伝承碑バトンQ 大阪市で開催しました!

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投稿者ベル
最終公開日時2023.11.16

幅広い年代層の方にご参加いただきました

 

このたび3回目(プレ開催含む)となる「自然災害伝承碑スタンプラリー 伝承碑バトンQ」を大阪府大阪市西区・浪速区エリアで開催しました。今回は9歳から、20代、30代、50代、60代、70代、80代と幅広い年代層の方々にご参加いただきました。

 

 

開会式では「自然災害伝承碑」の紹介をしました。手に持っているマークが「自然災害伝承碑」の地図記号です。国土地理院地図には自然災害伝承碑マップがあり、全国2037箇所ある自然災害伝承碑の場所を確認することができます。

 

自然災害伝承碑がスタンプポイント

 

大阪市西区・浪速区にある、自然災害伝承碑をスタンプポイントに、街を歩きながら3つの自然災伝承碑を巡りました。

 

 

1つ目は、大阪市西区の九条東小学校前にある自然災害伝承碑です。伝承碑というと、墓石や石板状をイメージする方も多いのですが、さまざまな形状のものがあります。

ここ、九条東小学校にあるものは小学校の壁面に設置されています。今から約89年前の1934年に発生した室戸台風による状況を伝承しています。

 

 

2つめは、大阪市西区の西長堀公園にある自然災害伝承碑です。

大阪西区では、1934年(室戸台風)、1961年(第二室戸台風)、1950年(ジェーン台風)と何度も台風による高潮の水害の被害を受けており、室戸台風では大阪市内で911名、第二室戸台風では6名、ジェーン台風では211名と、多くの人命と財産が失われたことが伝承されています。

 

 

3つめは、大阪市浪速区にある自然災害伝承碑です。

こちらは、過去の災害教訓が生かされなかことを後世への戒めとして建立されたものです。

 

1707年の宝永ほうえい地震の際に、船に避難した人が被害にあった教訓が生かされず、1854年に発生した安政あんせい南海地震後に発生した津波でも、多くの人が近くの安治川あじがわ・木津川等に停泊している船に避難し、大きな被害を受けたことを悔いた先人が石碑を残しています。

また、この石碑には、被害時の様子が詳細に記述されています。

 

そして、碑文の最後は、「願わくば、心あらん人、年々文字読み安きよう、墨を入れ給うべし」という言葉で締めくくられています。この一文はとても強く心に響きます。

 

この碑文を残した先人は、心碑文の墨手入れと教訓の伝承を願い、その願いは、地域の方々からなる保存協会の皆さんによって、今でも毎年お盆に供養と墨入れが継承けいしょうされています。

 

筆者(一社災害伝承普及協会:ベル)は、自然災害伝承碑を巡りを始めて2年以上になりますが、この伝承碑以外に、碑文の手入れにまで言及している自然災害伝承碑には出会ったことがありません。

 

いつもは見えなかったものがみえてくる

 

伝承碑バトンQのスタンプラリーは、自然災害伝承碑をスタンプポイントに、参加者とスタッフが全員一緒に巡り、「災害伝承パスポート」を用いながら災害伝承、災害教訓を学ぶオリジナルスタイルのものです。

スタンプポイントでの解説だけでなく、防災の目で街の中を歩くことも大きな特徴です。

 

 

大阪市西区では想定浸水深そうていしんすいしんの表示が街の中で見つけることができます。

スタンプラリールートを「防災の目」で歩くと、普段は見えていなかった(見えているけれど見ていない)表示をみつけることができます。大人も子どもも表示を見つけると「パチリ!」とカメラタイムです。

 

海はどっち?

 

 

大阪には川や運河がたくさんあります。その歴史背景は地名や交差点、道路や橋の名前にも残っています。地名にも過去の災害の記憶が伝承されていることがあります。

街に残された過去の歴史にも触れ、その場所がどのような場所だったかを知ることは防災にも役立ちます。

 

橋を通過する際には「うみはどっち?」と質問します。

これは地震が発生し、津波がくる!というときには、どちらから津波が来るでしょう?の質問と同じです。

 

人の目の高さではビルや建物がたくさんあって、山や遠くの景色が見えにくい都会では海がどちらにあるかわかりにくいものです。小さなことですが、自分の命を守る力に、海や川の場所、地図や地形のことを知っていることはとても大切です。実際の街の中で、実感をもって体験いただける機会になっています。

 

災害伝承で一番大事なことは?

 

これは、スタンプラリーの最後に行うクイズの一番最後の質問です。


ご参加くださった皆様は、開会式のときに「災害伝承」について事前に知っていた方はいらっしゃいませんでしたが、イベント終了後の「災害伝承」クイズでは全員正解でした!

 

災害伝承で一番大事なことは?

・石碑に残す ・手帳に記録する ・人に伝える

 

みなさんの答えはいかがですか?

こたえ:人に伝える

 

さいごに

 

伝承碑バトンQの開催にあたり、たくさんの皆様にご縁とご協力をいただき無事に開催することができました。ありがとうございました。

2023年度は今回で最後となります。
2024年度も伝承碑バトンQは3回開催いたします。

また、大阪・関西万博のTEAMEXPO2025 共創チャレンジの目標としている長期間で行う自然災害伝承碑スタンプラリーの開催実施にも挑戦いたします!

どうぞご期待ください☆

がんばります!
ベルでした!

 

【ご案内】
この記事に関すること、伝承碑バトンQの開催日程、開催のご相談など、伝承碑バトンQについてのお問い合わせは、下記事務局へお気軽にお問いあわせください。

伝承碑バトンQ運営事務局:489denq@gmail.com (担当:伝宝)

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