院へ持っている固定的な役割観が拡張し、塗り替えられていくようだった。   ■ウェルビーイングをまちづくりへ。「イネーブリングシティー」とは何か   「幸福と健康が両立するまちづくり」を目指すにあたって、チームは「イネ―ブリングシティー」という概念を用いている。 これは、聞き慣れないという読者の方も多いだろう。筆者もそんな一人だったため、千船病院と共同研究契約を結ぶ横浜市立大学 先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター(以下YCU-CDC)の考え方を助教の西井正造さんに解説してもらった。   西井さんはヘルス×ハピネス指標の4象限(下図)や、4象限にOECD各国をプロットし、各国や日本がどの位置づけにあるかを示した図を用いて「イネ―ブリング」の概念を紐解いてくれた。 これによると、ウェルビーイングは「ハッピー」と「ヘルシー」因子の掛け合わせで決まり、それを最大化することが目標となる。     「『ハッピー』かつ『ヘルシー』な状態を可能にする因子(イネ―ブリングファクター)を街の色々なところに埋め込んで増やしていくことを、これからの医学研究でも目指すべきではないか。これがYCU-CDCの「イネ―ブリングシティー」の考え方です。病院でも『ヘルス』だけでなく『ハッピー』にも貢献できるような取り組みをしていきたい。」と、村田さんから補足があった。   YCU-CDCでは、アーティストやクリエイターなどのアートの担い手との協働・共創で、街の階段などの公共空間のデザインやデジタルを活用したデザイン実装でまちに「イネ―ブリングファクター」を増やす試みにより、様々な自治体で実証実験を行ってきた。   パンデミック流行以降、希薄化したと思える、身近な存在のはずの隣近所や同僚とのつながり。そんな中で自分自身の『ハッピー』×『ヘルス』の因子は、所属する会社は、そして住んでいる自治体の今の状態はどうなっているだろうかと考え直すきっかけともなった。   ■幸せになったら、勝手に健康になっていた。「ストリートメディカル」の考え方   デザインの力でイネ―ブリングシティー化に取り組むYCU-CDCの理論で、「ウェルビーイング」がより具体的になった。病院主役に一人一人の「ハッピー」で「ヘルシー」な状態を最大化する試みで、「イネ―ブリングな状態」を目指すにあたり、医療×デザインの力ができることとは。その可能性を探る中で、シンボリックに映った事例について紐解いていきたい。   千船病院は、先述した横浜市立大学との共同研究契約で「Street Medical®(ストリートメディカル)」の実証実験を進めている。 これはYCU-CDCの武部貴則センター長が提唱する概念で「人として本来的に在りたい状態を追求するため、今までの概念に捕らわれない新たな医療」と定義され、文学やデザイン、アートやゲームまでもが「新たな医療」に含まれるという。 ゲームを例に「『ゲームを楽しんでいたら、知らず知らず歩き回っていて、結果的に健康につながることをしていた」というのも、ストリートメディカルの視点の一つ」と解説されれば、読者にもわかりやすい理論だろう。   病院が治療を受ける場で在るだけでなく、患者が「ハッピー」を感じる場所にもなるように、千船病院では院内にデザインやアートの展示も増やす試みを行っているそうだ。 イネ―ブリングシティーもまた、様々な健康づくり・まちづくりのプレイヤーが集結した「みんなの力」によって実現するもの。共創によるデザインがまちを彩り、活気を与えていく様子がイメージ出来、自分も企業人の一人として何らか貢献できる余地があるのでは、と意欲が湧いた。今後は近隣の専門学校や大学など、若い視点や力も取り入れながらの企画も進行中というので楽しみだ。   にじくじらチームのモデルが他の自治体にも広がれば、日本中にイネ―ブリングシティーが広がっていくのではないだろうか。   にじくじらチームからの続ける・つながるアクション提案: 区を実践の場に「産学官民連携」のまちづくりを進めよう。   取材の最後に、中島区長はチームの1ゴール「健康と幸福が両立するまちづくり」の一歩先へ踏み込んで「区の究極のゴール」についてふれられた。   「『ウェルビーイング』なまちづくりを通じて、区の人口を維持し、増やしていく良い循環が出来たらとも考えている。(区長に就任する前に)民間の出身として約30年、まちづくりと向き合ってきた経緯で、活気ある街、人口の増えるまちづくりに関心を持ち続けてきた。」   コロナの流行を契機に千船病院に相談し、対話をしたことで「病院経営の観点からもウェルビーイングを通じて人口の増える街にしたい」という病院の思いが、区と同じ方向を向いていると確認できたという。   「区では現在『ウェルビーイング西淀川』というチームを作って官民連携で動いているが、その中心的な役割を担っているのが千船病院。これからは民間の方にも積極的に入ってもらい、官民連携のみならず『民民連携』で、西淀川区の魅力発信や人口増加につなげる計画をしている。」   千船病院 中山事務局長も「病院としても『存在意義が問われている』今だからこそ地域から認められることがますます重要となっている中で、地域との『共創』の機運が高まりつつある。今回の『TEAM EXPO 2025』プログラム/共創チャレンジへの登録をきっかけに、プロジェクトをもっと盛り上げていけたら」と強調し、締めくくった。   2025年という先を見据えた「サス活」の可能性については、村田さんから下記のような意見があった。 「病院単独ではどうしても「もっと歩きましょう」「食事を変えましょう」といった『健康』に導くだけの具体的アドバイスとなってしまうため、外部の様々な方からのアイデアや知識を求めている。企業からの『こうしたアクションを促せる』といった提案で、次のチャレンジをする姿勢をとっていきたい。」   にじくじらチームの共創チャレンジは「病院から真っ先に手を上げ、積極的にまちづくりを」という千船病院の病院らしからぬユニークネスが共感を集め、様々な力を持ったアクション主体を引き寄せている。病院を中心に「みんな」で手を繋ぎ、西淀川区にパワーを与えていると感じられた。   昨今の医療現場に関するニュースからも、医療従事者の「本業」の状態は常にひっ迫しており、病院だけで進めるプロジェクトが容易ではないということは、読者にも想像できるだろう。とりわけ「生活の場に医療機関が積極的に出ていくことで、市民の健康を未然に守ること(未病の防止)にもつながる」という部分に共感した。   医療機関起点の健康づくり、まちづくりが「ハピネスドリブン」であることは確かに重要と納得できる。だからこそ、病院単独ではなく、キーワードは「みんな」である。   次に自分が出来ることとしては、実際に西淀川区のまちを訪れ、イベント現場を見に行き、まちづくりの担い手「みんな」の輪に参画してみたいと思う。   ちなみに、広報誌『虹くじら』によると、大阪で最も分娩数が多く、大阪府で最多数の「未受診妊婦」を受け入れているのも千船病院だそうだ。ハピネスドリブンな医療機関から、ハッピーでヘルシーな子どもが生まれる。西淀川区の未来像にワクワクした。     取材にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。   にじくじらチームの共創チャレンジ「イネーブリングシティー西淀川区プロジェクト」はこちら https://team.expo2025.or.jp/ja/challenge/785  

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  • 地域を活性化し、共存・共栄するホテルが出来るSDGs。

    「2025年の未来に託す1GOAL&1ACTION」。今回は、株式会社スーパーホテル 経営品質本部/デジタルマーケティング部 芦村尚悟さん、建設企画部 泉尾賢司さんのホテル運営の姿勢を「TEAM EXPO 2025」プログラムの共創チャレンジ事例から紐解き、続ける・つながる「サス活」を探ります。 ライター 腰塚安菜     チームの1ゴール: 地域を活性化し、共存・共栄するホテルが出来るSDGs。   今回の取材先は読者の皆さんにも馴染みのある株式会社スーパーホテル。ホテル業界でもサステナブルな取組みの導入が進んでいる。そこで今回は「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジのエントリー事例に関わった経営品質本部/デジタルマーケティング部  芦村尚悟さん、建設企画部 泉尾賢司さんに取材に応じていただいた。 ■「LOHAS」からSDGsへ。会長 山本氏の姿勢をそのままにブランド進化    国内に170店舗を展開するスーパーホテルの予約サイトを開くと「スーパーホテルは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています」という宣言が現れる。 自分の近隣を歩いたり、調べたりしているうちに、地域ごとに様々な業態があることが解ってきたが「Natural, Organic, Smart」というコンセプトに、私は取材前から関心を寄せていた。 業界で先進的な環境保全の取組み企業を選ぶ環境大臣認定「エコ・ファースト企業」として、SDGs支援を掲げる前から「スーパーホテルLohas」の名称で「健康」「環境」を他のホテルチェーンと差別化してきたスーパーホテル。 「LOHAS」は当時の環境キーワードの流行語であったため、新しいコンセプトでリスタートをきるに踏み切ったという。 その後のホテルブランディングに大きく貢献した一人が、本取材に応じて頂いた芦村さんだ。 「Natural、Organic、Smart」は、誰にでもわかりやすく健康・環境への姿勢が示せる端的な英語の並びではあるが、企画側の高い意識のみで考案されたコンセプトではなく、宿泊客の声を活かし、他のホテルチェーンにない自社の強みを熟慮した上、この三つの柱が生まれたことがわかった。   芦村さんは「まず、これまでの『LOHAS』がホテルサービスのどこに紐づいているかを確かめるため、グループインタビューやお客様の声を反映させ、さらに社内30代以下アンケートを行い『Natural』『Organic』が選ばれた。 地球と人にやさしいホテルという想いから「Sustainable」も候補にあったが、環境に配慮したシンプルなサービスを割得で賢く選択していただくという観点で『Smart』になった」と決定までの経緯を説明してくれた。   そんなスーパーホテルで展開される環境配慮型ホテルづくりの取り組みは、全店共通施策・あるいは各地域店舗ごと、実に多岐にわたる。   宿泊に伴い発生するCO2排出量の100%をお客様に代わりカーボンオフセットする宿泊プラン「エコ泊」は2010年から、宿泊客参加型で、客室アメニティの歯ブラシ返納に協力するとホテルからプレゼントのサービスをする「エコひいき」は2008年から続けられてきた全店での環境へのアプローチだ。   地域ごとの店舗で展開される「SDGsプラン」もシンボリックな施策が目立つ。 御殿場Ⅱ号館店、Premier銀座店などでは宿泊客が不要となった衣類を提供することでホテルから寄付に協力できる「古着 deワクチン」参加型(日本リユースシステム株式会社の協力)など、宿泊料金の収益の一部をコラボ先に寄付するチャリティ付プランは、日常の延長線上で出来るハードルの高くない施策で、筆者も参加してみたい外部とのコラボだ。 こうした施策展開の裏側を芦村さんに聞くと、店舗の支配人からのボトムアップで提案・実現している「SDGsプラン」もあるそうだ。 スーパーホテルが掲げてきた「自律型感動人間」の精神がここにも反映されていると感じられた。   ■スーパーホテルの地域密着型SDGs。TEAM EXPO 2025に懸ける2つの取り組み   共創チャレンジのエントリー事例の一つで「地域のコミュニティと共に」を押し出していることについて芦村さんに詳しく伺った。 「(うちは)全国にあるチェーンホテルだが、地域ごとの店が生かされていくために、地域の企業や観光とのつながりを重視。『地域の中で一番選んでいただくホテルになろう』。地域と共存していくことが、会社としてのゴール」。   モデルケースとなっているスーパーホテルPremier武蔵小杉駅前店の協働先「はぐるまの会」(※1)は、コンポストの取り組みによって出る堆肥を必要としている企業や団体がないか川崎市の担当者に相談し、紹介を受けたという。 その後、とんとん拍子に話は進み、ホテルの朝食残渣(後段に詳細)を活用した「スーパーホテルの堆肥」を川崎市多摩区の「はぐるまファーム」に提供し、無農薬野菜作りへ協力する取り組みに繋がっていった。 (※1)川崎市の社会福祉法人。障がいを持つ方々が集団生活で自立していくことを目指し、地域交流活動として福祉施設の農業活動を実施。地元の協力者が支える「都市型福祉農園」はぐるま工房(宮前区)は野菜収穫祭などの農園体験イベントなどを行っている。 一方で、スーパーホテルPremier帯広駅前店をエントリーした背景やいきさつは、担当した泉尾さんが詳しく話してくれた。 この店舗では客室に十勝平野の自然に育まれる地域材の「なら材」が使用されていることも特徴だが、協働パートナーの株式会社ワイス・ワイスとはどのように出会ったのかについても訊いた。      「2008年から『健康』『環境』サービスでホテルができることを経営層と考える『Lohas会議』(現『SDGs委員会』)が行われ、その中で国産木材の問題等の情報提供を得る機会があった。会議の中で、顔の見える家具づくりに取り組む東京・渋谷の株式会社ワイス・ワイスを紹介してもらった」と当時を振り返る泉尾さん。 2022年に地方創生事業で協定を結んだ宮崎県の諸塚村(もろつかそん)との連携も、この会議からで実現した一つの事例だ。「諸塚村」とFSC認証マークがついた木箱がホテルのラウンジや朝食会場などにディスプレーされ、スタイリッシュな空間を演出している。    こうした地域材の活用は、帯広駅前店だけではなく石川県の県木「能登ヒバ」を使用するPremier金沢駅東口店、首都圏では大宮、下関や宮崎などの店舗でも展開されているそうだ。 木材が客室空間などにさりげなくインテリアになる役割だけでなく「森・自然・文化に還元する」ホテルの地域貢献姿勢が裏付られていることで、宿泊客とスタッフ間のコミュニケーションにも寄与している。   泉尾さんは「(自分は)本部としてこの会議に関わることで考えてきたが、会議に参加しない地域の現場の支配人とも密にコミュニケーションをとりながら進めていった」とも補足。 現場のスタッフを巻き込むことに加え、ホテル側の想いに応えた協働企業や地元の家具職人が一丸となりスーパーホテルが目指す「木材の地産地消」を実現していったことがわかる。   ■「健康」「環境」に配慮したホテル化の一端を店舗で体験する オンライン取材の前に、私は今回の共創チャレンジの一端を担うPremier武蔵小杉駅前店で「スーパーホテルの健康朝食」を体験してきた。 ホテルコンセプトの「Organic」を象徴する有機JASの認定野菜が盛りだくさんのサラダブッフェは、朝の目覚めたばかりの体に隅々まで栄養をいきわたらせてくれるようで、舌も心も満足した。   この店舗では前述した通り、朝食会場で出る生ごみ(残渣)を活用し、ファームに堆肥を提供することで無農薬野菜作りにも協力している。 現地で支配人に見せてもらうと、朝食会場の裏に「バイオ生ごみ処理機」が設けられていた。入れられた残渣が24時間経つとオーガニックな堆肥化が出来ているそうだ。   アンダーコロナのホテルの朝食ブッフェは、他のどんな施設にも通じるが、マスクの付け外しやビニール手袋を用いての実施など(※取材当時)、提供側も宿泊者も緊張する瞬間。 そんな緊張感をほぐしてくれるような朝食で、ホテルが作る堆肥が、ホテルの地元で活かされるという、宿泊客にも伝わりやすい循環型の取り組み。そんな情報を得てから臨んだことで、この日の朝食ブッフェはさらにフレッシュな体験となった。     これに終わらず、後日のオンライン取材では「健康」「環境」の先の食のサステナビリティを目指す取り組みが進行中であることも知った。 芦村さんの話から「(ホテルとして)フードロス削減にも、何かアプローチは出来ないか」「ホテルで地元農家の規格外野菜を扱い、宿泊客に持ち帰ってもらうことはできないか」。など、アイデアの種が次々と飛びだす。 「一部の店舗で食品残渣を活用してできた食器『Edish(エディッシュ)』(※2)の導入を決めたのは、食器洗浄にかかる環境影響も考えて」。筆者が盲点だった、ホテルならではの環境課題発見だと感じられた。 (※2)丸紅株式会社のビジネスプランコンテストから生まれた食品廃材をアップサイクルした「循環型食器」。2020年から各地の施設、イベントなどで導入の実証実験が行われている。   また、2022年6月に発表し、ニュース話題となった事例では、フードシェアリングアプリ「TABETE(※3)」の導入により、朝食ブッフェでどうしても廃棄されてしまう「まだ美味しい残り物」を安全で美味しいうちにお弁当の形でユーザーに届けるというサービスがある。 筆者が体験した朝食ブッフェの料理が最後まで無駄なく美味しく、別の形でも活躍していることを知り、ますます嬉しくなった。 (※3)廃棄の危機に面している食事をユーザーとマッチングする「フードシェアリング」サービスで食品ロス削減にアプローチするアプリ。     SUPER HOTELからの続ける・つながるアクション提案: SDGsという大きな目標を、まずは地域から。   「ホテルとは、地域に活かされている創地産業。二十年、三十年とその場所で過ごしていくものなので、地域と一緒に成長していく必要がある。地域と共存・共栄することが、会社として目指すゴールだと思っている」と話した芦村さん。 「(企画側の)自己満足になってしまわずに、いかに周りに伝えていけるか」を取り組み創造の基本とし、なるべく顧客参加型で、少しでもお客様に理解していただくことを重視している。 「(SDGsの支援に向けた取り組みも)少しずつ取り組み意義が理解されて、他社との差別化で選んでいただいているという実感がある」と前向きに伝えてくれた。   「SNSを介して顧客の口コミやレスポンスが可視化してきたことで、立地や価格だけでない他の選択肢でホテルを指名する人も増えている」と芦村さん。取材の最後に、最近、宿泊客に好評だったという魅力的な取り組みを紹介してもらった。それが、コロナ下に生まれたサービス「ウェルカムバー」だ。   これは、集って飲食する機会が減った中、ラウンジを設けて地酒やワイン、ウイスキーなどを宿泊客に無料サービスするというもので、ビジネス客を中心に、お酒やコーヒーを飲みながら仕事をしたり、会話を楽しんだりしたいという需要に応えた。単発のイベントではなく、全国7割程度の店舗で導入され、ほぼ常設のサービスとなっているとも聞いて驚いた。   「諸塚村産のモザイク林で育ったなら材をスティック状にし、ウイスキーに漬けこむことで、ひと味違う風味が生まれるんです。それをお客様に召し上がっていただくと『これ、何?』と会話が生まれ、諸塚村のアピールにも繋がって」と楽しそうにエピソードを語った泉尾さん。 こうした話題が宿泊客にユニークに映り、各地のウェルカムバーを盛り上げているに違いない。   スーパーホテルでは店舗ごとの取り組みを表彰する「ベストプラクティス制度」も設けられている。ここで認められたアイデアは、各店から全国展開も目指せるそうだ。「小さく生んで、大きく育てる」教育精神で、現場で生まれた個人のアイデアの種が広がり、次代の店舗での取り組みが創られていくイメージが出来た。 同社では今年度の採用活動が始まったばかりだが、2023年度の新入社員たちからもイノベーティブな「ホテルビジネス×SDGs」アイデアの種が育っていくだろう。自分のアイデアがまず街のホテルから実現し、全国の店舗で展開されることに野心を持つ若者が応募してきたら素敵だ。   ホテル業界にまつわる気がかりな話題に目を向けると、新聞社・通信社が行った調査ではウィズ・コロナの2年間で、国内のホテルや旅行会社の5000が閉業に追い込まれた可能性があるという。 しかしそんな逆風に屈せず、サービスを介してホテルスタッフとお客様の間で生まれる感動は、地域で次々と生まれていくだろう。 ホテルビジネスのポジティブな未来に胸を膨らませた取材だった。   ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。    SUPER HOTEL(店舗)の共創チャレンジは、以下2つのリンクから。 https://team.expo2025.or.jp/ja/challenge/340 https://team.expo2025.or.jp/ja/challenge/321   スーパーホテルのSDGsはこちら

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