公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
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共創チャレンジ
2024.01.01
法人
「里海」とは「人手が加わることによって生物多様性と生産性が高くなった沿岸海域」と定義されており、今では国内はもちろん海外にも波及して、海洋資源の枯渇した地域や汚染された地域の問題解決策として大変注目されています。 私たちが進める「瀬戸内かきがらアグリ」は一般廃棄物として大量に排出されその処理に大きな問題を抱えているカキの殻(カキ殻)を有効利用して農畜産物の生産性を高める事業です。また、このカキ殻には微生物の増殖効果があることが認められており、生物多様性にもつながるとされている事や、里海の象徴であるアマモの再生活動に参画するとともに「瀬戸内かきがらアグリ基金」による収益の一部を里海再生活動に支援する取り組みなど環境保全活動にも積極的に取り組んでいます。 瀬戸内かきがらアグリは漁業と農業が抱える問題を同時に解決するとともに、里山・里海再生に寄与していることで環境省が進めるローカルSDGs「地域循環共生圏」を目指して事業拡大を進めています。
1.里海農畜産物が「社会的に意義のある取り組みによって生産された農畜産物」であることを発信してエシカル消費の推進を行います。 2.みどりの食料システム戦略に沿った「環境負荷の少ない農業」(グリーンメニュー)として里海農畜産物の生産拡大を図ります。 3.温室効果ガス軽減にもつながる「ブルーカーボン」の役割を果たすことで注目を集めているアマモの再生活動(里海再生活動)を引き続き支援し、漁業と農業の協働事業として取り組みを進めます。 4.森・里・川・海の連携した取り組みとして、漁業と農業、地域・企業・人をつなげ、偶然の出会いから新たな取り組みを派生させて、地域全体が活性化し、全ての人々が「笑顔でつながる」持続可能な取り組みになることを目指しています。
【瀬戸内かきがらアグリ】 水産系の一般廃棄物として扱われるカキ殻の年間排出量は全国で約16万㌧ともいわれていて、カキ殻の処理には漁業関係者のみならず行政、地域の方々の悩み事のひとつになっています。 一方、5年前の農政大転換といわれた国による生産数量目標の配分が廃止されたことにより、全国の米の産地間競争は激化して、様々な新品種の育成とブランド化が進みましたが、岡山では品種に拘るのではなく廃棄物であるカキ殻を有効利用して資源循環型の農業を構築し、ブランディングを進めたのが瀬戸内かきがらアグリです。 【里海農畜産物の生産・販売】 2016年から生産を開始した里海米は、品質向上と収量UPにつながることより県内全域で生産拡大が進められ、2023年では約3,200㌧の生産を見込んでいます。これは、生産開始から8年間でカキ殻約2,300㌧が使用され、岡山県の農業生産額の向上とカキ殻の再利用処理に貢献しています。 更に、里海米に続く里海農畜産物として里海卵、里海野菜、里海黒豚、里海酒など、新たな取り組みも開始され、カキ殻の利用範囲は確実に拡大しています。 また、事業振興を目的に平成30年に「瀬戸内かきがらアグリ推進協議会」を設立。令和5年4月現在での会員数は85の組織に拡大しており、生産から販売まで一貫したバリューチェーンを構築して里海農畜産物のブランド化を進めています。 【里海再生活動】 推進協では地元の漁業者と連携して里海再生活動の象徴的な取り組みであるアマモ再生活動に参画するとともに事業収益の一部を「瀬戸内かきがらアグリ基金」に積み立てて里海再生活動を支援する取り組みも行っています。 【協働事業として】 里海米を企業のノベルティ(景品)として展開することで、今まで農畜産物の流通に関与していなかった異業種企業とのコラボレーションを実現。「売り手」「買い手」「社会・環境」「将来・未来」四方よしのグッドサイクルを生みだしています。また、瀬戸内かきがらアグリでの農業と漁業の連携した取り組みに対して、2020年12月に発刊された「沿岸域学会誌/33 巻第3号」では「岡山県沿岸部における干拓を巡る漁業と農業の400年以上にも及ぶ壮絶な紛争の史実を振り返れば、実に歴史的な出来事である。」と紹介されています。
持続可能な「食」の実現に際しては、売り手、買い手、社会・環境、将来・未来の四方良しを作り上げることが重要であると考え、森・里・川・海の連携した取り組みとして、漁業と農業、地域・企業・人をつなげ、偶然の出会いから新たな取り組みを派生させて、地域全体が活性化し、全ての人々が「笑顔でつながる」持続可能な取り組みになることを目指しています。
瀬戸内かきがらアグリはカキ殻を再利用して農畜産物の生産性を上げることだけが目的ではありません。里山と里海を守り育てる取り組みとして、漁業と農業、地域・企業・人をつなげ、偶然の出会いから新たな取り組みを派生させて、地域全体が活性化し、全ての人々が「笑顔でつながる」持続可能な取り組みになることを目指していることから、14.海の豊かさを守ろう。15.陸の豊かさを守ろう。17.パートナーシップで目標を達成しよう。に深く関与しています。
おかやまSDGsフェア実行委員会 /
瀬戸内かきがらアグリ推進協議会
事務局:全国農業協同組合連合会岡山県本部 農産・園芸部 農産課
TEL:086-234-6876
担当者:小原 (こばら)
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