おかやまSDGsチャレンジ「市民は解決者!シチズンサイエンスによる海洋ごみ問題解決プロジ ェクト」

共創チャレンジ

2024.01.22

2

法人

チーム名山陽学園中学校・高等学校 地歴部
共創メンバー
山陽学園中学校・高等学校 地歴部
現在の活動地域 国/地域日本 岡山
活動テーマ
■共創チャレンジの内容

 私たちは海洋ごみ問題の解決に向けて、回収活動で現在堆積する海洋ごみを減らし、啓発活動で未来に発生する海洋ごみの抑制に2008年から取り組んでいる。「今を変えることで未来を変える」という視点に立った実践である。
 しかし、両活動は実施する場所・時間・回数・参加者数・参加者意識が限定される。特に高齢者やリピーターなど一部の問題解決への意識の高い参加者に限定され、広がりと効果が乏しいと感じた。反対に多忙な学生や社会人、課題を他人事とする無関心者、ポイ捨てや不法投棄をする無責任者などが市民の大部分を占め、彼らへのアプローチが重要である。
 そこで、これら多くの市民の意識と行動変容を促し、市民協働への実践に向けて私たちは自作のアプリを作成して、市民による社会実装を実践している。ごみの回収や啓発活動への参加は難しいが、日常生活において通勤・通学、散歩・買い物などの隙間時間を利用して街中などの生活圏でのごみ調査に取り組むことは容易だ。市民の調査への参加は、「誰でも」「簡単に」「遣り甲斐」をキーワードにして市民が気軽に挑戦できる入口の広さとハードルの低さが特徴だ。アプリは生活に必要不可欠となったスマホで利用が可能であることで、市民の取り組みへの入口を広げ、裾野を広くするためである。ごみを見つけると、ごみの種類・個数・位置情報・画像などを片手で容易に入力できる。
 収集したデータは地図上へリンクさせ、「ごみマップ」として市民へ還元することで見える化でき、ごみの効果的な清掃活動に結びついている。また、ごみの種類と個数、ごみの位置が明確化でき、行政や企業の取り組みにも十分役立つ。送信者の市民にとっては収集したデータが課題解決のエビデンスとなり、遣り甲斐や達成感にも繋がり、継続的な調査を可能としている。
 日常生活の中でごみの存在に気付き、ごみの調査とデータ送信を通じて、課題解決へ貢献することで解決者にもなれるのだ。まさに「シチズンサイエンス」であり、「1人の100歩ではなく、100人の1歩」の実践として、海洋ごみ問題の解決へ大きな推進力となる市民協働による挑戦である。

■必要なリソース

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■展開したい地域

 私たちが取り組む「シビック・テック」を用いて、ごみの廃棄者である市民を解決者にすることは重要である。市民が廃棄者であることは生活の中では自然の流れであるが、市民が解決者になるためには身近なスマホなどのツールを利用して、簡単に取り組めること、そして市民の解決行動が解決へ結び付く貢献意識の醸成と遣り甲斐の創出が必要不可欠である。
 この実現には市民が収集したデータを分析と考察して、企業のサービスや商品へ反映されることや国・地方の行政による解決へ向けての政策・新たな行政サービスの施行など市民が汗を流した成果を見える化して、生活の中に落とし込む体系・システム作りに取り組みたい。

■共創を希望する方々

 私たちは異分野・異業種の視点から「産官学民」との連携や協働、海洋ごみの起終点・人の生活の視点から「森川里海」との連環を意識した共創を希望する。

■大阪・関西万博テーマとの関わり

 このまま何も対策をしなければ近い将来「海の中のごみの量が魚の量を上回る」という衝撃的な未来予想が報告された現在、海洋ごみを減らすことができ、世界中の海が豊かな生態系と美しい景観を取り戻すことができた将来と、海洋汚染が進むことで、漁獲量の減少や景観美の損失、更には脅威のレベルが1段階上がりマイクロプラスチックが生態系へ入り込み、人体への影響が深刻化した将来のどちらを選択するかのターニングポイントは現在である。
 大量生産・大量消費・大量廃棄の生産・消費・廃棄のライフサイクルが定着して、普段の生活が当たり前のようになっている現在、そのサイクルを変えることは容易ではない。しかし、美しい地球、豊かな生態系などの自然と人類との共生・共存を望まない人はいるだろうか。勿論その答えは「NO!」である。私たちの活動のテーマの1つは「今を変えることで、未来を変える」ことである。人類の豊かさや快適さを求めた結果、人間生活と自然環境とのバランスが崩れてしまった。
 私たち人類は自然界で生かされ、生態系の一部であるという自覚に立ち返り、自然環境や生態系に目を向けて、その課題の解決に取り組む責任がある。未来の地球や社会をどんな地球や社会にしたいのか、そのために人は何ができるのか。その明確なビジョンは人と自然が共生・共存する豊かな社会を創造しデザインすることである。
 私たちの活動に当てはめると、現在堆積する海洋ごみを減らす回収活動、未来に発生する海洋ごみを減らす啓発活動の継続とその発展的な展開である。その際、問題解決へ向けての関心者や解決行動に取り組む一部の市民だけでは、現状は良くならない。あらゆる市民が同じベクトルへ向けて一歩を踏み出せることが大切であり、普段の生活のサイクルに変化を与える「シビック・テック」の可能性は期待できる。
 私たちが目指すミッションとビジョンは、人と自然との共生・共存の第一歩である海洋ごみ問題へのアプローチを通じて自然環境や生態系にあらゆる市民が興味・関心を持ち、関わりを持ち、解決への意識と行動の変化を促すことである。海洋ごみ問題の解決は世界が解決を急ぐ課題として重要であるが、その先にある人や生態系や自然環境の豊かさと一過性に終わらないその循環が重要である。

このチャレンジの投稿

  • シビック・テックを活用した高校生発「ごみ拾いアプリ」がメディアに紹介されました

     NHK岡山放送局の番組で、地歴部の中高生が作成したシビック・テックを活用した「ごみ拾いアプリ」が紹介されました。 https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20241003/4020021558.html ←コチラをクリック  アプリの作成は無料、登録も無料、個人情報の登録もなし、隙間時間を利用して目の前にあるごみを調査して、写真などを送るのみの簡単な活動です。  市民はごみの廃棄者ですが、「解決者」にもなれるんです。市民からの送信データは解決へ向けてのエビデンスになり、解決への貢献に繋がります。  アプリは本校のホームページからダウンロードできます。身近で簡単なことから、持続可能な取り組みで海洋ごみ問題の解決に向けてみんなで進みましょう! 地歴部 街中ごみ調査回収隊 みんなの力で海ごみ問題を解決!|山陽学園中学校・高等学校 (sanyogakuen.ed.jp) ←コチラをクリック

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この共創チャレンジを支援する共創パートナー

  • おかやまSDGsフェア実行委員会

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