身近な大阪湾の実現

共創チャレンジ

2022.04.28

法人

チーム名魚庭(なにわ)の海PT
共創メンバー(株)漁師鮮度、NPO法人大阪湾沿岸域環境創造研究センター、阪南市、西鳥取漁業協同組合
主な活動地域日本 / 大阪
活動テーマ地域活性化 / 海洋、水 / 生物多様性、自然環境、生物 / 農業、林業、水産業 /

私たちの共創チャレンジ

森里川海とそのつながりが織りなす、人と自然の共生による生態系サービスの大切さを知り、心も体も豊かにすごせる地域を実現していくために、海と陸の水や栄養循環、大阪湾の豊かさを体感してもらうイベントを実施します。
① 山から川を通じて里に届けられた水や栄養を得て育つ「お米」、さらに里から川を通じて海に届けられた栄養を得て育つ「海苔」を自らが育て、収穫し、食べる事で、海と陸との栄養の循環とその環境があることの大切さ体感するイベント「海と陸とのつながりを味わおう」を実施します。
② 海藻が持つCO2や栄養の吸収による海の環境保全効果を知り、大阪湾の豊かさがもたらす温暖化対策を体感してもらうために、ワカメの種付け、収穫およびワカメの料理教室を行うイベント「みんなでワカメを育てよう」を実施します。
③ 大阪湾の豊かさを体感し、身近な魚を食べる事による環境保全について理解するために、江戸時代の伝統漁法を楽しむ「すだて漁体験」を実施します。
④ 生き物の成育場であるアマモ場を含めた「浅場」の機能や大切さを知り、持続可能な浅場環境の保全ために一人一人が出来ることを考える機会を持ってもらうために、アマモ場とカキ養殖筏周辺でシュノーケリングによる生き物観察「シュノーケリング教室」を実施します。さらに、自身で水中写真撮影を行い、その思い出を記録として持って帰ってもらう事で、海への関心を高めてもらいます。

未来への宣言

大阪湾は、昭和30年代頃までは“魚庭(なにわ)の海”、“茅渟(ちぬ)の海”と呼ばれ、人々は生活の一部として豊富な漁業資源の恵みを受けていました。しかし、高度経済成長期の環境悪化が人間と海との間に大きな隔たりを生み、改善された現在でも「近くて遠い大阪湾」となってしまっています。私たちは、人々が直接五感で感じることが出来るイベントを通じて、大阪湾における負のイメージを払拭し、かつての豊かな大阪湾「魚庭(なにわ)の海」の再生を目指して取り組んでいきます。

きっかけ

魚庭の海の再生は、大阪湾の水産物の豊かさを、体験を通じて知ってもらいたい想いから、NPO法人大阪湾沿岸域環境創造研究センターが中心となって2012年から活動を開始しました。2016年から2019年までは、大阪府立大学・太平洋セメント・NPO法人大阪湾沿岸域環境創造研究センターの共同研究「漁業と魚食がもたらす魚庭(なにわ)の海の再生(科学技術振興機構 社会技術研究開発センター研究助成)」の一部として大阪湾の豊かさを情報発信してきました。今後は、企業をはじめとした様々な主体と連携・協働しながら新たな企画を盛り込みながら実施していきたいと考えています。

取組の展開

今後展開したい地域・方法大阪湾沿岸域で同様な活動を考えている自治体や団体、共感いただける企業と連携し、本チャレンジに参加していただく事で、より多くの方々に人と自然の共生による生態系サービスの大切さを知り、実感してらうとともに、共感いただけた方々が主役となり、他地域への展開を図っていただきたいと考えています。
共創を希望する方々大阪湾沿岸域で同様な活動を考えている自治体や団体、共感いただける企業

大阪・関西万博のテーマとの関わり

人々が持つ大阪湾の負のイメージを体験や食を通じて払拭し、人々が集い、遊び、学ぶ事で、遠ざかってしまっていた大阪湾への“愛着”が持てる「身近な大阪湾」の実現は、持続可能な環境保全や心の豊かさを醸成していく事は、海を感じられる大阪・関西万博の会場においての“いのちをつむぐ”、“いのちを高める”のテーマにつながると考えています。

SDGsとの関わり

大阪湾に愛着を感じ、大阪湾の魚介類を食べることで、大阪湾の海の豊かさを守り、フードマイレージの削減によるCO2削減にも貢献できると考えている。また、地域の様々な人たちや協力団体とともに地域循環共生圏の具現化を目指している。

<問い合せ先>info@ryoushi-sendo.co.jp

<補足説明>

①のプログラムは、6月から翌3月にかけて、田植え・稲刈り・海苔漉き・海の生き物観察などを行う全6回のストーリー型として実施します。

②のプログラムは、12月にワカメの種糸をロープに付ける「種糸付け」と2月に育ったMyワカメを自分で収穫し、Myワカメが吸収した栄養塩類やCO2を計算する「収穫祭」を開催します。また、ワカメの長期保存方法や手軽で美味しいワカメ料理の教室を行います。

③のプログラムの「すだて」とは、遠浅な海の干潟に網を仕掛け、潮の満ち引きを利用して海の囲いの中に入り込んだお魚やカニ、タコなどを、網を片手に捕まえる、東京湾に伝わる伝統漁法で、現在では千葉県の東京湾に面した木更津市の金田地区にしかありません。