「TEAM グリーンオアシス JAPAN」として活動する薄層屋上緑化技術協会、一般社団法人緑のまちづくり支援機構は、暑熱対策やサスティナブルにも配慮しながら緑化・快適空間の創出を目指す「まちなかグリーンオアシスプロジェクト」の取り組みを通じて、多くの緑や花で彩られるまちづくりを推進しています。
活動の一環として、11月21日に「水と緑のまちづくり」をテーマにしたWEB講演会を開催、東京と大阪の2つの拠点からライブ配信を行い、150名の方にご視聴いただきました。
東京会場では「NHK趣味の園芸」などでおなじみの園芸家・杉井志織さん、大阪会場ではランドスケープデザイナー・まちづくりプロデューサーでE-DESIGN代表取締役の忽那裕樹さんをそれぞれお招きしてご講演いただきました。
杉井さんは「都市の中に溶け込む園芸植物・花合わせと色合わせ」をテーマに、ご自身がこれまでに手掛けた様々なプロジェクトを振り返りながら、都市の中に溶け込むガーデニングのポイントを花合わせ・色合わせの視点から紹介。
「植物の癖をうまく利用すると管理が楽になる。ガーデンデザインでは、コストやマンパワーも含めてその環境で育てられる植物は何か、植物がどのように見えるのかをまず考え、植物にとってストレスがなく、パフォーマンスをうまく引き出せるような植栽計画に落とし込むことが重要」と語りました。
忽那さんは「オープンスペース・ネットワークが開くまちづくり―大阪・関西万博とその後の展開に向けて」をテーマに講演。
独自のランドスケープ・まちづくり手法を用いて賑わいと緑にあふれた魅力的なパブリックスペースを数多く創出している忽那さん。これまでに手掛けたプロジェクトとして、日本の商業空間における先進的な屋上緑化事例であるなんばパークス(大阪市浪速区)のランドスケープデザインや大阪・中之島エリアで水辺を中心とした賑わいのまちづくりを創出した「水都大阪」の取り組みなどを紹介。
また、大阪・関西万博ランドスケープデザインディレクターの立場から、万博会場のランドスケープデザインコンセプトや会場中心部に設置される「静けさの森」の植樹計画について触れ、最後に、万博閉会後も見据えて、車中心から人中心のみちへと空間再編をめざす「御堂筋将来ビジョン」についても紹介しました。
講演会では他にも主催者発表として、緑のまちづくり支援機構会員で散水・かん水機材を提供するイーエス・ウォーターネットの橋本裕介が「SDGs水利用の見える化」、薄層屋上緑化技術協会会員で建築緑化事業などを手掛ける京和グリーンの宮下哲司が「壁面緑化」と題し、説明しました。
今後も2団体が連携して講演会や勉強会を開催し、「まちなかグリーンオアシスプロジェクト」の活動につながる人脈づくりや情報収集などに努めてまいります。