
日本技術士会近畿本部・建設部会主催の2022年度第2回講演会に参加しました。
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投稿者 | 杉山 典之 |
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最終公開日時 | 2022.07.19 |


6月22日、日本技術士会近畿本部・建設部会主催の2022年度第2回講演会(テーマ:30分で組み立てられる仮橋)が開催されたので参加しました。
講師は、太陽工業株式会社 国土事業本部 国土技術部長の石田正利様です。
毎年、6~7月ごろは全国的に豪雨災害が懸念される季節です。今回の講演会では、災害等の緊急時に簡易に組み立てられる仮橋について紹介されました。
ジオシンセティックス(Geosynthetics)、すなわち土木用の高分子材料を用いた製品の総称で、今回の製品はゴムによる防災・減災対策品です。
本製品はまだ実用化されていませんが、すでに警察や消防と合同実験を行っています。
開発のきっかけは2019年の熊本豪雨で、昨年メンバー5名により、災害時における仮設橋の開発をスタートさせたとのことです。
開発におけるキーワードは次の6つでした。
①気づき(「?」から「!」に)
②ドンピシャ(迅速かつ簡単)
③スピード(重機不要)
④フレキシブル(安全に渡れる)
⑤感動品質(1人5分で救出)
⑥世代を超えた記憶
現地にゴム製の高分子材料でできた製品をトラック等で持ち込み、現地で空気を入れ製品の最終形状を作ります。最終形状は中空円筒形のドーナツ状のもので中空の直径は約1m、長さは約10mの大きさです。
それを、幅10m程度の河川に渡し、対岸から人を中空部分を通して救助できるという製品です。15分~20分で本形状に展開でき、中空部分に大人3人入っても問題はありません。1人を約30秒で搬送することができるようです。
講演後、次のような活発な議論がなされました。
・実用化に向けて、本製品の設計基準は「橋梁」あるいは「避難装置」のどちらを適用すべきか、また製品名称も同様「橋梁」か「避難脱出装置」か、を検討してはどうでしょうか。
・安全面について流木や風に対する耐性も考慮した方がいいのではないでしょうか。
・ユーザとしては、消防団・水防団・自衛隊等が考えられるでしょう。
今後は、実用化に向けて、適用される法律(一時的な建築物か救助用設備か等)、さらなる性能確認、現地での据え付け方法等の項目について、検討が進められるようです。
本製品に興味を持たれた方は、以下にお問い合わせください。
日本技術士会近畿本部万博参画準備委員会 hirose9414@gmail.com
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