私たちの共創チャレンジ
身の回りのニュースでは西洋ハーブが取り上げられることが多いですが、日本にも在来の野生&天然ハーブ(メディカルハーブやスパイスハーブ)がたくさんあり、昔から生活の中で体に取り入れられていました。現在はそれらの一部が漢方薬というカタチで活用されていますが、まだまだ身近ではなく、日常のセルフメディケーションする上では非常にもったいない資源なのではないかと思います。
そこで、この企画は大昔からの経験知に基づいた薬用植物と人との関わりをご紹介したり、各種体験を通じて薬用植物に気軽に触れて頂くのが第一の目的で、さらには薬用植物を組み合わせた和の薬のこともご紹介できたらと思っています。
ニーズのある美容やダイエットに関係するサプリや漢方の有象無象の話はネット上にたくさんありますが、それらとは異なり、メディア情報に流されないための自分で自分を守る知識やセルフメディケーションを取り入れるのために知識を増やしたり、純粋に食利用も含めた植物の多様性・面白さ・可能性をお伝えして皆さまの人生をより豊かにして頂ければ幸いです。
未来への宣言
薬という字を分解すると、「草を食べて楽になる」ということが示唆されています。植物は薬の原点。
薬草というのは、後の時代に成分分析をして有効な成分が見つかったから「薬草」と呼ばれているのではなく、村の人が使って経験知による効果で「薬草」と呼ばれています。
薬草も含めた野草は、栽培野菜とはまた異なる生命力のある食べ物です。
「良薬口に苦し」と言われていますが、野草由来の渋味やえぐみ・苦味は実は健康に有用なポリフェノールであることもあり、野草には深い味があります。
また、「薬食同源・薬食一如(やくしょくいちじょ)」と言われている通り、植物に限らず全ての自然界の動植物は食事と同時に薬であると云う考え方があり、様々な生物資源をカラダに取り入れて、「職歴」ならぬ「食歴」の多様性を大切にしていく生き方を提案します。
きっかけ
農山村で失われていくおばあちゃんの知恵、先人の知恵はネット上でもyoutube上にも無いものが非常にたくさんあります。それぞれの生活していた場所ごとに「生きる知恵」というのは本来異なっていたはずなので、無数にあるのです。
その中には科学的に否定されたものから、実際に今の私たちの生活の一部になっているものまで様々ですが、失われてしまってからでは取り戻すことができないので、現場で聞き取りしたり資料を調査したりといったフィールドワークを行っています。
大阪・関西万博のテーマとの関わり
・身近な植物の価値を再認識して、「いのちを知る」
・身近な植物の利用法を知り、利用しながら守り育てる「いのちを育む」
・実際に薬用利用を学び、セルフメディケーションで「いのちを守る」
・文化としての民俗植物利用・食利用を学び、「いのちをつむぐ」
・生きる知恵を持つ農山村の高齢者と、ヨソモノを通じて生きる楽しみを増やし、「いのちを高める」
・アナログな高齢者とデジタル世界の若者をつないで、「いのちを磨く」
・一部の若者からは高齢者が社会のお荷物、自分たちが支えていくものだと思われているが、そうではなく、高齢者は素晴らしい知識と知恵を技術を持っており、それらをマッチングさせて、高齢者も輝き、その目に見えづらいモノを学んだ若者も輝く社会を創る「いのちを響き合わせる」