廃棄物資源循環学会・環境学習施設研究部会

共創パートナー

2022.05.12

全国まるごと「SDGsパビリオン」プロジェクト

全国には、ごみの焼却やリサイクルのために自治体が設置した施設が、約4000施設あります。そして、1980年代以降、その多くに子ども達や周辺住民のための環境学習施設が附設されています。持続可能な社会をつくるために、地域の環境を支える施設の仕組みを知ってもらい、そのうえでより良い仕組みを選択するための人材育成をめざしています。
(一社)廃棄物資源循環学会・環境学習施設研究部会(以下、「本研究部会」という。)では、これらの施設を連携することによって、それぞれの活動を支援しようとしています。それぞれの施設は地方自治体の設置なので、横につながることがほとんどありません。
 そこで本研究部会では、「TEAM EXPO 2025」プログラムを通して、地域のSDGs活動を活性化に向けた環境学習プログラムを創生する共創チャレンジを養成、支援します。
 そしてその共創チャレンジにご賛同いただき、共創メンバーとしてご活動いただける地域活動拠点施設を「SDGsパビリオン」とし、全国の「SDGsパビリオン」をつなぎ、小さく確実な力を環境活動への大きなムーブメントになるよう集結していきます。

共創パートナーとしての活動イメージは次のとおりです。

                            SDGsパビリオン(1)
             共創チャレンジ(1) →  SDGsパビリオン(2)
             共創チャレンジ(2) →     :
 本共創パートナー →       :      →     :
                  :      →     :
             共創チャレンジ(n) →     :
                            SDGsパビリオン(n)
    ※最終目標数   (47チャレンジ)     (共創メンバー 400施設以上)

未来への宣言

 全国の環境学習施設(ごみ処理施設に附設されたものを主として、地域の環境活動を支えるさまざまな施設を対象とする)の多くが参加できる、共創チャレンジを支援し創出します。そして、共創チャレンジに参加していただける施設(共創メンバー)を、すべて「SDGsパビリオン」として活動していただき、その成果(処理数、参加者数、回数等)を全国規模で集約して、大きな数値のSDGs実績を積み重ねます。

きっかけ

 近年、閣議決定(H30年6月)された廃棄物処理施設の地域拠点活用や、環境省が打ち出した多面的価値の創出(R3年3月)など、廃棄物処理施設の地域における役割に注目が集まっています。一方、施設の現場としては、総じて地域自治会や学校団体の社会見学受入れを主活動とした受動的な運営が多く、地域での役割もそれほど多く担っていません。
 本研究部会のメンバーは、モチベーションの高い施設運営者が多く所属し、地域拠点とした活動を実践しています。本共創パートナーへの登録は、本研究部会がこれまで培ってきたノウハウを活用して、全国の施設運営に貢献するひとつの試みです。

創出・支援したい共創チャレンジ

 全国の環境学習施設の活性化をめざし、地域の環境学習はもとより、地域に多面的価値を創出する地域拠点になる流れをつくりだします。見込み数は、2025年までに、(全国都道府県数の)47施設が共創チャレンジを申請し、これに参画する共創メンバーとして最低400施設以上の"SDGsパビリオン"を誕生させます。本プロジェクトのタイトル通り、「全国まるごと」環境学習施設のSDGsパビリオン化をめざします。

【具体的な共創チャレンジの事例】
●分解ワークショップ(現在申請中)
不要になった家電や製品を分解し、製品の仕組みや内容を自分の手と眼で確かめる「分解ワークショップ」というプログラムを共創チャレンジとして登録し、環境学習プログラムを継続していただく施設をSDGsパビリオンとして創成します。
【成果の積み上げ(リアルタイム情報発信)】
 当該チャレンジに参加したSDGsパビリオンにおける、分解され分別・分類された種別毎に重さを、本共創パートナーがハブとなって集計し、情報発信します。

●リユースマーケット共創チャレンジ
 地域に特化したファミリー的なフリーマーケットやおもちゃ・ベビー用品のリユースシステム(例:「かえっこバザール」)の開催ノウハウを提供します。すでに多くの施設が実施していますが、これらの施設のノウハウを共有し、リユース催事を軸とした施設ネットワークを構築します。そして、このネットワークへ参加された施設をSDGsパビリオンとして拡大してまいります。
【成果の積み上げ(リアルタイム情報発信)】
 当該チャレンジに参加したSDGsパビリオンにおける、フリーマーケット出店者数、購買者数、開催時間、おもちゃの数(可能であれば重さ)等を、本共創パートナーがハブとなって集計し、情報発信します。

●環境まんが共創チャレンジ
 本研究部会の前代表で現在顧問の高月紘先生の膨大な環境マンガを活用した「環境マンガ展覧会」を全国の施設で展開することをめざします。施設の自主的な発想で展覧会を開催していただける施設をSDGsパビリオンとして拡大していきます。
【成果の積み上げ(リアルタイム情報発信)】
 当該チャレンジに参加したSDGsパビリオンにおける、展示会スペック(開催日数、観覧者数)を、本共創パートナーがハブとなって集計し、情報発信します。

提供できるリソース

人材本研究部会のメンバーには、行政、プラント企業、市民団体等、所属も様々な人員で構成されており、環境学習施設の計画から設計・建築、そして施設運営まで、幅広いジャンルの課題に対応できる人材が揃っています。
ネットワーク廃棄物処理施設系の環境学習施設は、全国に2千施設ほどあり、その中でもよりすぐりの施設関係者が、本研究部会に参加しており、今後もさらにネットワークの充実を図る予定です。このプロジェクトに参画された共創メンバーを「SDGsパビリオン」としてネットワークいたします。
技術・ノウハウ本研究部会には、人材の項目で述べたように、環境学習施設の幅広いジャンルの課題に対応できるノウハウを持ったメンバーがおり、ことにベテラン施設運営者が少なからず所属しています。環境学習はむろんのこと、施設運営や地域との関わり等、施設運営における長年のノウハウを提供できます。
原材料施設へ持ち込まれた様々な廃棄物等、様々な廃棄物をリサイクルして、元の素材以上の価値を生み出す「アップサイクル」が誕生しています。大型家具から電気製品、さらに間伐材に至るまで、様々な素材を解体・加工することにより、新たな原材料を生み出し、それらを活用して、ワークショップ等の学習プログラムへ展開することも可能です。
情報発信・PR本研究部会は、所属する廃棄物資源循環学会の学会誌をはじめ、学会のホームページの他、独自にfacebook開設やニュースメールの発行をしており、不定期ながら、環境学習や施設運営に関わる様々な情報提供やPRを発信しています。さらに、本プロジェクト専用のfacebookも立ち上げています。

今後の展開

今後展開したい地域【地域】
 全国
【方法】
 本共創パートナーに賛同する「共創チャレンジ」が増え、共創チャレンジに参画する共創メンバー「SDGsパビリオン」が全国に生まれ、各施設間の交流を通して広がりと深みをもって、SDGsの全国的活動を促進していまいります。
共創を希望する方々全国の環境学習施設の運営者、および環境業務に関わる行政関係者のみなさま、企業・団体関係者のみなさま

大阪・関西万博のテーマとの関わり

 環境学習施設は、“わくわく”感が重要です。施設を利用される方々に“わくわく”感を提供するのみならず、運営者自身も“わくわく”感をもつことが欠かせません。本プロジェクトは、運営者モチベーション増進へ向けたとり組みとして、万博テーマと相乗効果を発揮します。さらに、SDGsのど真ん中である「環境学習」(SDGs4と12)や「地域活動」(SDGs11)においても、適切な関わりがあります。

SDGsとの関わり

生活に直結した環境学習の場提供で「4 質の高い教育をみんなに」、地域の活性化や豊かなサスティナブルな地域づくりへむけて「11 住み続けられるまちづくりを」、そして、廃棄物(ごみ問題、リサイクル等)を中心に「12 つくる責任・つかう責任」

廃棄物資源循環学会・環境学習施設研究部会

廃棄物資源循環学会の研究部会「環境学習施設研究部会」、通称名「環境学習施設を考える会」です。
 本研究会は、全国のごみ焼却施設やリサイクルプラザ、リサイクルセンターなどにある環境学習施設とその他の環境学習施設等をネットワークし,知識や経験を共有するとともに,その効果の検証や運営の評価方法を検討します。「地域に元気とやる気を育む環境学習施設」を目指して、施設運営者や施設管理者の実践に基づいた成果を尊重しています。

ご連絡は、廃棄物資源循環学会・環境学習施設研究部会の事務局 鈴木榮一(heikuro1@gmail.com)へお願いいたします。

支援している共創チャレンジ

  • Re紙容器SDGsパビリオン

     浜松市西部清掃工場の環境啓発施設「えこはま」では、浜松市の後援を得て、2021年度から実証実験として「使用済み紙容器のリサイクル」 事業を実施しています。  日常で食品容器として使用された紙の多くは、環境マーク「紙」が記されていても、一般ごみとして焼却処分されています。実証実験では、それらの使用済み紙容器を、紙が本来持つリサイクル性を活かして再利用しています。焼却ごみの量を減らすとともに木質資源としての炭素固定に貢献し、使用済み紙容器のリサイクルをさらに広げるため、共創チャレンジとして本活動を継続します。

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  • Re食器SDGsパビリオン

    豊中市伊丹市クリーンランドのリサイクル活動プログラムです。    基本的に、豊中市(大阪府)、伊丹市(兵庫県)の地域を対象に実施している食器リユース&リサイクル活動ですが、大阪・関西万博を契機に地域を越えて広く連携した活動にしたいと願っています。 【食器リユース&リサイクル活動概要】  1.食器リユースBOX 設置    許可を得た図書館などの公共施設等に リサイクル BOXを設置します。  2.回収・搬出・データ取り作業    食器リユースBOX がいっぱいになり設置場所から連絡があれば、出来るだけ    速やかに回収を行います。そして分別・ 計量します。  3.食器リユース市    分別・計量 された 食器は「食器リユース市」として、地域のみなさまに    無償配布します。また、リユース出来ない割れたものなどはリサイクル工場に    持っていきリサイクルします。  4.食器リユースBOX 回収  5.まとめ作業

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  • もったいない・ごみゼロSDGsパビリオン

     今、世界中で大問題になっているごみの自然界流出。特に川や海へと流れたごみは、生態系を破壊し、食べ物を通じて人間にも返ってきてしまいます。また、海を漂うごみの8割は陸から来ていると言われています。お住まいの住民ひとりひとりが「ごみ」を1つ拾うことが、この問題解決に向けた大きな一歩となるのです。  本プロジェクトは、地域のごみが自然界への流出を防ぐことを目的に、ごみ拾いアプリ「ピリカ」を利用した環境学習啓発プログラムを地域の施設や団体等と共に、ワークショップを実施し、地域のみなさんひとりひとりの手で実現する「ごみゼロ」へ向けた取り組みを促進します。  また、共創パートナー「全国まるごとSDGsパビリオン」に加わり、本プロジェクトに参加する地域の共創メンバー(施設や団体等)と共に「SDGsパビリオン」に参加します。

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  • もったいないSDGsパビリオン

     豊中市伊丹市クリーンランドの出前ワークショップのプログラムです。  SDGsの理解と意識促進を目的に、みなさんの暮らしに密接に関係するごみ処理やごみの分別を中心に、カードゲーム「 2030SDGs 」を用いて学んでいただき、地域におけるSDGsの達成に貢献します  基本的に、豊中市(大阪府)、伊丹市(兵庫県)の地域を対象に、実施する出前ワークショップです。 【出前ゲーム概要】  カードゲーム「 2030SDGs 」: 約90 分  1. SDGs ゲームプレイ( 60 分)     イントロダクション、ゲーム説明、ゲームプレイ  2. 振り返り(30 分)     ファシリテーターによる振り返りを行い、     参加者の体験発表で学びの実感を確認します。  また、共創パートナー「全国まるごとSDGsパビリオン」に加わり、本プロジェクトに参加する地域の共創メンバー(施設や団体等)と共に「SDGsパビリオン」に参加します。

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  • ゆめほたる環境まんがSDGsパビリオン

    「環境まんが」は、言葉を超えて世界の誰にでも分かりやすく環境問題やSDGsが理解できる、最強の環境学習ツールと言っても過言ではありません。  地域エリア(兵庫県川西市・猪名川町、大阪府豊能町・能勢町の1市3町)における環境学習の機会を増進することを目的に、この環境まんがの第一人者である高月紘先生の作品を用いて、「環境まんが展覧会」の開催プログラムを、参加する施設や団体等と共に実施します。展開方法としては、環境まんが展覧会企画として、「ごみ問題」、「地球温暖化」「温暖化問題」「生態系の保全」「水問題」「プラスチック問題」「食品ロス問題」「環境教育・学習」「ライフスタイル」「ゴミック名作選」「コロナ禍」そして「SDGsをマンガで読み解く」の各テーマによる展示構成を提案します。そして、この中から開催希望者の意向に沿ったテーマを選択して展覧会を開催していただきます。もちろん、開催者の自主的な発想で環境マンガを選択して展示構成していただくことも可能です。  そして、共創パートナー「廃棄物資源循環学会・環境学習施設研究部会」の「全国まるごとSDGsパビリオン」に加わり、本共創チャレンジ主催者のみならず、本プロジェクトに参加してくださる「共創メンバー」(施設や団体、ステークホルダー等)は、「環境まんがSDGsパビリオン」となります。

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  • ゆめほたるかえっこSDGsパビリオン

     国崎クリーンセンター啓発施設では、現代美術家の藤浩志氏が考案した「かえっこバザール」という、ポイント制度を用いたおもちゃのリユース催事や常設版「かえるステーション」を使って、おもちゃやベビー用品のリユース活動を続けています。  このシステムでは、リユースされるおもちゃは品質や子どもたちの価値観で3段階のポイントに分けられます。参加者が不要なおもちゃを持参すると、受付担当の子どもが査定してポイントに交換します。また、参加者の保有するポイントを使って、欲しいおもちゃに交換することができる仕組みです。  地域エリア(兵庫県川西市・猪名川町、大阪府豊能町・能勢町の1市3町)におけるリユース活動を活性化することを目的に、このおもちゃのリユース催事「かえっこバザール」を、参加する施設や団体等と共に実施します。そして、共創パートナー「廃棄物資源循環学会・環境学習施設研究部会」の「全国まるごとSDGsパビリオン」に加わり、本共創チャレンジ主催者のみならず、本プロジェクトに参加してくださる「共創メンバー」(施設や団体、ステークホルダー等)は、「かえっこSDGsパビリオン」となります。

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