私たちの共創チャレンジ
皆さんの周囲には、たくさんの物が溢れていますね。それら一つ一つが知的財産の集まりであることはご存じでしょうか?スマートフォンを例に挙げても、ゲームアプリ、SNSアプリ等一つ一つのアプリのプログラムの発明、スマートフォン本体の外観やアプリアイコンのデザイン、スマートフォンの商品名や商品ロゴなど、たくさんの知的財産が組み合わさって1つのスマートフォンができています。
私たちの共創チャレンジは、発明、アイデア、デザイン、ブランド、著作権等の知的財産に関する専門家である弁理士が、小中高等学校等に訪問し、知的財産を理解してもらうための授業(出張授業)を行うことです。この授業を通じて、未来を担う子どもたちの「知的財産マインド」を育成し、子どもたちの自ら考える能力や、自ら自由に発想する能力を伸ばすとともに、子どもたちに、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む姿勢を身に付けてもらいたいと考えています。
未来社会の実験場には、発明がいっぱいです。知財を知ることで万博がより楽しめます。知的財産への理解を深めることで、見たり体験したりして楽しむことに加え、別の視点からも万博を楽しんでみてはいかがでしょうか。
知財授業には大きく分けて2種類の授業があります。
(1)電子紙芝居による授業
電子紙芝居は、パソコン用プレゼンテーションソフトで作成したスライド画像です。活劇のように構成され一部はさらにプロの声優による音声を使いテレビアニメ風にアレンジされております。発明や特許制度、知的財産などは、複雑で難しいというイメージがあります。しかし、電子紙芝居を使うことによって、わかりやすく、しかも楽しく学ぶ事ができます。既に授業を体験した生徒たちや先生方からも好評を得ています。
(2)発明工作授業
子どもたちに『テーマ』と『材料』を与えます。
『解決方法は1つではない。失敗は成功のもと。』という発明の心構えをモノ作りを通して実感し、学ぶことができます。例えば、「載せた物の向きを楽に変えることができるような道具は?」という問いかけから、「回転台を作ろう。」へと導き、材料(皿、ビー玉数個、工作用紙)を配り自分なりの工夫を考えます。手作業を通じて工夫することでフィードバックしながら検討する、つまり科学する心を学び、身の回りにひそむ、先人の苦労を感じることができます。
未来への宣言
様々な課題を解決するための工夫やアイデアの創出を尊重するとともに自ら挑戦しようとする「知的財産マインド」を育成し、持続可能な社会の実現と知的財産とのかかわりを学校関係者の皆さんと考えていきます。
きっかけ
関西地域を例に挙げれば、約20年間にわたって知財授業を実施してきました。
関西地域での直近の実施件数は次の通りです。
小学校 中学校 高等学校 年度別合計
令和4年度 24 10 3 37
令和3年度 10 4 3 17
令和2年度 23 3 4 30
令和1年度 27 7 7 41
平成30年度 33 7 13 53
大阪・関西万博のテーマとの関わり
今回の共創チャレンジのテーマである「知的財産」は、大阪・関西万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」のサブテーマである「いのちをつなぐ」と密接に関係しています。子供たちの知的財産マインドの向上→知的財産の創造→知的財産の保護→知的財産の活用の知的創造サイクルの活性化によって、未来社会に技術革新をもたらします。