未来への宣言
目前に迫ったSociety5.0
『経済』『人材』がデジタルに集中する傾向が加速しています。一方でデジタルばかりが進化しても、アナログが取り残されれば文化全体の衰退を招くかもしれません。
いのち輝く未来社会とはデジタルとアナログのバランスが取れた社会ではないでしょうか。
デジタルの手を借りつつアナログなものを、都会の力を借りつつ地方に活力を与えたいと考えています。
きっかけ
1925年フランス・パリで開催された万博ではさまざまな日本の工芸が紹介され、ジャポニズムはヨーロッパの文化・生活様式に大きな影響を与えました。それからちょうど100年、2025年日本国際博覧会開催を迎え、工芸の先人たちが果たした役割を現代の担い手も果たすべきと考えました。万博は未来を描く場でありますが、過去と未来をつなぐ現在地点でもあります。100年前の万博を知る工芸が現在地点から次の100年を描くことはひとつの使命ではないかとも考えます。一方、日本に限らず世界中の工芸は著しく衰退がすすんでいます。社会全体の構造変化がその要因ですが、超高齢化、都市と地方の不均衡など、課題先進国と言われる日本で、工芸の持続的成長を描き、見せることが現代の工芸が万博で果たす役割ではないかと思い至るようになりました。
創出・支援したい共創チャレンジ
わたしたちの大きな夢は、2025大阪関西万博に日本中、世界中から多くのみなさんが訪れ、そこで得られる知見から人類が豊かな未来、いのち輝く未来社会を描いていくこと。そして、その輪のなかに工芸も一緒に立っていることです。そして、わたしたちの考える未来社会へのビジョンは、『デジタルとアナログ、地方と大都市の共存を可能にするエコシステムの構築』です。このビジョンに向け、地方出身の学生が地方の産品の魅力を発信しその販売手法を実践的に学ぶ店舗の立ち上げなど、具体的な共創チャレンジを創出し、また、このビジョンを共有できる共創チャレンジを支援していきます。
大阪・関西万博のテーマとの関わり
わたしたちのテーマは『いのちを営む』です。工芸とはものづくりの技術であり、多くの先人たちが工芸で生活の糧を得てきました。『営む』には、怠らずに励む、生活のために仕事をする、などの意味があり、暇(イト)が無い、が語源です。怠らないことと仕事が同じ言葉で表されることは日本独特の価値観であるとともに、そこにはきっとよろこびややりがい、そして励みがあったと考えられます。『仕事』と『いのちの輝き』は深くつながっています。
わたしたちは『いのちを営む』をテーマに『いのち輝く未来社会のデザイン』に貢献していきたいと考えます。
一般社団法人日本工芸産地協会
日本各地の工芸産地を代表する企業が集まり、各地での取り組みに関する情報交流や勉強会を通じて相互研鑽を積むとともに、あらたな事業展開、製品開発へとつながるネットワークを構築しています。そして産地カンファレンスと称した会議を日本各地で開催し、工芸・産地のあり様を参加者の皆さんとともに深く考え、その情報発信を通じて未来の工芸産地形成に貢献していきたいと活動を続けています。