未来を変える「サス活」 1GOAL&1ACTION

共創チャレンジ

2021.11.25

法人

チーム名EARTH MALL編集部
共創メンバー小田部 巧、腰塚 安菜
主な活動地域日本
活動テーマ大阪・関西万博の内容周知、テーマや意義の発信 /

私たちの共創チャレンジ

サステナブルな買い物や、SDGsに貢献する日常的な活動(サス活)について、知りたい、取り組みたい、或いは情報発信をしていきたいと考えている、志を共にする共創チャレンジをサポートします。
そこで、『未来を変える「サス活」 1GOAL&1ACTION』と題して、共創パートナーや共創チャレンジの取り組みを取材し、このチャレンジの活動報告として継続的に発信していきます。また、EARTH MALL公式ウェブサイトにもコーナーを設置し、その記事を紹介していきます。
この結果、サス活を実践する人が少しでも増え、SDGs達成に向けて一歩でも近づけたらと考えています。

未来への宣言

買い物をすることが、サステナブルな未来を創ることにつながる社会を目指します。未来をより良いものに変える、価値あるモノやサービスを、一緒に探していきましょう!

きっかけ

『未来を変える買い物 EARTH MALL』は、SDGsを実現する未来へのアクションを創りだす有識者のプラットフォーム『OPEN 2030 PROJECT』(代表・蟹江憲史 慶應義塾大学 政策・メディア研究科教授)から生まれ、株式会社博報堂が社会実装を担っているプログラムです。
サステナビリティや社会貢献という言葉は、一見「高尚なもの」で、生活からは離れているものと捉えられがちです。しかし、普段多くの人が行っている「買い物」をする時に、その商品がどこで生まれて、どうやって手元に来たのかを考えた時、その商品を買うということは、その商品に関係する人々の未来をつくることにもなります。
そこで、そんな商品の背景にあるストーリーと、その商品がどのようなインパクトを世の中に与えようとしているのかを知り、選ぶことで、自分たちにとって望ましい未来をつくるといった、新しい「買い物のワクワク」を提供できないかと考え、活動をスタートしました。

取組の展開

今後展開したい地域・方法すでに始まっている国内での活動を全国へと広げていき、さらにはEARTH MALLのネットワークを活かして海外の共創チャレンジともコラボレーションをしたいと考えています。
共創を希望する方々志を共にできる既に取り組み始めている企業や生産者、このような活動に興味があり自分も参加して広げていきたいと考えている生活者やその団体の方々と共創したいと考えています。

大阪・関西万博のテーマとの関わり

「消費者」から、いのち輝かせる「生活者」へ。
現代では、生産の場と買い物の場は分断され、商品は自然の恩恵であることを十分に感じられず、買い物の場は、いかに安く手に入れられるかが重視される、ただ消費を促す場になっているのではないでしょうか。買い物が、「いのち」を感じられ、「いのち」への貢献を促すアクションへと変わり、結果としてSDGsが目指す人々がよく生きられる社会を実現することは、「いのち輝く未来社会のデザイン」につながると私たちは考えます。
大阪・関西万博で行われる買い物は、「いのち」へのどんな貢献につながるかが見える買い物になっていることを私たちは願っています。

SDGsとの関わり

『未来を変える買い物 EARTH MALL』は、環境面と社会面でSDGsに貢献する買い物であることを重視し、多くの人々が意志のある買い物ができるようサポートし、持続可能な未来を実現することを目指します。そのためには、買い物に関わるすべてのステークホルダーの協働(パートナーシップ)が必要となります。EARTH MALLは、みんなで共創しSDGsを達成する、SDGsアクションプラットフォームとして、これからも取り組んで参ります。

■お問い合わせ先

博報堂 SDGsプロジェクト
EARTH MALL 担当:小田部(コタベ)

ウェブサイト:https://earth-mall.jp

メール:staff@earth-mall.jp

このチャレンジの投稿

  • 「長期的な〈健幸〉を視野に入れた消費をめざす」

    「2025年の未来に託す1GOAL&1ACTION」。今回は、インド発祥の伝承医学「アーユルヴェーダ」を日本式の「健幸」に変換し、スクールやイベントでの発信、企業とのコラボレーションで社会・世界の問題解決をも目指すMOTHERの皆さん。代表の岡清華さんとMOTHERを支えるメンバーの皆さんの「TEAM EXPO 2025」プログラムやSDGs目標への意気込み、続ける・つながる「サス活」を探ります。 ライター 腰塚安菜     チームの1ゴール:   「長期的な〈健幸〉を視野に入れた消費をめざす」   今回は、ライフスタイル提案型の会員制オンラインスクール運営を行うアーユルヴェーダコミュニティMOTHERから、代表の岡 清華さん(MOTHER創業者/管理栄養士/アーユルヴェーダ・ラ―ジャヨガ講師/Mother株式会社 代表取締役)とバックオフィスの大川萌子さん、川添裕加さんに出席いただいた。 改めて「アーユルヴェーダ」とは、インド発祥の世界最古の伝承医学を基とした、健康・ライフスタイル全体に関する〈教え〉で、国内でも徐々に広まりつつあるが、まだまだ限られた認識にとどまっている。 取材者の私が飛び込み、単発の受講や一夜漬けの独学で身に付くものではなく、毎日の実践があってこそ体得しうるものだ。MOTHERの共創チャレンジには、そんなアーユルヴェーダの智慧を「現代日本に伝承するプロジェクト」と記載されていたが、話を聞いてみると、SDGs目標に通ずるチームの1ゴールを持っていた。 岡さんを筆頭に大川さんや川添さんも「女性ならでは」とも言える柔らかな感性で、SDGsや幸せな消費のあり方について、自身の体験に基づく個々の見解をしっかりと持っていた。   ■29歳のMOTHER創業者が考える、持続可能な生き方と取り組み   代表の岡さんは、29歳になりたてにして、アーユルヴェーダでコミュニティ会員250名以上、スクール卒業生250名以上を指導する、オンライン/オフラインに広がるコミュニティのリーダー(指導者)だ。 万博開催地に身近な関西に22年間暮らし、管理栄養士の国家資格を取得する大学で食物栄養学の学びを経た後、本格的にハワイのカウアイ島でアーユルヴェーダを深めるなど、様々な経験をしてきた。 「TEAM EXPO 2025」プログラムへの参加のきっかけには、最近刊行したばかりの書籍に関わった担当者から「MOTHERが伝えてきたことが『TEAM EXPO 2025』の共創チャレンジ募集概要に合っている」との薦めがあった。「アーユルヴェーダは、生まれてから死ぬまでの人間の営み、朝起きてから寝るまでの色々な営み全てに関わること。社会や世界のいろんな課題に対して、解決策になるのではと考える。」と岡さんは話す。 MOTHERの立ち上げから伝えてきたことを「心と体の健やかさと持続可能性」とも言い換えて提案し、今回の取材意図を汲み取ってくれた。私自身、アーユルヴェーダに関しては初学者の立場のため、さらに紐解いてもらうと、基礎的な考え方に「自然と共存する人間の暮らし」があるという。   そのような暮らしも含めて「心と体の健やかさ」の実現とは、簡単に言うことはできるが、難しい課題である。 毎日のスクール運営や発信でアーユルヴェーダを伝え、参加者個人をサポートしてきたMOTHERの目指すものをSDGsに則すと「目標3:すべての人に健康と福祉を」と直感するが、岡さんにはさらに意欲的に取り組む分野があった。  現在、岡さんは、MOTHERを通じ、日本のものづくりを重視した商品開発やプロデュース、EC・催事での販売にも力を入れる。 具体的には、アーユルヴェーダが教える生活で大切な消化管の浄化や感染症対策に役立つ「舌磨き」や「鼻うがい」などの身体をケアするグッズ、滋養につながる食品など、1つ1つを外部とのコラボによってプロデュースするという地道な努力を続けている。 「インドから商品を輸入して提供することも出来るが、あえてそうせず、地方の町工場と一緒に取り組むなどして、日本の安心・安全な物作りを重視している」と岡さん。   この点が特にユニークだと感じ「消費(SDGsの目標12)を切り口に、意気込みや提案を」と投げかけてみたところ、MOTHERができることという視点で、SDGsや環境問題との付き合い方を探るようにこう話してくれた。「SDGsや環境問題は一生付き合っていくものでもあるので、どう長く付き合っていくかを重視したい。プラスチックフリーやゼロウェイストがいくらよい行動でも、例えば『10日間だけの特急ダイエット』のように実践するだけでは長続きするものではない。 (そのような取り組み方では)『今日も環境によいことが出来なかった』という罪悪感で苦しむ人もでてくるのではないか。『つくる責任・つかう責任』に対して私たちができることは、人間の価値観や心のあり方の根本を変えていくこと。」   ■短期的な幸せのためでなく、長期的な幸せのための消費。MOTHERが目指す〈健幸〉とは   MOTHERが提案する「日本式アーユルヴェーダ」の発信の中では「健幸」というキーワードが度々登場する。読者の皆さんは「健康」との違いについて、イメージできるだろうか。「私たちの人生を幸せにすることも、環境をよくしていくことも『持続可能』でなければならないと思っている。体が健康なことだけが、幸せにつながるのではない。」こうした考え方をMOTHERでは健幸(けんこう)と捉えている。 岡さんは講師として、日々の買い物や食べ物を例えに教えることが多いそうだ。 「短期的な快楽や欲望のために何かを買えば、目先の幸せで満たされるけれども、長期的には自分を苦しめることになる結果や、要らないものを買ってしまうことがある。」という話に、私たちが日々の選択で簡単に「サステナブルでない」方向性へ陥ってしまう日常生活上の行動ルーティーンについても省察する機会となった。 無意識に行っているかもしれないが、例えばコンビニに入って、自分のために食べるものを選択し、購入し、包装材や付属品を受け取るか否かまでの一連の流れも含まれるだろう。   健幸×消費でMOTHERが提案できる具体的な取組みについては、大川さん、川添さんにも話を聞いた。 大川さんは「先日、MOTHERが東京の百貨店へ出店した際、テーマに掲げた『自分に合うものを自分軸で選択すること』は、MOTHERがすすめる消費の基本的な考え方」と補足。 MOTHERはオンライン(EC販売)で商品を購入することも提案しているが、3月に阪急うめだ本店で、4月に伊勢丹新宿店で行ったプロモーションの一環では「パーソナルショッピング」という形で、買い物客とリアルで会話をしながら「自分に合うもの」を消費につなげるための相談にのった。 「『自分にはこれが合う』『この季節だからこれを選択する』と理解した上で買うことは、アーユルヴェーダをまだ知らない段階で、不必要な買い物をしてしまわないことにもつながる。こうしたMOTHERが提案しうる消費の在り方を、万博参加による共創でさらに大きくしていきたい」と、大川さんは消費者の買い方にも踏み込んで提案した。   川添さんは「(自分の考える)共創とは、参加型であること。SNSが発達して『個の時代』になっているとも言われているが、アーユルヴェーダは個を見ていくものだから、個を認め合い、個々が集まって、何か一つのものをつくっていったり、参加型になったりしていくことでみんなが『健幸』を実現できるのではないかと考える」と、若い視点から共創というテーマやアーユルヴェーダと真摯に向き合っている。そして、その言葉はしっかりと自分の経験に基づいて捻出されたものであることが伝わってきた。   ■共創が、次なる共創へ。コラボ先を限定せず、”これからの消費”にチャレンジ   共創チャレンジへの参加のきっかけは、代表の岡さんの「仲間を増やしたい」という動機が始まりだったそうだが、MOTHERが外部企業、その中の個人と積極的にコラボレートしている点にも興味を持った。 なかでも、企業コラボ事例で私が特に興味をひかれたのは、アサヒグループからサステナブル事業に特化して立ち上がったアサヒユウアス社とファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」との、2021年12月に行われたSDGsトークセッションだった。 もともとアサヒグループとエコアルフ・ジャパンの担当者同士が衣と食の分野の「サステナブルなライフスタイル推進」で想いを同じくして繋がり、共創によってうまれたアップサイクルプロジェクトや商品が先行していた。 「健康」「効率」「創造」に向き合うねらいで開催されたこのイベントでのトークを振り返り、岡さんは「アサヒグループさんの商品開発のやり方などに興味を持って参加したが、イベントのご縁で、MOTHERの次のものづくりの協働先を紹介いただくことも出来た。企業が(SDGsに対して)取り組みを展開しているが、組織の中で取り組んでいる人という『個』にフォーカスすると、私自身が様々な方とコラボしてお話が出来ると思った」と話す。 コラボを始める際、組織名ではなく、組織の中でSDGsに取り組む人を見て共創の輪に入るという岡さんの姿勢は、アーユルヴェーダで一人一人の個性や問題と向き合ってきた姿勢そのものに重なる。個人の間で一つうまれた共創の取り組みが、また次の共創へと橋渡ししているような事例だと感じた。   MOTHERからの続ける・つながるアクション提案: 健幸な女性を主役に、消費で共創を生み出す MOTHERでは、代表の岡さん自身のつながりの縁によって生まれ、実った企画は多岐にわたるが、その全てに一つ通ずることがある。それは、岡さんを筆頭に「女性性」を主役とし、発信や取り組みを次々と企画・実現していることだ。   MOTHERコミュニティ会員200~300人のうち、半数が子供を持つ女性であるとも伺った。「MOTHERというチーム名自体が、女性性を象徴する。発足時のネーミングの背景に、家庭の中で、まず、女性がハッピーであることを重視しているから」と岡さん。 女性を主役にSDGsを推進し、健幸な女性がどんどん増えていく。SDGsが介在するコミュニケーションやビジネスに風穴を開ける予感さえさせた。 MOTHERを立ち上げてからの岡さんご自身のサス活は、その柔和でありながら強さを持つ語り口から「学び(教え)」と「発信」の2本柱であると捉えられた。 前者には、日々の瞑想や呼吸法、ヨガなどで心を整え、体を動かすといった個人が自力で生活を変えていくためのサポートや継続的な指導も含まれる。後者の発信については「岡さんのインスタグラムへ」と記載するのが容易いかもしれないが、イベント登壇時のトークショーやオンラインレッスン、ライブ対談などでの生命力溢れる岡さんの姿や表現を通じ、毎日のように、私たちは何か見て学びとることが出来るだろう。   「健やかで幸多い日常の確立」とは、誰にとっても険しい道のりで、私自身、身をもって自分ごと化している。一方で「買い物で未来を変える」EARTH MALLのメンバーの一員でもある私は、MOTHERの提案にヒントを得、「長期的な幸せのための消費かどうか?」(短期的な幸せのための消費ではないのか?)と自問しながら、日々の衣食住の買い物と向き合う姿勢をとっていきたい、と背筋が伸びる思いだった。   取材にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。 「MOTHER」の共創チャレンジはこちら  

    続きをみる

  • 「緑をふやす、未来へつなぐ」

    「2025年の未来に託す1GOAL&1ACTION」。今回は、従来廃棄される衣類などのポリエステル繊維を「培地」として再利用することで緑を増やし、いのちをはぐくむ活動へと発想を変えて取り組む「PLUS∞GREEN PROJECT」の皆さん。メンバーの皆さんそれぞれの目標と、続ける・つながる「サス活」に迫りました。 ライター 腰塚安菜     チームの1ゴール: 「緑をふやす、未来へつなぐ」   今回、取材した共創チャレンジは「PLUS∞GREEN PROJECT」。2021年に商号変更した大阪府大阪市の繊維専門商社、スタイレム瀧定大阪株式会社と、徳島で都市緑化やリサイクル繊維培地の開発を専門とするアースコンシャス株式会社、近畿大学 社会連携センターの教授らの協力によってうまれたチームだ。   まずは、スタイレム瀧定大阪株式会社の坂本和也さんに話をきいた。1864年の「瀧定」の創業から150年超という同社は現在、繊維専門商社として4つの事業軸を持つ。テキスタイル事業では、廃棄時のCO2排出量を40%削減できるポリエステル繊維や、ヴィーガンダウンや寝具に利用する「カポックファイバー」などの繊維を「ECOARCH®」と総称し、展開。 一方、インド企業とのパートナーシップで、綿花栽培からGOTS(※)認証発行までを自社で管理する「インドオーガニックコットンプロジェクト」のオーガニックコットンづくりなど、2021年2月に自社のサステナビリティに対しての方針を定めてから続々と取り組みを展開してきた。そんななか、今回のTEAM EXPOに「PLUS∞GREEN PROJECT」を登録したのは「みんなで創っていく」コンセプトに共鳴したことからだという。 ※オーガニック・テキスタイルを製造加工するための国際基準。     ■「ポリエステル繊維リサイクル培地=TUTTI(トゥッティ)」を中心に共創の輪を広げる 読者の皆さんは「繊維から生まれた土」と聞いて、どんなものか想像できるだろうか。   ここから、主にポリエステル繊維を原材料とする培地を「TUTTI(トゥッティ)」と呼んでいく。坂本さんは培地について消費者に伝える際はシンプルに「衣類などをリサイクルした土」と伝えていると話した。「ポリエステル以外の衣類(天然繊維やセルロース等)もリサイクルして培地にできるか」と尋ねると、基本的には回収した衣類や資材系の端材などを利用して製造を行っているので問題はないとのこと。 この培地は扱いやすく、虫もつきにくく、植物が育ちやすい環境であるといった利便性もあり、ポリエステル繊維を85%以上になるようにブレンドし、その他の原材料はごく少ないそうだ。   2021年2月のプロジェクト始動以降「実際にどこで培地を見ることが出来るか」という問い合わせも多かったという。 そこで「企業関係者などへの公開できる場を」と、試験場「STYLEM AGRI LABO(スタイレムアグリラボ)」(2021年8月開場)の実装に取り組んできた。近畿大学の教授らのアドバイスを受けながら、本格的なグランドオープンに向けて、現在進行形で着実に準備が進んでいるそうだ。 企業関係者に培地の魅力を伝えるためには、自分たちで栽培して本質を理解する事が大切だと考える坂本さん。 「TUTTI」と「STYLEM AGRI LABO」の説明を通じて、消費者に衣類などをリサイクルする重要性を伝える工夫をしてきたことや、メンバー自身が実際に体験し、チーム内でも正しい理解を共有する姿勢が伝わってきた。     ■「自然はお金で買えない」。だからこそ、お客様に何かメッセージを伝えたい   「PLUS∞GREEN PROJECT」にはアースコンシャス株式会社という力強いパートナー企業の存在がある。代表取締役の青山恭久さんが「繊維と緑」の深い関係や、プロジェクトにかける思いの丈を話してくれた。   私たちが日々生かされている衣食住の中の「衣」で青山さんが繊維リサイクルに着眼した契機は、平成12年まで遡ることができる。 京都議定書が採択された後「循環型社会形成推進基本法」(循環基本法)の制定でリサイクルに関する基本的な方針が定められ、東京都を皮切りに、建物の屋上や壁面を緑化する条例が、都道府県や政令都市で次々と義務化されていった。今ではよく耳にするようになった、循環型社会推進への道筋が出来たが、青山さんは、未だ到達していない「繊維リサイクルに関する法律をつくりあげること」を個人的なゴールと考えている。 そのゴールに向かうため、「いのちのない服」を捨てるのではなく、緑や花をはぐくむ土台である「培地がうみだすいのち」を伝える活動にフォーカス。当時から、広く多くの方々に伝えたいと力を入れてきた。   26年前はリサイクルの取り組みへ周囲の反応も鈍く、苦労したというが、近年はサステナビリティへの追い風を感じ、このタイミングを逃さず、他社と競合ではなく協業することを前提に、これまでの技術ノウハウをオープンにしてきた。今回のスタイレム瀧定大阪社とのパートナーシップも大切に育みながら、繊維のリサイクルを通じて循環型社会推進のリーダーシップをとろうという同社の姿勢にふれた。     チーム「PLUS∞GREEN PROJECT」からの続ける・つながるアクション提案:   「服だけでなく、廃棄物全体を減らすこともゴール」というスタイレム瀧定大阪社(坂本和也さん、阿多憲明さん、小松美加さん)からは「TUTTIをまずは使ってみませんか」というサス活提案。いくら商材がよくても、体験、共感がなければ伝わらない。近年の「モノからコト」への消費動向も意識し、培地を体験し、採用を考えてほしいという。   「未来へつなぐ」活動の具体的事例では、例えば、渋谷の宮下パークなど自然がない都会の中心で起こす1アクションも提案。生活者の目に緑を入れながら催しを行うことで、より共感が大きくなるのではと考える。 生まれ育ちから勤務まで首都圏近郊育ちの筆者は、どっぷりと都会生活者。中でも、親子のライフスタイルの中で伝えるというアクションに大きく共感した。地域の緑化と同時にこのプロジェクトを進めることは、大阪・関西万博で掲げられる「いのち輝く未来社会のデザイン」にもつながるだろうと想像できた。   スタイレム瀧定大阪社の阿多さんは、この産学連携プロジェクトがハブとなり、つながりを横に広がるきっかけになればと考えているという。 また、広報の小松さんは、TEAM EXPOへの参加を自社発信するだけでなく、プロジェクトに賛同する取引先からも積極的に広報されることも、認知が広がる要素と捉えている。   アースコンシャス社のサス活は「いのちを育み、捨てるものに、いのちを与える」という誰にも分かりやすい活動コンセプト。 根底にあるのは「社会の健康に寄与する」マインドだそうだ。青山さんは「(企業が責任を持って)子どもたちに伝える」というもう一つのサス活にも意気込みを見せた。 青山さんのサス活のきっかけとなっているのは十数年前、京都企業との企画で実現した「ゴーヤ栽培教室」の取り組みで、夏休みに合わせて小学生や保護者と一緒にリサイクル繊維培地を使い、ゴーヤの種まきをしたというエピソード。 「企業の大小に恥じらいや遠慮をせず、自らが切り開くシーズ(ビジネスの種)とニーズに共感を頂ける方々と出会うことで、垣根を越えて『未来をつなぐ活動』を続けたい」という想いは、つながる・続けるサス活の象徴と捉えられた。   一方、「未来へつなぐ」活動で思いを同じくするスタイレム瀧定大阪社の坂本さんからは、子どもや学生たちへの「服育」活動の報告もあった。 最近の事例では、大阪市の「あべのハルカス」で行われた学園祭で、学生団体と培地を使ったワークショップを実施。リアルなイベントで服のリサイクルを親子に体験してもらい、楽しい取り組みとなったそうだ。   本取材で初めてその魅力と可能性を知った「TUTTI」。今、循環型社会の実現に向けて様々な主体が様々な形でアプローチする中、際立ってユニークなアプローチをしていると感じられた「PLUS∞GREEN PROJECT」。 メンバーの思いにふれ、チームのゴールやアクションプランが大阪から日本を飛び出し、世界にも伝わればと願わずにいられなかった。 アースコンシャス社の青山さん、スタイレム瀧定大阪社の阿多さんが揃って話したように「万博はひとつの通過点」。 私は私の出来ることから、普段の衣服の消費行動をいかに「循環型」に近づけるかを、今日からすぐに実践していきたい。   取材にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。 「PLUS∞GREEN PROJECT」の共創チャレンジはこちら

    続きをみる

  • 「プラスチック焼却ごみをなくす。ごみとなるものは運ばない」

    「2025年の未来に託す1GOAL&1ACTION」。初回はEXPO2025博覧会、テーマパークや競技場などのイベント会場で石油由来のプラスチックを環境にやさしい植物性、生分解性プラスチックに置き換え、普及・展開を目指す「ZerOウェイスト」の皆さん。メンバーの皆さんそれぞれの目標と、続ける・つながる「サス活」に迫りました。 ライター 腰塚安菜   チームの1ゴール: 「プラスチック焼却ごみをなくす。ごみとなるものは運ばない」   今回のインタビューは協和株式会社・Bioworks株式会社(以下バイオワークス社)・シンクピアジャパン株式会社の3社から多くのご参加者に出席いただいた。話を聞いて驚いたのは、各社がそれぞれの役割を明確に意識し、チーム「ZerOウェイスト」を編成していたこと。チーム内で「共創」の形をとりながら、プラスチックの焼却ごみを無くすことと、ごみとなるものを運ばないこと、2つのアプローチで地球温暖化対策につなげる共通目標を持っていた。   ■環境にやさしいプラスチック「ポリ乳酸」の普及を目指して   はじめに、大阪府高槻市に根差す協和株式会社の原田淳一さん(機能性材料推進部)は、チーム内の各社の役割を説明してくれた。   協和社では、生分解する環境にやさしいプラスチック「ポリ乳酸(PLA)」を普及し、その使い方を提案する役割を意識してきたという。「ポリ乳酸」開発企業のバイオワークス社、それと組み合わせる、後述の「生分解装置」を担当するシンクピアジャパン社の3社タッグで生まれたのが、チーム「Zer0ウェイスト」(*)だ。 *チーム名には、プラごみ「ゼロ」という目標に、パッと見た時の字面の印象でユニークネスも付加したメンバーの皆さんのこだわりが反映されているとのこと。   「ポリ乳酸」という素材には、まだ馴染みのない読者もいることだろう。   バイオワークス社で営業を担当する三宅禎輝さんによると、古くからあった「ポリ乳酸」は、ここ3年で急速に脚光を浴び、問い合わせが増えているそうだ。同社では、それまで使い勝手に乏しかった生分解性の素材の物性を自社技術で改質。タオル、マスク、ルームウェアなどのアパレルへの展開等、繊維商品での活用幅が次々と広がっている。秘密は同社がつくる「独自の添加剤」。これにより商品が長持ちし、繊維が高機能になったという。     ■「自然界の微生物で処理しよう」。シンクピアジャパン社のごみ処理のこだわり   次に生分解装置のパイオニア、シンクピアジャパン社長 松岡清次さんにお話を聞いた。15年前、ごみ処理機の販売をスタートさせてから今日に至るまで、企業にも生活者にも徐々に価値を知ってもらえるようになってきたという。前提として「綺麗なペットボトルなどはリサイクルできるが、一方でマヨネーズのように汚れたプラごみ容器は、自然界の微生物で処理が困難なため分別して処理する必要がある」と教えてくれた。同社ではこれをテーマに「エネルギーを使わず、CO2を出さずにごみを無くすこと」にアプローチしてきたそうだ。   中でも興味をひかれたお話は、その汚れた生分解性プラスチックごみや生ごみを箱の中で分解する「微生物のおうち(担持体)」へのこだわり。ごみを熱ではなく、自然界の微生物の力で処理する装置で、これにより同社のキャッチフレーズ「運ばず・燃やさず・その場で処理」を実現してきたそうだ。松岡さんの「(バイオワークス社、協和社とのコラボでつくった)微生物が食べやすいトウモロコシ、サトウキビ製素材で、微生物の“おうち”も生分解性になった。」そんな表現で、これまで話に聞いてきた「生分解性」という言葉への小難しい印象が変わり、とても身近に感じられた。     チーム「ZerOウェイスト」からの続ける・つながるアクション提案: 素材を扱うバイオワークス社(新田和也さん)からのサス活提案は「使いにくかったポリ乳酸を自社の添加剤の技術で実現した、普通のプラスチックと変わらない素材の品質を知ってもらい、積極的に導入・活用してもらうこと」。「使いやすくて普通のものと見た目も変わらない。添加剤自体も限りなく100%植物由来かつ生分解性で安心だから、広く採用してほしい」と強調した。今後、テーマパークや競技場など、身近なイベント会場、もちろん大阪・関西万博会場でも「環境にやさしいプラスチック」が広がっていく展開に期待したい。   「素材をカタチにする」協和社(原田淳一さん、廣田祐司さん、前田徹さん)からは、色々なカタチにすることができる「ポリ乳酸」素材を今まで使えなかった部分にも使ってもらい、世の中に浸透させていくアクションを、自社「サス活」として提案。一方、ポリ乳酸は一般的に使われる安い樹脂より値が張るため、コストも無視できないという課題もあるという。その上でも「環境にやさしい素材」であることを理解いただき、導入を検討してほしいと抱負を語った。   最後に、シンクピアジャパン社 社長 松岡さんからは、インタビューで強調した装置改革で「『微生物の “おうち” (前述の「担持体」)ごと生分解性にしたこと』が、ここ1年での1アクション」とユニークな表現で自社のサス活を提案してくださった。これまでは2年に1度ほど、その微生物の “おうち” 自体をごみとして出ていたが、ごみにならない植物由来に変えたことで、投入したごみも、“おうち”もごみにならない仕組みに。徹底的に「全部出さない」を、他に先駆けて実現させていることが強く印象に残った。   また、ごみといえば「分別」を我々は想起しやすいが、今回のインタビューで、松岡さんを始め、3社のご参加者からの発言で、何度も飛び出したのが「なくす」、「運ばない」というキーワード。いわば、ごみ課題への2つのアプローチだ。 松岡さんは、ごみを「出さず、なくす」以上に「運ばない」手段の選択も強調。例えば、地方では山の麓からごみを輸送する行程がつきもので課題となってきたというが、シンクピアジャパン社の「運ばない」考え方に共感する自治体(長野県立科町など)とは、共創で課題解決にむかう取り組みが既に進行中とも紹介してもらった。   サス活を提案するEARTH MALLの視点では、協和社の原田さんが締めくくりに話した「プラスチックを扱ってきて、ご飯を食べてきた」という言葉にもう一つヒントを得たと感じる。原田さんのように、プラごみ0アクションを単発のイベント限りで終わらせず、ライフワークとして向き合う人が増えることも、プラごみ課題に対して「これから何かを始めなければ」という人にとって、1つのアクションヒントとなるのではないだろうか。   世界的にプラごみが問題視される今、チーム「Zer0ウェイスト」が掲げる共創チャレンジは、万博会場でも注目を集めるだろう。2025年まで追い風を受けて羽ばたく取り組みの大きな可能性を感じさせた。   取材にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。 「ZerOウェイスト」の共創チャレンジはこちら

    続きをみる