我々が拠点とする大阪は、瀬戸内海に面し多くの河川が合流する地形から、古来より様々な地域からの船舶が行き交う要所であり、情報・技術・文化・通商の玄関口でした。古代には日本最古の皇居である「難波宮」があり、安土桃山時代には天下統一を成し遂げた豊臣秀吉により拠点となる大阪城が築城される等、政治や経済、文化の中心地として重要な役割を担ってきた歴史があります。江戸時代には大阪・関西は「上方」と呼ばれ独自の文化芸術を発信し、近代においても首都である東京と比肩する文化発信拠点として存在感を放ちました。
特に文化的な側面にフォーカスしながら大阪のこれまでを振り返るとき、注目すべきは、文化芸術に造詣の深い時の為政者や経済人が、パトロンとして力強くバックアップしている点です。「船場の旦那衆」と呼ばれる経営者達が文化芸術を支えていたことをご存知の方も多くいらっしゃるかもしれません。比較的近年の事例であれば、対象エリアは大阪だけに留まりませんが、鉄道を中心に流通、観光、都市開発を手がけた阪急東宝グループの創始者小林一三氏が文化芸術を愛しビジネス展開の中にも重要な要素として取り入れています。かつてのように権力や富を有する時の権力者や経営者たちが文化芸術を愛しその発展に寄与する、そんな姿が本来の大阪ではないのでしょうか。しかし、残念ながら現在、大阪は人口10万人あたりの美術館数が全国最下位であり、国内外に大阪を知らしめる代表的なアートイベントも確立出来ていない状態です。
1970年の日本万国博覧会開催に際して、世界各国から集められた美術品を展示するため建設された万国博美術館を引き継ぎ国立国際美術館が創設されていますが、2025年の大阪・関西万博では会場内のみならず大阪・関西全域で国内外のアートを紹介する展覧会の他、アートフェアやカンファレンス、ビジネスの展示会など、アートに関連する様々なプログラムが同時多発的に行われる芸術祭を目指しています。まずは我々の拠点である大阪からスタートし、多彩な特性のある関西一円を巻き込んで、それぞれの魅力を活かした芸術祭へと拡大すべく未来を思い描いています。
2025年は、瀬戸内国際芸術祭や岡山芸術交流が開催される予定の年でもあり、このタイミングで大阪でも芸術祭を立ち上げることで、今後は3年毎に「環瀬戸内芸術連携」といった広域での連携も可能になるかもしれないと期待をしています。
共に、この壮大なプロジェクトを創っていただける方を募集しています!
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〔担当者:鈴木〕