健康長寿社会実現のために疾患の早期発見が可能な社会の実現

共創チャレンジ

2023.08.21

法人

チーム名診断支援データベース検討委員会
共創メンバー特定非営利活動法人メディカル指南車
理 事 長   宮本正喜(兵庫医科大学名誉教授 サニーピアクリニック院長)
副理事長 笹井浩介(特定非営利活動法人メディカル指南車)
理  事 石垣恭子(兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科 教授)
     竹村匡正(兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科 教授)
     仲野俊成(関西医科大学 大学情報センター 准教授)
     打田佐和子(大阪公立大学大学院医学研究科 先端予防医療学 准教授)
     安藤克利 (医療法人社団よるり会 理事長)
     加藤正彦 (株式会社インテグレート アズ 代表取締役)
     松岡真功 (株式会社BlueMeme 代表取締役)
監  事 松藤隆則 (京阪藤和法律事務所 弁護士)

進和会(後援)
大阪大学工学部・機械科-産業機械科1970年(前大阪万博開催年)入学の同窓会のメンバ-で構成されたグループの会です。 前大阪万博では 「進歩と調和」がテーマでしたので我々のグループ名を「進和会」としました。我々のメンバ-はいろいろの職種に就いており、それぞれの専門の内容を講演会で発表しております。
スタッフ名
有田美文、阿山隆夫、井上英二、井上年永、伊藤智博、稲田 裕、板野敏久、海原 誠、魚住正治、梅村博之、宇都宮道夫、大坂吉文、大石弘志、大場省介、加藤義昭、覺野恵介、木嶋 茂、近藤孝邦、佐藤純一、佐伯憲康、清水 滋、新谷隆之、首藤宗喜、辰己裕史、田中一生、田中博久、田川茂太郎、芳川晴彦、永井孝明、中井 宏、中西和之、中川隆昌、中尾年雄、成松 亮、長門典幸、沼井雅行、橋本 保、坂東貴司、深谷幸一、藤原茂美、松永秀嗣、松井孝至、松岡 孟、松村英二、松田晴夫、前川 篤、前田二三男、宮本正喜、水島(脇田)謹寛、宮下正廣、師井和夫、森 教安、森 直樹、山本秀弘、山地千博、横山嘉広、横山 恒、吉本隆光、吉田史朗、吉野正器、芳川晴彦
主な活動地域日本
活動テーマ健康・医療(ライフサイエンス、ヘルスケア) / ロボット、AI / DX(デジタルトランスフォーメーション) /

私たちの共創チャレンジ

 大学病院などの大病院は優秀なスタッフが常駐し、豊富な知識・経験や症例に基づき適切な医療を提供しているのにもかかわらず、それらの知識・経験や症例は医療機関の大部分を占める中小病院や診療所とは共有されていません。その結果、私たちが患者になったとき、住んでいる地域や通院できる医療機関によって受けることのできる医療には「ばらつき」があるのが実態です。誰もがどこに住んでいても安心して長生きできる社会を作るためには、この「ばらつき」を解消する必要があります。特に医療従事者にとって専門知識と熟練が要求される画像診断の「ばらつき」は、疾患の見落としによる死亡事例も発生して社会問題となっています。
 このような社会的背景のもと、大学や大学病院に所属する高度な専門性を有した教員や専門医と知識情報処理の研究者が集まって2007年6月にNPO法人メディカル指南車を設立しました。そして、この「ばらつき」を解消するために研究開発を行ってきた結果、大学病院が保有する画像診断の知識・経験や症例をコンピュータ(AI)に教え込むことによって、コンピュータ(AI)が医療従事者をサポートしながら育成することができるオンラインサービス”画像診断ナレッジサービス”の開発に成功しました(特許第4402033号など)。
 ところが営業や販売する機能を持たないNPO法人メディカル指南車単独では、画像診断のスキル向上を目指す医療従事者にこのオンラインサービスを十分に普及させることができません。そこで皆様との共創により普及促進を図りたく、共創チャレンジに登録しました。 

未来への宣言

 日本は人口当たりの医師の人数がOECD加盟国中では下位に位置しており、しかも専門性の高い医療従事者が少ないという課題を抱えています。そこでその対策として厚生労働省では「専門医」ではない医師が画像診断を行うことを想定して、検査画像を撮影する診療放射線技師、臨床検査技師や看護師なども含めて「チーム医療」を推進することにより、医師の負担軽減を図るように各都道府県知事に通知しています(医政発0430第1号)。
 しかし医師も含めてそれらの医療従事者を育成するための教材や指導者が確保できる教育機関は、大学病院を持つ一部の教育機関に限られています。また出版社が提供している文献等は症例数が少なく情報量が限られています。その結果、厚生労働省が目標としている「チーム医療」が推進できている医療機関は一部にとどまっています。
 メディカル指南車が開発した“画像診断ナレッジサービス”は、コンピュータ(AI)に大学病院が保有する画像診断の知識・経験や症例を教え込んでいますので、これまでの指導方法に比べて「指導スタッフの質・量」「症例の質と網羅性」「オンライン化」など様々な項目において優位性が認められています。このサービスをあらゆる医療機関や教育機関が活用することにより、「ばらつき」のない医療の提供により疾患の早期発見を通じて、健康長寿社会を実現します。

きっかけ

 2016年度から大学病院、一般病院、診療所など数十施設において、使い勝手や効果についてモニター評価を行った上で、2018年度から普及促進に取り組みました。現在すでに4,000アカウント以上のサービスの利用権限を提供してきました。主な提供先を以下に示します。
 2018年度から 兵庫県立加古川医療センター
 2019年度から 鈴鹿医療科学大学
 2019年度から 民間医局会員(医学生、研修医、専攻医、勤務医など150名以上)
 2022年度から 純真学園大学
 2022年度から 群馬パース大学
 2022年度から 森ノ宮医療大学
 2022年度から 神戸常盤大学
 2023年度から 画像診断コミュニティー「Respi Scope」会員
また主な受賞歴は以下の通りです。
 2016年 第35回医療情報学連合大会優秀発表賞
 2017年 CSOアワード大阪市長賞
 2018年 第37回医療情報学連合大会優秀発表賞
 2019年 大阪市市民活動推進助成事業に選定
 2021年 総務省「異能vationプログラム」ジェネレーションアワード部門企業特別賞
 また2019年度から国立国際医療研究センター国際医療協力局が実施している医療技術等国際展開推進事業「フィリピンにおける医療画像診断能⼒強化⽀援事業」における教育プログラムに採用されました。

取組の展開

今後展開したい地域・方法 日本国内はもちろんのこと、医療先進国である日本の画像診断のおける知識・経験や症例を東南アジアを中心として全世界に展開したいと考えています。
 国立国際医療研究センター国際医療協力局が実施している医療技術等国際展開推進事業「フィリピンにおける医療画像診断能⼒強化⽀援事業」に、2019年度からメディカル指南車が参加した成果が内閣官邸の健康医療戦略推進本部広報資料に掲載されています。
日本語版
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/torikumi/index.html
取り組み事業はPDF
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/torikumi/asia_jp.pdf
10ページ

英語版
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/en/torikumi/index.html
MaterialはPDF
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/en/torikumi/asia_en.pdf
9ページ

 このようにメディカル指南車の成果を活用して、開発途上国の人々の健康維持に貢献できれば幸いです。
共創を希望する方々 医療従事者及びその育成にかかわる人たち。
 具体的には医学生、研修医、専攻医、医師、さらに診療放射線技師およびそれを目指す学生、臨床検査技師およびそれを目指す学生、専門看護師や認定看護師およびそれを目指す看護師などの医療従事者。
 さらにはそれらの医療従事者を育成する専門医、指導医の先生方、診療放射線技師を育成する教育機関の教員、臨床検査技師を育成する教育機関の教員、専門看護師や認定看護師を育成する立場の看護師など、医療にかかわる非常に多くの人々との共創を希望します。
 一方、医療機器や電子カルテなどのシステムを開発して、それら医療従事者に提供している医療機器やシステムを開発、販売している会社の皆様との共創も重要であると考えます。

大阪・関西万博のテーマとの関わり

 大阪・関西万博のメインテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現には、疾患の早期発見による健康長寿を実現させる必要があります。
 現在の日本は有数の長寿国ではありますが、必ずしも健康寿命が有数であるとは言い切れません。寝たきり状態での長寿ではなく、健康で長生きするためには疾患を早期発見して適切な治療を行うことが重要です。
 そのためには、医療従事者の育成にこれまで十分に活用されてこなかった情報処理技術を応用して、不必要なコストをかけることなくコンピュータが医療従事者を育成する本取り組みは、大阪・関西万博のテーマと密接にかかわっており、テーマそのものであるといっても過言ではありません。

SDGsとの関わり

画像診断における医療従事者の育成をパートナーシップで実施することにより、疾患の早期発見を通じてすべての人々の健康長寿を実現する取り組みであるから。

お問い合わせ先

540-0026

大阪市中央区内本町1丁目2-1 大晋第三ビル202号

特定非営利活動法人メディカル指南車

事務局 info@medicalshinansha.or.jp

 

共創パートナーへのメッセージ

 現代医療において生体内の情報を可視化できる画像診断はなくてはならない手段です。そのために検査機器の精度は日進月歩で進化していますが、検査画像を正しく読み取ることができる専門性を有した医療従事者の育成が追いついていません。専門性を有する医療従事者の育成には10年に及ぶ月日と膨大な費用が掛かります。そこでメディカル指南車では専門医と知識情報処理の研究者が集まり、コンピュータ(AI)に画像診断の知識・経験や症例を教え込むことにより、医療従事者の育成やサポートが可能なサービスを開発しました。

 このサービスを医療現場、臨床現場に普及させ、人々が安心して長生きできる社会を作り上げたいと思っています。ぜひ皆様と一緒に取り組みたいと思っていますのでよろしくお願いします。