私たちの共創チャレンジ
大阪の河川の水質は昔に比べ、格段の改善が見られています。しかし、大阪湾を含む瀬戸内海の環境は、この40年間改善が見られていません。応用化学研究部では、大阪湾に流れ込む淀川の水質調査を行なっています。この調査は、40年に及び、大学の学園祭や河川NGOの集まりである寝屋川流域ネットワークでポスター発表を行ない、機関誌「桜花」で報告を行なっています。これらの活動を自治体や淀川河川流域で同様な活動を考えているNGO・NPO団体、大学、企業と連携し、活動の輪を広げることで、市民の環境意識の向上につなげていきます。
未来への宣言
現在の日本では公害の時代は去り、地球環境問題が我々の前に立ちはだかっています。これは、企業が環境を汚染していた時代が終わり、我々一般市民が環境汚染の排出源になってきたということです。公害は行政の取り締まりにより、治めることができました。しかし、一般市民が出す下水を取り締まることは、法律的にも原理的にも不可能です。これからの環境負荷の低減は、環境マインドを持った市民が自らを律していくことが重要です。活動を通じて環境マインドを持った市民の醸成を目指します。
きっかけ
1958年に大阪工業大学工学部の5番目の学科として、応用化学科は生まれました。応用化学科の1期生が応用化学研究部を立ち上げ、1期生全員が応用化学研究部に参加したと聞き及んでいます。その頃の時代背景としまして、紡績や石炭化学、油脂製品、化学肥料などが化学工業の中心であり、応用化学研究部でも化学工業に関連した調査や研究を行なっていたようです。高度経済成長により、化学業界も目覚ましい発展を遂げ、重化学工業化が起こりました。この重化学工業は日本に富ももたらしましたが、公害という問題も引き起こしました。時代を反映し、応用化学研究部の興味も公害にシフトして行き、1981年頃から淀川河川の水質調査を行なうようになりました。
大阪・関西万博のテーマとの関わり
大阪の河川はかなり浄化されてきましたが、河川が流れ込む先である大阪湾の浄化は、進んでいません。我々の活動を知り、淀川や大阪湾に愛着を感じてもらい、子供たちを含む一般の方達が、自分達の生活が環境負荷を与えることに気が付く一助になればと活動しています。