私たちの共創チャレンジ
地球工作は、図工や美術の時間に端材や廃材、または再生素材を材料として積極的に取り入れていこうとするプロジェクトです。
中心メンバーのサンエスアート(株式会社サンエス)は、美術教材の製作販売に長年携わっています。多様なメーカーに発注して、工作キットなどの製品作りを続けていますが、そのプロセスで大量に発生する廃材や端材の処理が、近年大きな問題として多くのメーカーから提示されています。
現行の図工素材や工作キットの流通システムでは、製造過程で発生するほとんどの廃材や端材は捨てるしかありません。しかし、捨てられている廃材や端材には工作素材としてみた場合、魅力的で再利用可能なものがたくさん存在します。
現在、図画工作の授業では、下処理された安定供給可能な素材を全員に配布し、同じアウトラインの作品を全員が作る課題が主流です。この方法には、購入や管理のしやすさ、平等性、採点のしやすさなど利点も多いのですが、無から有を生み出すような発想の転換や自由な思考、批判的な見方など、美術教育に本来付随する能力を高める方法としては若干の弱さを感じます。
廃材や端材などを図画工作に取り込むことは、作り手が廃棄物を減らすという直接的なSDGsの達成につながる体験を共有できる他に、ゴミ(無価値なもの)が、アート(有価値なもの)に転換する価値の変換を体験でき、現在子供たちに必要な能力として期待されている、枠のない自由な発想や批判的な見方を育てるには最適な手段の1つと考えられます。
地球工作プロジェクトでは、これら端材や廃材または再生素材を、積極的に美術・図画工作の授業に取り入れること、そして一般的な工作素材と同様にマーケットに流通させることを目標し、積極的にイベントの開催や人的ネットワークの構築を進めてまいります。
廃材や端材などの廃棄物を見つめると作られたもの(商品)の本質にふれるような感覚を持ちます。廃棄物を再生させる作業は発想の自由な飛躍と既成価値の転換をもたらします。
地球工作では、大量に排出される廃材や端材の再利用を進めることで地球環境の悪化を防ぐとともに、モノ(商品)とゴミ(廃棄物)の関係を理解し、既成概念にとらわれない、自由な発想でモノづくり行える子供たちの育成を目指します。
未来への宣言
廃材や端材を使ったモノづくりをたくさんの子供たちに体験していただき、モノづくりと環境を考える力を養ってもらいます。
未来をになう子供たちが、自分で考え、批判できる材料を提供していきます。
きっかけ
お付き合いのある製造業の方々から、端材や廃材の廃棄を何とかしたいというお話がでます。廃棄コストが急騰しているとも聞いています。
学校などの教育現場で工作素材として使える可能性を提案すると、ぜひ貢献したいと多くの方がおしゃいますが、皆さん方法がわからないのでどうしようもないとあきらめてしまいます。
そこで、このような企業の端材や廃材、また再生素材を使った工作素材などを取りまとめてリスト化してプロジェクト案を作成し、地元である東大阪市にお話ししたところ、市長より積極的な賛成のお言葉を頂き、公民連携の部署よりイベントの開催等でご協力いただいております。
単発的なボランティアで終わらないために、現在プロジェクトの事業化に向け、商品キットの作成や素材供給元の充実、販路の開拓などを行っておりますが、何より大事に考えているのは、人的ネットワークの充実です。既存の図工素材の概念とは違った商品になるため、行政、製造、販売、利用現場のご協力が不可欠だと考えています。
地球工作に興味を持たれた方はぜひご連絡下さい。
大阪・関西万博のテーマとの関わり
子供たちが将来モノづくりにかかわるとき、その本質を考えるヒントになる体験をしていただき、循環型の社会形成につなげるものの見方を提供します。