山神果樹薬草園 交流を通して広がる地域活性
共創チャレンジ
2024.09.26
法人
チーム名 | 山神果樹薬草園コミュニティ |
---|---|
共創メンバー | 松山油脂株式会社 |
現在の活動地域 国/地域 | 日本/徳島県 |
活動テーマ | // |
山神果樹薬草園は、東京都墨田区の石けん・化粧品メーカーである松山油脂が、自社製品に使用する和柑橘精油の安定調達を目的に、徳島県佐那河内村に設立した果樹農園です。和柑橘の栽培や有用性を研究しながら、精油や飲料・食品、酒類の製造をしています。自社での栽培に加え、高齢化がすすむ近隣の農家から、「担い手不足で収穫できない」「規格外で出荷できない」などの理由で活用されていない、柚子をはじめとする和柑橘を集め、精油や飲料・食品など価値あるものに生まれ変わらせてすべて使いきっています。これまで価値がないとされてきたモノに向き合い、使い道を創造し、研究し開発すること、無価物を有価物に再生し、循環させることを事業理念として掲げ、その事業で得た収益を地域に還元し、里山を元気にすることを目指しています。
山神果樹薬草園は、モノをつくる場にとどまりません。生業を通して、人の「輪」と「和」を広げることができる場を育てていくことも、重要な事業目的のひとつです。新たな人が村の魅力に触れて住み暮らし、ともに働くようになる。村がさらに活気づいて、また新たな人が村へやってくる。そんな人の循環も、担いたいと思っています。
誰でも自由に利用できるヤマガミカフェやファクトリーショップ、ファクトリーイベント等を通して、近隣農家の方々や県内外のお客様との「輪」を広げ、原料の調達を進めながら、和柑橘生産者やJA徳島市との繋がりを強化し、和柑橘の新たな活用方法を模索・研究する中で、徳島大学などとも連携してきました。また、和柑橘の搾汁残渣を最後まで使い切るために、シイタケ農家と共創し、シイタケ収穫後の廃菌床を活用して、自社内のコンポストハウスで有機堆肥の製造を行なっています。このように、事業のあらゆる面で、地域の事業者や生産者、教育関係者、研究者などとの繋がりをつくり、深め、具体的な取り組みにつなげ、コミュニティとしての側面も強化してきました。
徳島県立農林水産総合技術支援センター農業大学校(農業大学校)との取組みもそのひとつです。同校は昭和41年に設立された2年制の学校で、農業後継者や農村地域の指導者の養成、また、新たに就農を希望する人や農業者等の研修を行い、徳島県の農業の振興に寄与することを目的としています。最初の接点は、同校が主催する「徳島かんきつアカデミー」で、農業経験がゼロであった山神果樹薬草園のスタッフが、草刈り、植え付け、灌水、施肥など、果樹農業に必要なことを、座学と実技で、基礎から応用まですべてを学びました。
その後、果樹農業も軌道に乗りはじめた2023年からは、農業大学校のさまざまなコースの学生が、授業の一環として農園を訪れる、体験学習の受け入れを開始。柚子などの和柑橘果実の収穫や、細心の注意を必要とする苗木の移植、土壌改良や、排水のための側溝堀り、苗木を定植するための畝(うね)づくり、精油や飲料・食品の製造、品質検査、ラベル貼り、箱詰めなど、学生たちは農園運営に関わる多岐にわたる様々な作業を体験します。
山神果樹薬草園は、会社組織として農園経営・運営を行なっています。果樹の栽培から、加工・販売までを行なう6次産業化に取り組むことで、収益の源泉となる付加価値の高い製品を自ら創出すると共に、搾汁残渣など、事業過程で排出される廃棄物や、地域の無価物を再生させるための様々な方法を開発・実現することもでき、環境負荷低減に大きく貢献しています。
環境配慮を踏まえ、高い志や理念を掲げながら、事業としても成立させるための方法を体系的に積み上げていく、その活動を、農業体験を通して学生たちに示すことは、将来就農を目指す若者たちの背中を押すことに繋がります。また、山神果樹薬草園が学生たちの就職先のひとつとなることで、次世代の農業従事者の育成に繋がり、担い手不足で衰退危機にある地域農業の持続可能性に、直接的に貢献していくことになると考えます。このような活動を継続していくことで、訪れる人や関わる人が増え、コミュニティの「輪」が大きくなり、更に地域が活性化する、そして、それぞれの繋がりを通して「再生と循環」という理念が、地域の垣根を越えて広がっていく、そのような活動にチャレンジし続けて行きたいと考えています。
ネットワーク: 自治体・学校・工業技術センター・農業関係者・一般来訪者など、山神果樹薬草園の事業領域に関わりのある方々
まずは徳島県内に、山神果樹薬草園の事業理念やノウハウ、経験を、交流を通して拡げていきます。
山神果樹薬草園の理念や取り組みに共感する、県内外の自治体・教育機関・農業関係者
山神果樹薬草園は、和柑橘を全て無駄なく使い切り、「再生と循環」を繰り返しながら里山を元気にすることを理念として掲げ、事業を行なっています。自社栽培に加え、周辺農家から集めた、キズや規格外などの理由で出荷されなかった和柑橘から精油やジュース、リキュールなどの製品をつくり販売し、残った最終残渣も有機堆肥にして活用することで、果実を丸ごと使い切っています。また、和柑橘の栽培や調達、収穫、研究、食品の製造や販売、工場見学、環境負荷低減など、様々な事業活動を通して他者との交流を活発にし、コミュニティとしての機能を強化することで、人と経済の循環を図り、地域を活性化させ、次の世代に豊かな里山を残します。このような取り組みは、「いのち輝く未来社会のデザイン」であると考えます。
問い合わせフォーム:https://www.matsuyama.co.jp/contact2
メールアドレス:info@matsuyama.co.jp