みんなで力を合わせて、海の豊かさを守ろう!ヘチマプロジェクト ~ ヘチマたわしを活用した海洋プラスチック汚染問題に対する取り組みを世界へ! ~

共創チャレンジ

2024.09.18

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法人

チーム名みんなで力を合わせて、海の豊かさを守ろう!ヘチマプロジェクト連合チーム
共創メンバー
関西SDGsプラットフォーム公認・共育分科会
現在の活動地域 国/地域日本(大阪市、堺市、神戸市、三田市、生駒市、浜松市、青森市)、カンボジア(コンポントム州)
活動テーマ
■共創チャレンジの内容

ヘチマプロジェクトとは、SDGs14「海の豊かさを守ろう」を目標に掲げた、海洋プラスチック汚染問題に対する取り組みです。
食器洗い等でプラスチック製スポンジを使うと、マイクロプラスチックごみが排出され、排水口から川を通り、やがて海へと流出することになります。
そのプラスチックごみを魚が食べ、その魚を人間が食べることになれば、人間にとって、健康への被害が懸念されます。そして、食べ終えた食器類を再びプラスチック製スポンジを使って洗うと、延々と同じことが繰り返され、プラスチックによる水質汚染が進む一方です。

このような構図を無くすため、プラスチックごみを排出しないヘチマたわしをプラスチック製スポンジの代替品とするべく、ヘチマを栽培して、ヘチマたわしを作製し、その利用・普及のためにヘチマプロジェクトに取り組んでいます。

また、プラスチック製スポンジは、使用後は「ごみ」になりますが、ヘチマたわしは、使用後に細かく切って、畑にまけば「肥料」にすることができます。そして、その肥料を活用して、ヘチマを栽培すれば、持続可能なサイクルをつくることができます。

私たちは、ヘチマプロジェクトを通じて、この持続可能なサイクルを作り出そうとしており、現在、保育園や小学校等と連携し、各校園の子供たちとヘチマたわしの作製に向けて、ヘチマの栽培に取り組んでいます。

連携先の学校園では、共育分科会によるSDGs14「海の豊かさを守ろう」についてのお話、浜辺の砂をふるいにかけて、小さくなったプラスチックごみがどれだけ砂の中に混じっているかを実際に見つける体験、そして、その体験では、小さなプラスチックごみが混じっているのを目の当たりにした子供たちが、「これ以上、海を汚してはいけない」、「海の豊かさを守る必要がある」と理解し、そして「そのために、ヘチマを育てて、ヘチマたわしを作って使う必要がある」という動機付けとなって、ヘチマたわし作製に向けてヘチマの種まきを行う、という流れで取り組みを進めています。そして、秋にヘチマの実を収穫し、ヘチマたわしを作製して、各学校園で用いる他、子供たちが各家庭に持ち帰って、家庭内で用いています。特に持ち帰った家庭内で、子供たちがヘチマたわしを頑張って作ったことを大人たちに伝え、SDGsに対する理解を広げていくことも目的にしており、実際に家庭内での使用も少しずつ広がってきています。

また、地域イベントで子供たち自身が販売員となって、ヘチマたわしを販売しました。子供たちにとっては金銭教育の一環となり、また、生産者、販売者、購入者、使用者の全員が、SDGs14「海の豊かさを守ろう」に貢献する行動をすることができました。そして、その販売収益を寄付することで、2023年度は、こども食堂への支援、能登半島地震の被災者への支援、ウクライナ難民への支援に役立てることができました。
また、子供たちが作ったヘチマたわしを天王寺動物園へ寄付しました。同園内の水槽や洗い物に使ってもらった他、歯ブラシの代替品として、ヘチマたわしを動物に噛ませて、マイクロプラスチックごみを排出することなく、歯のケアに役立ててもらおうという取り組みでした。これは、海に住む動物たちに関わる天王寺動物園が先頭に立って、子供たちと連携して、マイクロプラスチックごみを排出しない取り組みを広く社会へ呼びかけようと実施しました。

このようにして、大阪、堺を中心にスタートした当該活動も、徐々に実施エリアが広がり、現在では、神戸市、三田市、生駒市、浜松市、青森市でも取り組みが進んでいます。
ヘチマについては、小学4年生の理科で観察学習の対象として取り扱われていることから、観察学習だけで終わらせてしまうのはもったいないので、ヘチマたわしを作って使うところまで子供たちのためにSDGsとして取り組んでみませんか?というお話を経て、取り組み校園が徐々に増えてきています。

また、活動地域を広げていくにあたり、人員不足がネックとなっていることから、各地での交流会での登壇発表や協力団体からの紹介等により、当該活動に直接関わっていただける方に実践行動を呼び掛け、取り組みを広げています。
最近では、2024年4月に静岡県浜松市で「浜松へちま・ミライ」が結成され、当該団体によって「うみいろ そらいろ 浜松へちまプロジェクト」が進められています。70の団体と300名の個人が参加し、ヘチマ栽培、そして、その先のヘチマたわし作り・利用に取り組んでいます。また、浜松市内の小学校・中学校4校以上と連携し、海の豊かさを守ろうをテーマに出前授業を行ったり、ヘチマプロジェクト同様にヘチマ栽培にも携わっています。

大阪府堺市、兵庫県神戸市では、さかいSDGs推進プラットフォーム事務局や、ひょうごSDGs Hubが、それぞれの市内において取り組み校園を募集し、共育分科会による「海の豊かさを守ろう」についての出前授業、子供たちとのヘチマの種まきを実施しています。

また、奈良県生駒市では、いこまSDGsアクションネットワーク事務局が同市内の取り組み希望校を募集し、同市内の小学校において、同事務局が直接「海の豊かさを守ろう」についての出前授業、子供たちとのヘチマの種まきを実施しています。

そして、キッチンスポンジからどれだけのマイクロプラスチックごみが排出されているのかという実験を行った短期大学の教授が作成された実験データを、共育分科会がヘチマプロジェクトの出前授業に活用させていただいたご縁から、青森市内の小学校2校において、「海の豊かさを守ろう」についての出前授業の実施が実現し、これを機に、当該2校がヘチマプロジェクト連合チームに加わることになりました。

また、海外においても、コンポントム小学校教員養成校附属小学校の子供たちと、オンラインで繋がり、「海の豊かさを守ろう」について出前授業を実施しています。カンボジアにおいても、子供たちの近所の池や河川、海がプラスチックごみで汚れている現状から、当プロジェクトについて、自分事として取り組んでいます。今後、日本とカンボジアの子供たち同士が、海の豊かさを守る目的で連携し、ヘチマ栽培や海洋汚染問題についての意見交換等の交流を図ることを予定しています。

今後も国内外を問わず、ヘチマプロジェクトに取り組む仲間をつくり、海の豊かさを守る目的で一致した連合チームの仲間たちと共に、SDGsの目標達成に向けて、取り組みを進めてまいります。

■必要なリソース

人材: ヘチマプロジェクトを広めていくためには、熱意ある「人材」が必要不可欠です。
ヘチマプロジェクトに本気で取り組もうとする「人材」が学校園、その地域の企業・団体に存在すると、スムーズにSDGsでの連携を進めていくことができます。また、このヘチマプロジェクトを持続可能な取り組みとするためには、ヘチマプロジェクトに頑張って取り組む子供たちとその支援(地域の子供たちが通う学校園において出前授業を行ったり、その子供たちと一緒にヘチマを育てて、ヘチマたわしを作るサポートをすること)を行う大人たちで構成される地域コミュニティを各地につくる必要があると考えております。このコミュニティが各地につくられれば、SDGsの輪を広げていくことができます。そして、SDGsを発信するための大きな力にしていくことができると考えています。

■展開したい地域

ヘチマ栽培が可能な地域(日本各地、世界の熱帯圏や温帯圏等)
特に、環境意識の高いヨーロッパの国々で展開したいと考えています。

■共創を希望する方々

ヘチマプロジェクトにご賛同いただける、各自治体、学校教育機関(幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校、専門学校、大学等)、学生活動団体、一般企業等

■大阪・関西万博テーマとの関わり

プラスチックごみによる海洋汚染問題は、私たちの健康や「いのち」に関わるとても重要な問題です。

ヘチマプロジェクトでは、子供たちへの出前授業の中で、プラゴミ汚染による海洋生物への影響と共に、海洋環境が本来どうあるべきなのかという意味において、海洋生物や私たち人間の「いのち」の在り方について知ってもらうことを念頭にお話をしています。

また、ヘチマたわし作製に向けてのヘチマ栽培において、子供たちは、水遣りや追肥を行いながら、ヘチマの「いのち」を育んでいます。
そして、ヘチマの実を乾燥させて皮を剥いで種を取り出して作製する、ヘチマたわしをプラスチック製スポンジの代替品として使うことが、マイクロプラスチックを排出させることなく、海洋汚染を抑制し、海洋の生き物のみならず、私たちの「いのち」を守ることに繋がります。

ヘチマプロジェクトでは、ヘチマたわしの利用に止まらず、それを販売し、その収益を地域の子ども食堂や日本赤十字社、国連UNHCR協会へ寄付することで、海の豊かさ守るだけでなく、社会貢献活動にもなり、子供たちにとっての貴重な体験学習として、「いのち」を高める取り組みになっていると考えています。

国内外の子供たちが、ヘチマプロジェクトにより、海の豊かさを守ることで一致し、共にSDGsの目標達成を目指すことは、「いのち」を響き合わせて、自分事として、よりよい未来社会を築こうとすることに他なりません。
また、私たちヘチマプロジェクト連合チームでは、ヘチマプロジェクトに取り組む子供たちと、それを支える大人たちが、お互いに「いのち」を響き合わせて、海の豊かさを守るために取り組んでいます。

今後も、国内外を問わず、ヘチマプロジェクトに取り組む仲間たちと未来を共創する挑戦を続けてまいります。

■連絡先

共育分科会 事務局 E-mail : sdgs@reve21.co.jp

■備考欄

ヘチマたわしを使うことで、これ以上、海を汚さないようにすることは勿論ですが、SDGsについて実際に行動を伴わないと、何も変わらないので、やはり大人たちを動かすことがSDGsを進めていく上で重要だと考えています。
ヘチマプロジェクトは、「子供たちにとってのSDGs教育プログラム」の性格が前面に出ていますが、実は、頑張っている子供たちの姿を目の当たりにした大人たちにSDGsを意識した行動を促すためのプログラムです。
そのため、子供たちに協力してもらいながら、実は、大人たちをSDGsに引き込もうというのが狙いです。
子供たちが親御さんにお話をすれば、「ヘチマたわしを使って欲しい」という協力依頼であったり、環境についての質問があれば、調べて教えてあげる場面もあるでしょう。
そうして、徐々に大人たちにSDGsを意識してもらい、SDGsのために行動することを促す活動になるように、このヘチマプロジェクトを進めていきたいと考えています。
はじめは、小さなコミュニティでも、同志が集まれば、大きなコミュニティになっていきます。各地にヘチマプロジェクトのコミュニティをつくり、頑張る子供たちを周囲の大人たちが支え、同志を増やして、大きなコミュニティに作り上げていく。そんなコミュニティを日本各地、世界各地に増やしていくことができれば、SDGsを加速させることが可能になると考えています。
実際、このヘチマプロジェクトも、一発花火的なイベントからスタートし、改良を重ねてここまで来ました。
2030年の目標達成に向けて、残された時間は少ないですが、大阪・関西万博を機に、この取り組みを世界中に知らしめ、広げていくための絶好の機会になると思い、ヘチマプロジェクト連合チームによるベストプラクティス申請を考えるに至っております。

今後、世界各地でヘチマプロジェクトが展開され、海の豊かさを守り、子供たちに引き継いでいくことができるよう、チームメンバー一同、活動にますます注力していきたい所存です。

※みんなで力を合わせて、海の豊かさを守ろう!ヘチマプロジェクト連合チーム(メンバー:共育分科会、ひょうごSDGs Hub、さかいSDGs推進プラットフォーム事務局、いこまSDGsアクションネットワーク事務局、浜松へちま・ミライ、大阪教育大学附属平野小学校、堺市立少林寺小学校、堺市立新檜尾台小学校、百舌鳥こども園、ふくろうの森学園、五ヶ荘保育園、兵庫教育大学附属小学校、神戸市立こうべ小学校、生駒市立壱分小学校、青森市立小柳小学校、青森市立篠田小学校、コンポントム小学校教員養成校附属小学校、地方独立行政法人天王寺動物園、社会福祉法人和風会、OMソーラー株式会社、株式会社DRAGON AGENCY)

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