私たちの共創チャレンジ
高齢になると複数の疾患を抱えることで多くの薬を服用する人の割合が増えますが、自分の判断で服用を中止したり、飲み忘れや飲み残しのないよう、医師の指示通りに服用することが大切です。
一方、複数の医療機関を受診することにより、服薬の一元管理が出来ていないケースがあることなどに起因して、医師の意図しない併用の発生や過量投与等により、患者にとって好ましくない症状(副作用)が発生することがあります。
こういった副作用のリスクを回避するためには、かかりつけ薬局を持つことや、お薬手帳を活用するなど、ちょっとした心がけで防ぐことができますが、日本ではポリファーマシーに対する国民の理解が進んでおらず、社会課題の一つになっています。
私たちは、官民それぞれのリソースを活用した「ポリファーマシーによる健康寿命の延伸やQOLへの影響に関する分析」に挑戦するとともに、分析で得られた結果を”わかりやすく”全国に発信することで、ポリファーマシーの国民的理解の醸成につなげたいと考えています。
※ポリファーマシーとは、多くの薬を服用することにより、薬物との因果関係がはっきりしないものを含め、患者に生じたあらゆる好ましくない、あるいは意図しない、あらゆる症状などを起こすことですが、多剤服用そのものが悪いことではありません。複数の医療機関を受診する患者ごとの”服薬情報の一元管理”を行うことが大切です。
未来への宣言
高齢者の健康寿命の延伸やQOL向上の取組を通じ、2040年を展望した、「誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現」への貢献を目指します。
きっかけ
健康寿命の延伸や医療費・介護費の適正化が全国的な課題となる中、認知症、脳血管疾患、高齢による衰弱に次いで、転倒や骨折が要支援や要介護の原因になっています。また、複数の医療機関を受診し、かつ服薬の一元管理が出来ていない場合、それらに起因する「高齢者の薬物による副作用(薬物による好ましくない症状の発生)」の一つにふらつきや転倒といった症候があることから、かかりつけ薬局やお薬手帳の活用促進等に向けたポリファーマシー対策に取り組むことにしました。
市民の皆さまとの協働で「高齢者の転倒予防」に取り組む松原市と、レセプトデータの分析技術を活用した「ポリファーマシー対策」に取り組むデータホライゾン、ならびにデータホライゾンと共同で「医療費の適正化に貢献するデータの利活用」に取り組み、社会課題の解決をミッションとして掲げるDeNAグループのニーズが一致したことで、それぞれのリソースを活用した先進的な分析に挑戦することになりました。
大阪・関西万博のテーマとの関わり
健康や医療は、「いのち輝く未来社会のデザイン」と切り離すことができない分野であり、高齢者の健康増進にフォーカスした取組を行うことは、「理想とする未来社会の実現」への貢献につながっていくと考えます。