仕切ることで繋がろう -未来社会のインターフェイス
私たちは、ネットフェンスという日常的な素材を起点に、人と場、人と街、人と人をゆるやかに繋げるために、新たな街づくりをデザインするプロジェクトチームです。
この数年世界を悩ませた感染症は、人と人の間に大きな壁を作りました。近づくべきか離れるべきか、人との距離を意識し続けた中で、私たちは人同士のほどよい距離や気配、それを保つ空間について模索をしてきました。
数年、もしかするともう少し前から進んでいたのかもしれない人同士の分断によって感じる「孤立」や「孤独」を、デザインやまちづくりの視点で解消できるのではないでしょうか。
そこで見つけたのが「仕切ることで繋げる」という逆説的な考え方です。
戦後の日本で長年製造され、様々なシーンで使われてきたネットフェンス=『ひし形金網』は、空き地、工事現場、道路、公園、学校、テニスコートなど街のいたるところで見られる仕切り、つまりは一種の壁です。
しかし壁でありながら先の風景を見渡せる、視認性の高い金網の特徴や菱形状の構造を生かしながら、デザイン的付加価値を与えることによって、単なるフェンスをインターフェイスと捉え直すことができます。
本来は分断するためのプロダクトが、何かと何かを繋ぐ新たな街づくりのきっかけになるかもしれません。
コンセプトと基本システム、デザインフォーマットは提案した上で、より具体的な発想や展開はオープンソース型プロジェクトとして多方面の企業や個人のアイデアを組み込みながらコラボレーションをしてゆきます。