福岡市科学館×九州大学 共同研究プログラム 

共創チャレンジ

2021.07.01

法人

チーム名サイエンス&クリエイティブ
共創メンバー矢原 徹一(九州大学大学院理学研究院・名誉教授/一般社団法人九州オープンユニバーシティ・理事/福岡市科学館・館長)
布施 健吾(一般社団法人九州オープンユニバーシティ・理事)
村上 貴弘(九州大学 持続可能な社会のための決断科学センター・准教授/一般社団法人九州オープンユニバーシティ・理事)
島谷 幸宏(九州大学大学院工学研究院・名誉教授/一般社団法人九州オープンユニバーシティ・代表理事)
鹿野 雄一(九州大学 持続可能な社会のための決断科学センター・准教授/一般社団法人九州オープンユニバーシティ・理事)
江口 久美(九州大学 持続可能な社会のための決断科学センター・助教/一般社団法人九州オープンユニバーシティ・理事)
比良松 道一(九州大学 持続可能な社会のための決断科学センター・准教授/一般社団法人九州オープンユニバーシティ・理事)
錢 琨   (一般社団法人九州オープンユニバーシティ・理事/福岡大学人文学部・講師)
谷 正和 (九州大学大学院芸術工学科研究院長・教授)
平井 康之(九州大学大学院芸術工学科研究院・教授)
岸村 顕広(九州大学大学院工学研究院・准教授/九州大学社会連携推進室科学コミュニケーション推進グループ・協力教員)
花田 俊也(九州大学大学院工学研究院・教授/国際宇宙天気科学・教育センター(併任))
吉岡 瑞樹(九州大学 先端素粒子物理研究センター・准教授/九州大学社会連携推進室科学コミュニケーション推進グループ・
        グループ長)
金 政浩 (九州大学大学院総合理工学研究院・准教授/九州大学社会連携推進室科学コミュニケーション推進グループ・
       協力教員)
池田 大輔(九州大学大学院システム情報科学研究院・准教授)
高安 礼士(福岡市科学館プロジェクトアドバイザー)
髙橋 伸幸(福岡市科学館事業総括責任者)
大塚 理恵(福岡市科学館展示プロデューサー)
吉田 宗可(福岡市科学館サイエンスコミュニケーター)
井上 香織     〃
大森 悠佳     〃
松吉 香織     〃
江口 優        〃
原田 美樹(福岡市科学館サイエンスナビ)
主な活動地域日本 / 福岡
活動テーマこども、子育て、教育、次世代育成 / 生物多様性、自然環境、生物 / 科学技術、バイオテクノロジー / 宇宙 /

私たちの共創チャレンジ

サイエンス&クリエイティブをコンセプトとして活動する福岡市科学館と、組織対応型連携契約を結び包括的連携を行っている九州大学とは、開館当初から共同研究を行っています。2020年度からは、サイエンスジュニア養成講座「ダーウィンコース」を開講しました。フィールドに出て観察や実験を通して五感を働かせ「科学する力」を養うこと(サイエンス)と、身につけたことを個性を活かして「表現する力」を養うこと(クリエイティブ)を目的として、子供たちの探求心や自制心、創造する力を養っています。
また、2021年度からは新たに「ニュートンコース」を開講し、万有引力を発見したニュートンの様に、目には見えないものを見るために物理・化学・情報といった科学の視点で子供たちの「科学する力」を養います。

未来への宣言

社会における協力を支える人間の性質には、協調性(共感力)・開放性(探求心)・勤勉性(自制心)があります。このうち協調性は、チームの結束力を高めるすばらしい性質ですが、違うチームに対しては競争心・敵対心を生むことがあります。自分とは違うチームとの協力・共創を促すうえでは、開放性(探求心)を高め、違うチームの考え方を知ることが大切です。探求心を含む「科学する力」を養う取り組みを通じて、違う考え方に関心を持つ子供たちを育て、違いを認め合う社会の発展に貢献します。

きっかけ

多様化・多元化が進み人類が直面する課題が複雑化している現代社会において、未来の社会を見据えた本質的な課題に応えるべく、新しい時代の科学者を育てることを目的として、2020年10月からフィールドワークと探Qゼミをセットしたものを1講座として、森・川・街・食・人・人類史の合計6講座を計画。募集したコースには51組が応募、抽選により15組が親子で参加しました。経験と探求から「問いをたてる」こと、「考えを表現する」ことを試行錯誤するなかで、子供たちの探求心、自制心、創造力を養うには有効な手段であると手ごたえを感じてきました。このような公共文化施設と地域の大学との新しい関係づくりについて多くの方々に知っていただき、福岡以外の地域でも同じような活動が生まれ、私たちと連携することで互いに「質」を高めていけるのではないかと考えたからです。

取組の展開

今後展開したい地域・方法全国の公共文化施設、大学、企業等に新しい取り組みをオンラインで紹介したり、アウトリーチによってプログラムの実践を行い、体験を共有していきたいと考えています。また我々のプログラムについてさまざまな視点からアドバイスをいただき、今後の共同研究に活かしていきたいと考えています。
共創を希望する方々活動に賛同する、初等中等学校および公共団体、大学、企業等

大阪・関西万博のテーマとの関わり

万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、その実現にSDGsが基本にあることは、我々が目指す次世代の科学者養成講座の目的と一致しております。我々のプログラムは実践的であり、万博に集まる世界の子供たちに対して、科学的な視点から「問をたてる」こと、「考えを表現する」ことの大切さを体験・実感していただくことが可能です。未来社会のデザインには、サイエンスの経験とクリエイティブな表現力の両面が不可欠です。我々が共創チャレンジに参画し、世界の子供たちがこのプログラムを受講することは、万博のテーマの実現に大きな役割を果たすと考えております。

SDGsとの関わり

SDGsは”誰ひとり取り残さない”ことを基本理念に掲げ、もっとも脆弱な立場の人々に焦点をあてています。この基本理念を実現するうえでは、世界の多様な文化・歴史・民族・自然について幅広い関心・知識を持ち、さまざまな立場を深く理解するための、質の高い教育が必要です。このような教育を通じて、さまざまな立場の人々とのパートナーシップを発展させる共創チャレンジを進めたいと考ます。また、身近な森や川などの自然環境について関心を持ち、自然環境の持続的利用のために、市民ひとりひとりが何ができるかを考え、行動指針を提案できる子供たちを育てます。

【お問合せ】

 〒810-0044 福岡市中央区六本松4-2-1

 TEL:092-731-2525(代表)FAX:092-731-2530

 HP:福岡市科学館 (fukuokacity-kagakukan.jp)

 メール:info@fukuokacity-kagakukan.jp

このチャレンジの投稿

  • ダーウィンコース ”食の回”

      今回は6,7月に行われた「食の回」についての投稿です。 福岡市科学館の交流室で実施されました。 6月27日の本講座では、『私たちは味をどのくらい正確に伝えられるか』という問いに答えるための検証実験を、人間自身が実際に食べものをテイスティングし、その味を分析機器に代わって五感で判断・分類する「官能評価法」を用いて行いました。 まず、1回目のテイスティングでは、参加親子各自に、いりこや鰹節など、単一の食材からとっただしを飲み比べ、感じた味を表現するのにふさわしい言葉を一つのだしにつき3つずつ書き出してもらい、味を表現する言葉が、五味のような基本味・風味や香り・食感・濃淡・風景やモノのイメージを示す言葉に分類できることを理解しました。   さらに2回目は、2種類以上の食材(成分)を組み合わせた「合わせだし」や市販の化学調味料のテイスティングを行い、その味を表現するのにふさわしい言葉を、1回目に書き出した言葉の中から選んでもらいました。               ①何の「だし」かがわからない、番号を記しただけのテイスティング用のだしが入った紙コップ。 ②飲み比べた「だし」の味を伝える言葉を書き出す。官能評価は、五感を研ぎ澄ませ、感じた味を表現するのにふさわしい「言葉」を見つけることから始まる。   7月4日の探求ゼミでは、参加者それぞれが選んだ食べものを、色・温度・基本味に関する視覚的表現やオノマトペ言葉で表現してもらい、選んだものが何かを当てるクイズや、本講座で味わった「合わせだし」の言葉による味表現の回答例から、どのだしかを推測するクイズを行いました。これらのクイズを通じ、『個人が感じた味を、他の人に伝えることの難しさ』をまず確認できました。 その上で、『味の言葉に関するデータをどのように扱えば、食べものの味を他者に伝えることができるか』を考えてもらい、測定にバラツキがあるデータは、たくさん集めることで特徴が見えやすくなることを学びました。 最後に、食べものの味のように、複数の項目によって測定・表現される(多変量)データを分類することが人間には難しいことをパズルで体感し、そのような場合は、専用の解析プログラムを用いると、素早く、わかりやすく、分類・図示できることを学びました。   ③合わせだしの味を表現する言葉のうち、回答数が多かった味表現に色をつけてパズルピースのように表現し、似たもの どうしを近くに並べ換えた例。例えば、鰹節や鯛、それらに昆布を合わせただし(下4段)では、しょっぱさや魚・海の風味を相対的に強く感じているのがわかる。ところが、組み合わせる食材を昆布からトマトに変えた合わせだし(上2段)では、すっぱさや野菜の風味を相対的に強く感じている。            ④全員の官能評価データを2次元グラフ化し、どのように合わせだしの味を分類できるかを館長より解説。   この実験から、五感で感じた味を表現するのにふさわしい言葉を、できるだけ多くの人から集めて見つけ出し、その言葉をものさしにすれば、様々な味を分類し、いろんな人に伝えられることを理解してもらえたのではと思います。分析の結果、『キノコだしの味に対して、大人と子どもの間で感じかたに違いがあるかもしれない』という新たな発見もありました。                

    続きをみる

  • ダーウィンコース”タンポポの回”

      今回は、6月に行われたダーウィンコース「タンポポの回」についての投稿です。 新型コロナウイルスの影響により、フィールドワーク・探Qゼミともにオンラインでの実施となりました。 6月6日の本講座では、『大濠公園の在来タンポポと外来タンポポはなぜ分布が分かれているの?』という疑問から、仮説と検証方法をみんなで考えました。 そこで「生き物の影響」「環境の影響」「人間の影響」という3つの仮説がでてきました。緊急事態宣言発令中だったため、生物学が専門の矢原館長と九州大学の永濱さんと科学館スタッフが現地調査する様子をZoomで見学してもらいました。   ①タンポポ生息エリアで固定カメラで観察し、昆虫が何回来たかカウントします。                             現地調査では、カメラを置いて花にくる昆虫の数の調査・土の砂の大きさ調査・エリアごとのタンポポの数の調査を行い、タンポポの分布を知るためにタンポポ地図を作ることになりました。 在来か外来かを見分けるとき、通常はタンポポの花の「総苞片(そうほうへん)」で見分けますが、6月半ばなので、花はあまり咲いていませんでした。しかしタンポポの葉で在来タンポポと外来タンポポを見分ける必要があるため、花が残っていて在来か外来か分かるタンポポの葉から違いをみつける事にしました。   ②土の状態を調べる様子。                       ③ふるいにかけて土や砂の粒の大きさをみていきます。                         6月13日の探Qゼミでは、葉っぱの「頂裂片」(頭の三角の部分)の大きさの違いを調べました。在来タンポポと外来タンポポの葉それぞれの「全体の長さに対する頂裂片の割合」と葉の数をヒストグラムというグラフにして見比べました。そうすると、外来タンポポの方が「頂裂片」の割合が大きいことが分かりました。  ここでは、たくさんある葉のデータを見やすくするための「グラフ化」を学んだので、これで葉だけでも在来タンポポと外来タンポポを見分けることができそうです。  これでタンポポの分布地図を作成することができそうですね!    ④館長が土の状態を記録に取る様子。「野帳」というフィールドワークを行う研究者がよく使用するノートに記録しています。    

    続きをみる

  • ダーウィンコース ”街の回”

    ダーウィンコース中級は、実際の研究者の研究プロセスを自分たちで体験し、研究とはどういうものかを知ると同時に、子どもたち独自の表現を引き出す講座です。   記念すべき第一回目の投稿は、10月10日に大濠公園にて行った「街の回」のフィールドワークです。   フィールドワークで藤棚の横の高台からの景観を考えている様子                 「大濠公園をもっとよくするためにはどうしたらよいだろう?」という疑問をテーマに、都市開発の研究を体験します。   研究手法を教えてくれたのは、景観や都市開発を専門に研究されている九州大学助教の江口久美先生。 先生によると、景観カルテを作成し、それを参考に都市開発を行う方法があるそうです。 また、都市開発を行うときは、さまざまな立場に立って考えることが重要なんだそうです。 なぜなら、「よい」と思って変えたことが、別の立場からみると欠点になることもあるからです。例えば、道が細くくねくねしているので通りやくするために、広く真っすぐにすると、「昔ながらの美しい景観が損なわれた」という意見がでてくるなど。   最初に先生の研究の話を聞きました。開発者側の話を、みんな新鮮な気持ちで真剣に聞いていました。                     今回は、3グループに分かれ現地調査をし、全部で6つの場所のカルテを作成します。 カルテには「つよみ」「よわみ」「自分だったらこう思う」「利用者だったらこう思う」「生き物だったらこう思う」など様々な立場に立った意見を予想して記入してもらいました。   「生き物だったらこう思う」は人と生き物が共生できる公園にするためにオリジナルで追加したものです。   カルテに載せる「つよみ」「よわみ」が分かる写真も撮影しました。   「舞鶴城の石垣がきれい」という「つよみ」を発見!!さっそくワークシートに書き込んでいます。 いろんな色の葉があることが「つよみ」だそうです。赤と緑の葉が混ざる木々の様子を撮影しました。                               カルテを共有するグループワークでは、さまざまな意見がでてきました。   フィールドワークから戻ったら景観カルテを完成。「たぬきの立場で、どんぐりがあったほうがうれしい!」という内容にほっこり☺                   次の探Qゼミでは、このカルテを使って大濠公園をよくするための提案を考えます。 どんな提案が出てくるのか楽しみです。              

    続きをみる