公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
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共創チャレンジ
2024.03.04
法人
企業は日本人社員と高度外国人材の交流を奨励しますが、私たちが調査したなかでは、実情は社内コミュニケーションが不足し、高度外国人材が孤立感を抱くケースが見られました。 企業のトップは比較的そうした外国人材を気にかけ、声かけや交流機会を設けるなどしているにも関わらずです。 どうすれば、高度外国人材を孤立させず、社内で互いに積極的なコミュニケーションを取ったり、サポートし合えるようになるかを検討したなか、日本人社員に対して、自分は確かに会社の一員であるとか、会社は自分を認めてくれている、役に立っていると感じさせる取り組みを行うことが、実は、日本人社員の高度外国人材への受け入れ態度が改善され、円滑なコミュニケーションが社内で図られるための、初めの一歩となるとの結論に至りました。 そこで、食卓で思いを分かち合うプロジェクトに取り組みます。具体的な活動としては、社員食堂のメニュー名を「〇〇さん、◯◯成功しますようにラーメン」や「〇〇さん何々達成(仕事・趣味とか)おめでとうかつ丼!」等にして、社員同士がオープンに会話できるような土台をつくります。
共感と共存、働く場所での新たな平等へ。
高度外国人材が活躍できる組織とはどのようなものかを調査し、高度外国人材、日本人上司、高度外国人材を雇用している企業の代表、そして企業の支援側であるJETROにインタビューを行い、その結果をKJ法(情報を分類・整理し、新たなアイデアを生み出す手法)を用いて整理しました。調査から、企業は日本人社員と高度外国人材の交流を奨励していますが、実際には社内コミュニケーションが不足し、高度外国人材が孤立感を抱くケースが見られました。この状況の改善には、日本人社員が高度外国人材と積極的にコミュニケーションをとり、彼らを支援することが重要です。システム図を用いて、日本人の行動、外国人の孤立感、そして彼らの定着に関する関係性を整理した結果、日本人社員の高度外国人材への受け入れ態度を変えることが初めの一歩であることが明らかになりました。 インタビュー結果から、社長が高度外国人材に気をかけ、食事に誘ったり、交流会を開催したりする事例があることが分かりました。それにも関わらず、日本人社員が高度外国人材と積極的に関わらない理由として、高度外国人材が「企業や上司は自分の仕事を認めているが、それが当たり前だから褒めてくれない」と感じている可能性が浮上しました。その結果、日本人社員が高度外国人材との関わりに劣等感を抱いたり、自己満足感が得られないため、関心を持つエネルギーが不足している可能性があります。したがって、日本人社員が「周りから認知されている」と感じることができれば、高度外国人材の受け入れ環境が改善し、孤立感が解消されるでしょう。 問題設定を「職員同士がお互いの活動(仕事や趣味など)をポジティブに認識する方法」に変更し、日本人社員が「周囲から認められる」仕組みを考案しました。この解決策は、「社員食堂のメニュー名を『〇〇さん何々できるようになりますようにラーメン』や『〇〇さん何々達成(仕事・趣味など)おめでとうかつ丼』などに変更する」ことです。 このアイデアは、日本人社員がお互いの成果を称え、関心を示す手段として機能し、高度外国人材との交流を促進し、組織内の一体感を高めるのに役立つと考えております。
大阪・関西万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマには、一人ひとりがどのようにして生きていきたいのかを考え、それを実現することできるような環境を国際社会が共創することで具現化することが必要であるというメッセージが込められています。日本社会において高度外国人材と呼ばれる人々は、社会に貢献するために十分な能力を保有しているにも関わらず、多くの場合には同等の能力を保有している日本国籍の人々との待遇に差があることが現状です。 今回の私たちのプロジェクトにおいては、そのような人々も「どのようにして生きていきたいのか」を考え実現することできるような環境を創って参ります。
8「働きがいも経済成長も」には移住労働者含むすべての労働者を対象に安全・安心な労働環境を促進する内容や、すべての女性と男性にとって、完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい仕事を実現することが含まれているため。 また10「人や国の不平等をなくそう」には、「年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、経済的地位やその他の状況にかかわらず、すべての人々に社会的・経済的・政治的に排除されず参画できる力を与え、その参画を推進する。」といったものが含まれているため。
共創チャレンジの問い合わせ先kyosoa18@gmail.com
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