社団法人セーフティネットリンケージ

共創パートナー

2021.11.04

「互助をICTがサポートする発想」で生まれた「みまもりあいプロジェクト」

当社団のプロジェクトは、日本人がすでに持つ「困っている人を助けたい」とする「互助」の気持ちをICT(情報通信技術)がサポートする発想で生まれた「多世代で見守り合える街」を育てるプロジェクトです。私たちは誰かの「助けて欲しい」という緊急事態に対して「地域にいる協力者を募って、皆で助け合える仕組みを作りたい」という想いからこのプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトを通じ、3つの支援①「見守り支援」②「日常支援」③「観光・防災支援」を行なっていきたいと考えています。

●[見守り支援]子どもや認知症の方の迷子発生時に、地域の「互助」を活用してアプリを通じて協力者に捜索依頼が可能で、「個人情報」を保護した状態で、発見した協力者とご家族が直接フリーコールで連絡を取り合うことができる取り組み。緊急時における「子どもから認知症高齢者まで」の捜索に手を貸して頂ける協力者を増やし、見守り合える街を育てていく事を目的としたプロジェクトです。

●[日常支援(記憶支援)]認知症の課題の1つとして「第三者に障害が見えない」ことから生じる「関係性の障害」があり、初期は「誤解・偏見・人に迷惑をかけたくない思い」から、社会生活や地域と疎遠が生まれやすく、不安・葛藤・混乱の中で、長く孤独・孤立した状態に陥る危険があります。中期は、ご本人の感情の維持も難しくなり、介護する側・される側の対立等も引き起こしやすくなり、さらなる孤独・孤立を深め、「自身の大切な受容の期間・備える期間」を失う恐れがあります。
そのため、認知症当事者の方とご家族、そして支援団体の声をもとに開発した「認知症の人も使うことができる地域共生支援アプリ:みまもりあいアプリ」を地域の支援団体に提供し、「大切な受容の期間・備える期間」を支え、包括的ケアマネジメント(社会とのつながりの再生・生活支援・就労支援等)をサポートし「関係性の障害」に対するケアを展開。(当事者の方やご家族、地域の支援団体、福祉関係者の方が経験してきた声を、音声SNSを活用し収集する事で、データベース「声の図書館」を創出)

●[観光・防災支援]認知症の方も安心して散歩して頂ける環境を整えられるように、みまもりあいアプリを通して、隣接県内の移動支援を実施。

未来への宣言

「ひとりでいても、ひとりぼっちにしない見守り合える社会」を実現します。

きっかけ

活動詳細 → https://mimamoriai.net/
イメージ動画 → https://www.youtube.com/watch?v=oQfsAgg_jZ8&t=1s
[見守り支援]
2017年~ 80歳以上の在宅認知症の方の見守り事業(行方不明発生時にアプリを通じて捜索支援をサポート)で、平成28年度厚生労働省介護ロボットを活用した介護技術開発支援モデル事業にて「捜索支援アプリ(みまもりあいアプリ)」を開発。(2021年5月機能強化によるリニューアルに伴い名称を「地域共生支援アプリ」に変更)アプリを使って、自宅からご家族が配信距離を指定して、地域のアプリダウンロード者に直接捜索依頼が出せる地域互助を頼った仕組み(個人情報を保護した状態で発見者とご家族が直接連絡することが可能:日本初)。2021年9月現在、アプリダウンロード数【100万ダウンロード(DL)】。また、2019年度には子供からお年寄りまでみんなで地域見守りを実現する「多世代型見守り訓練」を開発して実施、【全国約100ヶ所、約2万人が参加】。2018年八王子市実証実験の効果としてアプリ捜索配信689件、発見連絡208件の利用を確認。(アプリは無料対応:寄付・会費等でシステム保守費用を負担)
[日常支援]
2021年~「見守り支援」をメインに実装して来た「みまもりあいアプリ」を、令和2年度経済産業省認知症共生社会に向けた効果検証事業(京都府と連携)にて2021年5月に「地域共生支援アプリ(認知症の人が活用することを前提とした「SNS基盤」を地域に提供、地域互助活動をサポート)」にアプリを改修。
2021年5月10日京都府京丹後市青年会議所有志主催、2021年5月13日京都府主催で発表体験会を実施。「80歳以上の認知症当事者にサポートできるか?」に対する上記発表会WEBアンケート結果はトップ2ボックス合計85%がサポートできると回答。個人情報に配慮した音声SNSへの興味関心は参加者の91%と高い関心を得る。
2021年11月にアプリに音声SNSの機能を開発予定。(つながりを声で見える化)。認知症当事者も、音声だけで参加が可能。参加の入口を低くしてSNS上に「当事者が当事者をサポートするオンラインピアサポート」の場を創出。
[観光・防災支援]
 2022年4月から隣接県内の移動支援に対し、開発スタート

創出・支援したい共創チャレンジ

「福祉」「地域創生」分野で「当社団の地域と連携した取り組み」やこれから展開する「音声SNS「記録・伝達」の機能」に関心がある団体のチャレンジ

提供できるリソース

ネットワーク情報連携システムを使った各地域の支援団体同士の横の連携を可能にします。導入自治体約40カ所(大阪エリアでは豊中市・枚方市・吹田市がすでに導入済)
技術・ノウハウ非営利団体等に対し、情報連携システムの一部を無償提供が可能です。
(個人情報を取得しない地域共生支援アプリを使うことで安心した連携が可能になります)

今後の展開

今後展開したい地域現在、【福祉分野】において、京都府は経済産業省の効果検証事業、大阪府はスマートシティ「ネクストプロジェクト事業」で関西エリアを中心に展開中。今後は2021年11月から展開する音声SNSを活用した効果検証事業を関西エリア内の自治体で展開していきたい。(大阪府堺市・奈良県天理市・京都府京丹後市は実施予定)また市民主体型モデルも展開できればと考えており、情報連携システムを参画頂ける「病院・非営利団体・大学等」に提供して展開できればと考えています。すでに京都市北区内、奈良市内にて実施準備中。
 2022年4月からは【観光・防災分野】「健康増進を目的とした高齢者の移動支援・見守り合える地域を災害時の連携も含めて支援するための地域創生」に拡大予定(千葉大学「観光防災」の視点で共同研究、京都大学と「地域医療BCPモデル構築」の視点で共同研究)
*地域特化型福祉SNS「音声SNS×GPS技術×QR等を活用したグループ誘導技術」を活用予定
(一部世界初の技術・仕組みを含むので現状はオフレコ扱いになります)
2025年の万博会場において、上記の技術を活用した来場者支援の実装・体験ができれば検討したいと考えています。上記技術の詳細においては別途ご紹介可能。
共創を希望する方々①認知症関連の非営利団体
②マイノリティを支援している、または子どもや障がい者等を支援している非営利団体
③地域連携を大切にしている、または強化しようと考えている医療機関・介護事業社
④福祉・観光・防災分野に興味関心のある行政
⑤認知症関連、医療・福祉関連、地域創生、防災分野に興味関心のある大学

大阪・関西万博のテーマとの関わり

当社団が宣言する「ひとりでいても、ひとりぼっちにしない」は2030年アジェンダにある「誰一人取り残さない」に通ずるものです。見守りあえる優しいまち・社会を創ることは、「いのち輝く未来社会」をデザインすることでもあると考えています。

SDGsとの関わり

3:福祉にICTの力を活用します
9:認知症の方も使えるアプリ、地域の支援団体をつないで横連携ができる管理システムの創出
17:多世代でのみまもりはパートナーシップにより成立します

社団法人セーフティネットリンケージ

●説明動画:https://www.youtube.com/watch?v=oQfsAgg_jZ8&t=1s
「年間約160億円のお金が拾われて交番に毎年届けられている」、この事実をヒントに、日本の「互助資源」を使った「古き良き日本の支え合いをICTがサポートする発想」で、「みまもりあいプロジェクト」を2017年開始。行政・病院・非営利団体・大学等との連携を前提とした「地域特化型のSNS「地域共生支援アプリ(みまもりあいアプリ)」を使って展開。認知症の人も活用できる目線でアプリが設計させており、出入りの把握に特化したGPS機能と個人情報を扱わない設計のため、災害時等分野を越えた横連携を可能にしています。認知症を含めた社会的弱者・マイノリティーの立場にある方々とその支援団体に対しては、互助プラットフォームを無償で提供、感染症拡大により社会的課題になっている孤独・孤立問題、ICT格差の是正に取り組んでいる団体です。
 【1】2017年に社会問題化していた「認知症の方の行方不明問題(年間約2万人規模)」に対して SDGsが定義する「誰ひとり取り残さない」という視点で、地域共生支援アプリを使って、一人歩きをされる認知症の方のご家族を支援していくために、「探してほしい」という緊急事態に「地域にいる協力者を募って、個人情報を保護しながら助け合うことができる捜索支援機能」を提供。現在、約100万人近い方がダウンロード頂き協力者になって頂いています。
 【2】2021年11月から、WHOが定義する緩和ケア(※1)の視点で、「地域共生支援アプリ」を改修し、音声SNSの機能を追加。支援団体・関係者や当事者の方やご家族が経験してきた「介護体験やノウハウ等」を、音声SNS「記録と伝達機能」を活用して、誰もが困った時に悩んだ時に頼れるデータベース「声の図書館」を創出、認知症の方の記憶障害がもたらす誤解や「認知症」に対する偏見から生まれる「関係性の障害」をケア。(「関係性のケア」に不可欠な当事者同士が繋がり合える音声を活用したSNSの場(音声SNSラジオ等」創出予定)
 【3】2022年に、高齢者の方々の近隣県の移動支援とコロナ後の地域創生支援を目的に「福祉」から「観光防災」まで支援領域を拡大予定。1つのアプリで、3つの支援①「見守り支援」②「日常支援」③「観光・防災支援」を展開していきます。

【実績・受賞履歴概要】

2017年度、厚生労働省介護ロボットを活用した介護技術開発支援モデル事業受託

2018年度、東京大学「空間情報科学センター」×AIGID=アーバンデータチャレンジ【アプリ部門金賞受賞】

2018年度、12自治体参画オープンガバメント推進協議会【銅賞受賞】

2018年度、東京都労働局商店会グランプリ【優秀賞受賞】

2018年度、【グッドデザイン賞受賞】

2018年度、東京海上日動と「認知症保険共同開発」

2019年度、一般社団法人日本認知症ケア学会【石﨑賞受賞】

2019年度、大阪大学Innovation Bridgeグラント大型産学共創コンソーシアム組成支援事業採択

2020年度、経済産業省「認知症共生社会に向けた製品・サービスの効果検証事業」採択

2021年度、経済産業省「認知症共生社会に向けた製品・サービスの効果検証事業」2回目採択

2021年度、大阪スマートシティパートナーズフォーラム会員+「ネクストプロジェクト事業」参画

2021年度、京都大学医学部附属病院システム導入「地域医療BCPモデル構築に向けた共同開発準備」

2021年度、トヨタ財団「日本社会における社会サービスの創出や人材の育成」公募採択

 

【お問合せ先】

E-Mail: customer@snl.jp

担当:塩澤、平井

※お問合せ時間:平日9:00~17:00

支援している共創チャレンジ

  • 認知症になっても輝けるまちへ〜100万羽の折り鶴と伴に〜

    私達は、認知症になっても輝ける日本社会を実現するために、全国の認知症の方々が大阪・関西万博の担い手として活躍する「いのち輝く折り鶴100万羽プロジェクト」にチャレンジします。 具体的にはまず、全国の認知症の人や要介護高齢者に呼びかけ、自宅や施設で折り鶴を作る「おうち万博ボランティア」の役割を担ってもらい、地域の人と共に楽しみながら大阪・関西万博開催までの3年間で100万羽をめざして折り鶴を作ります。 このプロセスで認知症の人と社会との「新たなつながり」と「社会貢献の仕組み」を創出することができます。 次に、各地域の企業や介護・福祉施設などに折り鶴の拠点となる「折り鶴ステーション」の役割を担ってもらい、作った折り鶴の回収や保管を行います。そのことで地域社会の一体感を醸成することができます。 最終的に、集まった100万羽の折り鶴は大阪・関西万博会場内で未来への羽ばたきを表現したアート作品として展示することを目標に取り組んでいきます。その作品は、一人ひとりのいのちが輝いた証であり、人と人とのつながりを見える化したものとして、世界に新たな「認知症になってもいのち輝く未来社会」のモデルとして発信することを可能にします。 私たちはこのプロジェクトで、認知症になっても絶望ではなく希望を、孤立ではなくつながりを、あきらめではなく夢をもつことができる「認知症になってもいのち輝く社会」を、皆さんと共に実現していきたいと思います。

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  • 「いきる」輝きをかなえたい

    Lifeは、命、人生、生活です。 これは、「生活者」の視点であり、疾患や障害にとらわれることなく、 よりよく「生きる・居きる・活きる・逝ききる」を考えます。 そのために、人とのつながり、そして、キュア・ケアを紡ぐ人とみんなで一緒に考え行動していきます。 現在は大きく3つの活動を行っています。ひとつはコミュニティ作りによる研修事業、もうひとつがYouTubeで展開している「そもそもチャンネル」です。また、ケアを必要とする子どもたちを対象に「ぽれぽれcafe」という居場所と食事を提供する活動も行っています。

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