私たちの共創チャレンジ
① 学生と連携したフィールドワークの実施
徳島県立穴吹高校等、次世代を担う学生を対象とした集落の保全や世界農業遺産について学ぶフィールドワークを実施します。実際に傾斜地で農業が営まれている現場を訪問し、徳島の山間部で脈々を続けられている循環型の暮らしを体感するとともに、徳島「まるごとパビリオン」のコンテンツの1つとして、SNS等で積極的に情報発信を行います。
② 学生と連携した茶染めグッズの開発
茶工場において茶葉を製茶する際に商品にはならず廃棄される茶葉がどうしても出てしまいます。お茶どころ静岡県では、そういった茶葉を活用し、伝統的に布や被服をお茶で染める茶染めという技法が行われています。このような技法を参考に、今回は地元穴吹高校の学生たちとともに茶染めグッズ開発を行い、お茶に新たな価値を生み出す取り組みを実施します。
③ イベント出展におけるお茶の販売を通じた世界農業遺産のPR活動の実施
渕名集落で収穫された茶葉を商品化し、青山ファーマーズマーケット等のイベントにおいて販売を行う。商品の販売を通じて、世界農業遺産などの徳島「まるごとパビリオン」の魅力を積極的に発信し、持続可能な徳島の暮らしを多くの方々にPRする。
未来への宣言
徳島県西部の山間部では、過疎高齢化が進み集落機能の維持が大きな課題となっています。しかし、そこで営まれている「にし阿波の傾斜地農耕システム」は、自然と人の暮らしが調和した、これからの世界の暮らしに必要な知恵と工夫が詰まっています。これまで、培ってきた足元の資源に目を向ける、にし阿波の山間部の暮らしは、徳島が世界に誇るべき貴重な地域資源であり、それらをPRすることは、世界の目を徳島に向ける非常に重要なものであると考えます。
きっかけ
徳島県のにし阿波地域は国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産の認定を受けており、急斜面を農地として活用するにし阿波傾斜地農耕システムが400年以上にもわたり引き継がれてきました。
美馬市穴吹町口山渕名集落も世界農業遺産に認定されている集落の1つです。過疎高齢化が進展し、耕作放棄地も増えている状況の中でも、集落の人たちは、受け継いできた農地や文化を次世代に継承するため様々な取り組みを行っています。集落の人たちだけで集落を維持するのは困難な状況でした。
そんな中、穴吹町にあるカフェruche CAHOA(ルーシュカホア)のオーナーの𠮷田真澄、渕名集落の自治会長小泉靖雄氏を中心に10名ほどのメンバーがNPO法人二と八を設立し、「世界農業遺産認定地域・美馬市穴吹町渕名地区で育まれた自然からの贈り物を未来の子供たちの心に繋げたい」との思いから、手入れのできなくなった茶畑の管理、そこで収穫された茶葉の販売や新たな商品開発、地域の学校と連携した集落でのフィールドワーク実施などの活動を行っています。
今回は徳島が世界に誇るべき地域資源の1つである「世界農業遺産」を切り口とした、徳島「まるごとパビリオン」の魅力を発信する取り組みを行います。
大阪・関西万博のテーマとの関わり
NPO法人として保全活動の取り組みだけでなく、自然と調和した集落の暮らしについてより知識を深め、体感し、徳島ならではの食・文化を発信するとともに、地域のため、広くは地球のために持続可能で創造的な未来を考え創ることへのきっかけとなります。