新聞の「読み物」の型に基づく作文・読書感想文用プリント「新プリエッセー」で授業/「楽しかったです」の感想に教育方法の伸びしろ実感!

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投稿者株式会社プラススターHR
最終公開日時2023.09.24

 ・ノート代わりになる新聞形式プリント教材「新プリ」のうち、新聞の「読み物」の型に基づいて作った作文・読書感想文用「新プリエッセー」について、開発者の一人・加星宙麿(プラススターHR代表)は22日、大阪市鶴見区の鶴見南小学校の6年生2クラスで授業をさせていただきました。


 ・小中学生の3人に1人が夏休みの最も嫌な宿題に「読書感想文・作文」を挙げるという調査結果もある中、1時限だけで文章▽見出し▽絵−を仕上げてもらったところ、授業後に児童がわざわざ教壇まで来て「楽しかったです」と一言述べて去っていくといった反響をいただきました。


 ・もちろん全員が同じように思っていたわけではないと思いますが、作文に取り組んで「楽しい」と感じてくれる姿が頼もしく、子どもたちの学ぶ意欲を引き出しつつ、将来につながる力をはぐくむ教育方法はまだまだ発展させられると実感しました。

◆起承「展」結で引き込む◆

 

 新プリエッセーは、起承「展」結の文体で作ります。「印象的な話」から始め、関心を引くのが特徴で、新聞では速報性の高いニュースではなく、じっくり読んでもらう連載などで使う型です。これまでの新プリシリーズは、新聞のニュース系と同様、最初に大事な内容をまとめる「逆三角形」の型でした。

 

 授業は、新プリ共同開発者の樗木厚教諭と連携し、広島への修学旅行を前にした平和学習の一環で実施。新プリエッセーのテーマは「平和な世界にする方法」に設定しました。

 

 書き方の型を学んでもらうのが狙いだったため、起承「展」結のそれぞれに何を書くのかも大枠を設けました。
 書く順番は「承」が先で、「承」→「起」→「展」→「結」です。

 

「承(問題提起)」…これまでの授業で「平和とは何か」を話し合った内容を踏まえ、(1)「どんな状態かといった内容・キーワード」と(2)「その理由」を書きます。

 

「起(印象的な場面で文章を始める)」…「承」のキーワードについて、それを直接書かずに、自分の経験と関連した内容の場面や思いを具体的に書きます。「何それ」「答えが知りたい」と思わせることができれば成功です。

 

「展(話をひろげる、問題解決策を提示)…これまでの授業で話し合った「平和な世界にする方法」を踏まえ、自分が考える課題解決策を書きます。「承」で示した内容をどうすれば実現できるのかを説明する形です。
 ※本来の「転」は「転じる、変える」意味合いとなるため、「ひろげる」意味を持つ「展」を使っています。

 

「結(話を結ぶ、自分はどうするのかを表明)」…「展」の課題解決策に関連し、「自分はこうしていく」という思いや抱負を書きます。

 

・その後、文章の大事なポイントを見出しで伝える点を説明し、「展」「結」の中からキーワードを抜き出して見出しを作るようにしてもらいます。

 

・さらに、そこまでやって時間があった場合は、見出しの内容を分かりやすく絵で表現してもらいます。

 

◇始まりは「小銭を拾う」/思考力、表現力向上へ◇

 

 本文を書く時間は30分もない状況でしたが、子どもたちは例えば下記のように書いてくれました。

 

タイトル:「まずは助け合い」助け合いが平和をつくる。
起:地下鉄で、女の人がさいふを落として、小銭がちらばったので、拾ったら、女の人に「ありがとう」と言われてとてもうれしかったです。
承:私は、平和とは、人と人が、助け合える状態だと思います。なぜならこまったときでも助け合えば戦争はおこらないと思ったからです。
展:平和な世界にするには、一人一人が助け合い、ケンカをしないことだと思います。
結:私は、こまっている人がいると、助けるように努力します!!

 「起」があることで、話に引き込まれますし、説得力、発信力が増します。
 また、一つのテーマ「承」について、自分の経験と結びつけ、違う角度から「起」で書いたり、「見出し」に基づいて「絵」を描いたりするのは、子どもたちの論理的思考力や表現力を向上させます。

 

 大阪府教育庁がまとめた大阪の2023(令和5)年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果では、中学生の国語の課題として、「「読むこと」では、文章を比較して表現の効果について考えたり、文章を読んで理解したことと知識や経験とを結び付け、自分の考えを広げたり深めたりすることに課題が見られる。また、全体を通して、自分の考えを条件に沿って記述することにも課題がある」と指摘されていました。

 

 まさに新プリエッセーによって解決していける課題だと考えています。
 今回実践してくれた児童の皆さんは来年中学生。これからの活躍に少しでも貢献できていればと願っています。

 

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