
chapter 2(渋谷肥料 / 渋谷土産)〜ひと・もの・お金の循環と文化のシフトを生み出す〜
共創チャレンジ
2024.07.23



法人
チーム名 | 渋谷肥料プロジェクト |
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共創メンバー | 合同会社渋谷肥料 |
現在の活動地域 国/地域 | 日本 |
活動テーマ | //////////// |
chapter 2(渋谷肥料 / 渋谷土産)〜ひと・もの・お金の循環と文化のシフトを生み出す〜は、渋谷肥料と渋谷土産という2つのプロジェクトで構成されています。渋谷肥料プロジェクトは、渋谷を「消費の終着点」から「新しい循環の出発点」にシフトできないか?という問いを掲げて誕生したプロジェクトです。「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の考え方に基づいて、事業ごみが7割を占める渋谷の卸売店・小売店・飲食店・宿泊施設などから排出される生ごみを肥料・堆肥化し様々な商品を生み出すことで、都市における廃棄→再資源化→供給→生産→商品化→流通→販売→体験の循環に新たなモデルを確立しています。これまでに累計10ヶ所で生ごみの肥料化を実施したほか、BtoB向けの栽培キットである「サーキュラーキット」、都市での地産地消をモデル化した「サーキュラーコスメ」、農作物の循環型6次化モデルの「サーキュラースイーツ」という製品・サービスをリリースしました。また大手企業を中心に「室外機芋緑化システム」からの製品開発支援やアーバンファーミング(都市農業)の実証実験、クリエイティブワークショップの企画運営なども実施しています。
もうひとつの渋谷土産プロジェクトは、“わたしの好きな渋谷”の秘められた力で、渋谷をさらに魅力的な街にするには?という問いを掲げて、これまで見落とされてきた渋谷の魅力をお土産としてデザインしています。現在は建築アップサイクルの領域で「建築土産 ma_」というプロダクトブランドを立ち上げています。「建築土産 ma_」は再開発によって解体される建物の一部を素材にした「まちや建築の『なくなる』と『うまれる』の間にある可能性を追求する」取り組みです。現在は2020年3月に惜しまれながら閉館した東急百貨店東横店の解体コンクリートを素材とした製品「ma_desk organizer」を販売しています。「ma_desk organizer」は東横店の中でも特に印象的な南館(設計:坂倉準三氏)のファサード(建築物の正面部分)を反映した7種類の小物ケースのセット(デスクオーガナイザー)になっています。ひとつひとつのケースは南館の7パターンのファサードの縮尺を反映しており、全種類をセットで並べると在りし日の渋谷の景色が浮かび上がります。
渋谷をはじめとした大都市では事業ごみと家庭ごみは7:3程度で事業ごみが多く、その中でも生ごみの排出量が割合として一番多いとされています。本プロジェクトはこうした事業系生ごみが再利用される循環のモデルを構築することはもちろん、都市における地産地消、そして地域の連携から新しいストーリー(文脈)が生まれて、サーキュラーエコノミー(循環型経済)が多くの人々に注目されて市場が創出されることに寄与します。実際に自分達の手で渋谷の10ヶ所のエリアで事業系生ごみから300kg超の肥料を生み出したほか、「サーキュラースイーツ」の取り組みとも関連をすると渋谷エリアから推計で年間12トンの食品ロスが削減されています。廃棄物を再利用した肥料からは大規模栽培でさつま芋が食品循環資源として栽培され、一部が渋谷肥料プロジェクトの商品の原材料として活用されています。これまでプロジェクトからは20を超える製品をリリースしているほか、累計で50を超えるメディアに取材を受け、2023年夏に販売した商品は競合の1.5倍の価格設定で2倍以上の販売個数を記録するなど、サーキュラーエコノミーに基づいた市場の拡大に貢献をしています。
渋谷と茨城の間で肥料化される仕組みを通じた食品ロス削減量は推計で年間12トンにのぼり、生ごみを再利用した肥料で育てられたさつま芋の収穫量は数千キログラムになります。また、食品製造時のさつま芋の皮を再利用した堆肥を使用済みの培養土と混ぜて再利用し、渋谷区内に設置した大型プランター用の土として活用することで、総量1.5トン程度の土の再生利用も実現しました。さらに応募企画を通じて渋谷と茨城が連携をする仕組みとなっているため、茨城県と比較しておよそ5倍近い人口を誇る東京のマーケットに収穫した農産物(さつま芋)を出荷することで、市場の拡大と商品の高付加価値を通じた取り組みの持続可能性に寄与します。将来的には事業系生ごみのうち40%が再資源化される仕組みを推進すべく各地の企業・団体・自治体との連携を深めていきます。SDGsのゴールにおいては12番が直接的に関連しているほか、将来的には商品開発にとどまらず場づくりや廃棄物の再資源化に取り組むことで、11・14・15のゴールに対しても環境破壊や地産地消の課題を解決することに貢献します。
共創チャレンジでは、渋谷で実証実験を重ねてきた都市型のサーキュラーエコノミー(循環型経済)のモデルを関西圏に広げていくことに取り組んでいきます。大阪や関西の特性を活かした循環型社会の実現や、肥料を通じて関西圏の地産地消・都市と地域をつなぐことに力を入れていきます。
フィールド: これまで渋谷や東京を中心に進めてきたプロジェクトを、EXPO2025を通じて大阪をはじめとした関西エリアにも広げていきたいです。事業系生ごみの排出量削減に悩んでいるエリアで肥料化を実施したり、関西圏の農作物を活かした地産地消の取り組みを広めたり、「建築土産」の手法を活かして大阪や関西の建築や風景の記録と記憶を受け継いでいくことを実現していきたいです。
地産地消やアーバンファーミング(都市農業)に注目が集まることで、今後サーキュラーエコノミーの市場は世界的に更なる拡大が見込まれているほか、技術的にも例えばバイオマス発電を応用して肥料を製造する事業者は日本だけでも様々な地域に存在することから、この仕組みは渋谷だけでなく日本の様々な地域で実施をすることができます。今後10年以内に札幌・仙台・大阪・京都・福岡といった大都市と周辺地域を結ぶサーキュラーエコノミーの経済圏を創出すると同時に、渋谷という世界的な都市から生まれた応募企画のコンセプトは新しいカルチャーとして世界に発信できるポテンシャルを秘めており、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどの資源の循環が喫緊の課題の国々のメガシティと周辺地域で同様のモデルを実装することができます。また、将来的にはさつまいもに限らず農作物の品目数を増やすことで、地域の農作物を適正価格で販売する仕組みを充実させると共に、日本の豊かな食と掛け合わせた事業の展開を進めます。こうした取り組みを通じて、循環型経済の構築、都市の地域の関係人口の創出、日本の食文化の継承の3つの観点を実現する仕組みを世界に展開します。
バイオマス発電を通じて事業系生ごみの肥料化・堆肥化を行っているバイオプラント事業関係者の皆様や大阪を中心とした関西エリアの大型商業施設の運営事業者の皆様とは事業系生ごみの肥料・堆肥化から循環の仕組みづくりを共創したいです。また、関西圏の農業従事者の皆様とは、再生肥料を活かして農作物の地産地消を推進していきたいです。また、大阪をはじめとした関西エリアの建築関係者の皆様とは、「建築土産」の手法を通じて、地域の記録と記憶を未来に受け継ぐ取り組みを進めていきたいです。
私たちは、大都市をごみが捨てておしまいの「消費の終着点」から、大規模な市場を生かした「新しい循環の出発点」にシフトさせることに取り組んでいます。特に、「サーキュラースイーツ®」においては、渋谷から出た事業系の生ごみを茨城県のバイオプラントでメタンガスと肥料に再資源化し、茨城大学農学部でそれらの肥料をさつまいも栽培に用いて、収穫後に高付加価値の商品を生み出し都市部で販売しています。廃棄物の再利用+農作物の6次化+都市と地域の繋がりの設計を同時に実現することで、「地球の未来と生物多様性」、「食と暮らしの未来」、「SDGs+Beyond」といったテーマと向き合い、「いのち輝く未来社会のデザイン」を体現してきました。さらに現在、私たちは渋谷をはじめとした大都市圏から排出される生ごみを肥料に生まれ変わらせて、新しい商品を生み出す資源として活用しています。これまでに累計30社を超える企業や団体と連携をして300kg超の肥料を生ごみから生み出して、都市部の巨大市場やそれぞれの地域が独自に持つ物語を活かして20を超える製品をリリースしてきました。こうした取り組みは、さまざまな人たちの参画を通じて廃棄物が再利用されてそこから創造的な商品が生まれることで「いのちに力を与える」ことにつながり、さらにそこから都市と地域に循環の仕組みを通じて関係性が創出され、地域の資源の再利用に結びつくことで「いのちをつなぐ」ことに貢献をしています。
shibuyahiryou@gmail.com
「渋谷肥料」は、渋谷を「消費の終着点」から「新しい循環の出発点」にシフトできないか?という問いを掲げて、渋谷発の新しいサーキュラーエコノミーのモデルを生み出していくプロジェクトです。
現在はサーキュラースイーツ®の新商品の開発を進めているほか、下記の東急不動産様の芋緑化の取り組みの支援など様々な企業・団体様と共同で新しいセオリーを生み出すことに取り組んでいます。
「渋谷の生ゴミを循環の出発点にできないか」―生ゴミからサーキュラーエコノミーの仕組みづくりに挑む
https://creators.yahoo.co.jp/onishitatsuya/0200413813
サツマイモで省エネに!都心のビル屋上で広がる「芋緑化」
https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/kankyo/news/09/
~「環境で選ばれる施設」に向けたプロジェクト第3弾~屋上菜園活動「Vegetable Smiles(ベジスマ)」で「芋緑化」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000157.000006953.html
また、現在新たに力を入れている「建築土産」は、再開発で解体される建物の一部を素材として新たな製品を生み出す取り組みです。建物の「なくなる」と「うまれる」の間から、まちの〈ものがたり〉を〈もの〉として生まれ変わらせることで、解体か保存かにとどまらない建築との新しい関わり方を見出してまちの記録と記憶を未来に受け継いでいきます。
坂倉準三が設計した南館の記憶をデスクオーガナイザーとして再生・アップサイクルする
https://mag.tecture.jp/product/20240514-111699/