未来への宣言
障害のある人が日常生活の中でくり返し行う行動などもその人の表現として取り上げる視点を持ちながら、障害のある人への理解を促します。そして、芸術文化を通して障害者と地域の人々がつながる機会を創りだします。障害がある人もない人も、その地域に住む一人ひとりがそれぞれの役割を持つことで創られる、豊かな社会を目指します。
きっかけ
障害のある人が創作する作品に対する評価の高まりとともに、展覧会への出展をはじめ、商品へのデザイン使用といった機会が増えています。障害者の芸術活動を支援するためには、その権利保護のための相談支援体制の整備や、その担い手の人材育成に取り組むことが、障害者の権利の向上や社会参加を推進するうえで重要な観点の一つと考えます。障害のある人がより安心して創作活動に取り組めるよう、まずは相談支援体制を整備すべく、2014年に「東京アール・ブリュットサポートセンターRights」として誕生しました。当初は美術分野を支援対象としていた活動ですが、音楽や演劇、舞踊などの舞台芸術、そして多様な芸術文化活動へと支援の対象が広がってきたことから、2022年4月に「東京アートサポートセンターRights」に改名しました。
創出・支援したい共創チャレンジ
次のチャレンジを生み出します。
・障害のある人の表現活動にまつわる権利を守る支援・研修
・障害のある人の表現活動を支える人材の育成
・福祉や芸術、公共施設、文化施設、まちづくりなど様々な人がつながるネットワークづくり
・障害のある人の作品や表現を発表する機会
大阪・関西万博のテーマとの関わり
障害のある人の芸術活動を通して、「障害者」ではなくその人を知ろうとする機会が増えれば、障害の有無に関わらず、一人ひとりが個人として向き合いお互いに配慮することの大切さに気付きます。それは、SDGsの達成に貢献し、「いのち輝く未来」につながると考えます。
東京アートサポートセンターRights(ライツ)
東京アートサポートセンターRights(ライツ)は、東京都中野区にある社会福祉法人愛成会が運営し、東京都障害者芸術活動基盤整備事業の補助を受けて活動しています。
1958年の創立からご利用者様と共に地域づくり・街づくりへ寄与する取り組みを行っている社会福祉法人愛成会は、社会福祉事業を行うとともに、公益事業を担う部署として2012年に法人企画事業部を開設しました。
芸術文化を主とした活動をする法人企画事業部では、アール・ブリュット(※1)の普及啓発や誰でも参加できる地域に開いたアトリエなどを開催するほか、東京アートサポートセンターRightsを設置して(※2)、障害のある人の芸術文化活動の普及支援をしています。
※1:アール・ブリュット(Art Brut)とは、フランスの芸術家ジャン・デュビュッフェ(1901-1985)が提唱した概念であり、専門的な美術教育を受けていない人々が、内なる衝動から独自の発想と表現方法によって生み出す芸術作品を指します。アール(Art)は「芸術」、ブリュット(Brut)は「磨かれていない(加工していない)生のままの」という意味を持ち、「生(き)の芸術」とも呼ばれています。
※2:2014年に「東京アール・ブリュットサポートセンターRights」として設置、2022年に現センター名に改名しました。