音のない料理教室

共創チャレンジ

2022.06.02

個人

チーム名BRIGHT SIDE
共創メンバー進藤洋子
宮岡直紀
主な活動地域日本
活動テーマ食 / ダイバーシティ、インクルーシブ /

私たちの共創チャレンジ

「音のない料理教室」とは、参加者同士が「声」を出さずに意思疎通を図り、互いに協力し合って一つの料理を作り上げる料理教室です。参加者に配られるのは、一部分が空欄になった穴空きのレシピ。ここから、互いに持っている情報を「声」を使わずに交換しあい、4人1組のチームで、一つの料理を完成させます。万人に共通する食というものを切り口に、フラットな意思疎通の環境を作り出すことで、聴こえる人も聴こえない人も、人は言葉がなくても心と心を通わせ合うことができるという原体験を提供しています。

未来への宣言

「全ての人が社会の中に居場所を感じ自分らしく生きていける未来をつくる」
現代社会は「縦」の物差しで溢れています。これは、インスタグラムのフォロワー数やいいねの数、受験競争や出世レースなど、優劣や序列を決めるための物差しです。この物差しで社会を見ると、障がい者と呼ばれる人達は自動的に劣っていると位置付けられてしまいます。なぜなら、彼らは基本的には、聴こえない・見えない・歩けない 「できない」ことの多い人たちだからです。しかし一方で、彼らの中には、自らの考えを手や顔の動きで表現したり、絵で感情を表現したり、人の痛みを深く理解することに非常に長けている人がいます。このような個性に気付くためには、従来のできるできないを測る「縦」の物差しだけではなく、一人ひとりの個性を測る「横」の物差しが必要ではないでしょうか。

能力の優劣だけでなく、個性の幅を尊重する、縦と横のものさしがあることで、障がい者に限らず全ての人が社会の中に居場所を感じ自分らしく生きていける未来を目指しています。

きっかけ

私は現在、手話通訳士の準国家資格取得を目指しています。聴こえる友人と聴こえない友人の通訳をしている際、彼らはお互いの「目」ではなく私の方を見て会話をしていました。その時、本当に手話でしか聴こえる人と聴こえない人は繋がることができないのかという疑問を持ちました。紙とペンやスマホのメモ、身振り手振りなど様々な意思疎通の方法を取ることで、より多くの人の世界が広がるのではないでしょうか。フラットな意思疎通の環境を作り出すことで聴こえる人も聴こえない人も、人は言葉がなくても心と心を通わせ合うことができるという原体験を提供しています。3年前に友人を数人集め、対面での開催から始まりました。昨年からは、オンラインでの開催に移行し子供から大人まで、料理研究家や聴覚障がい者の方にも全国からご参加いただいています。

取組の展開

今後展開したい地域・方法【地域】
教育機関
偏見のない社会をつくるために、社会にでる前の世代である若者たちに届けたいです。
小学校・中学校・高校・大学・専門学校・ろう学校、など、どんな教育機関にも可能性を感じています。
地方自治体
生きづらさや居心地の悪さを感じる人を少しでも減らすために、福祉プログラムとして地域の人に届けたいです。
【方法】
基本は対面(オフライン)での実施。社会情勢や地域によってはオンライン開催も可能。
共創を希望する方々教育関係者:教育機関の方
食、料理関係者:料理研究家や全国の食関連の産業(農業など)に従事されている方
福祉関係者:手話講習会に参加されている方

大阪・関西万博のテーマとの関わり

食べることは、人のいのちを救い、いのちに力を与える行為です。同じ食卓を囲むことは、心に生き生きとした豊かさをもたらす、人と人のいのちを繋ぐ行為です。2022年、今の社会では、聴こえない人と聴こえる人が混じり合うことはほとんどないのが実情です。しかし、一つの料理を力をあわせてつくり、同じ食卓を囲んで食べる。万人に共通する食をきっかけに、これまでに交わることなかった、聴こえる世界の住人と聴こえない世界の住人のいのちがつながり、お互いに力を与え合う。聴こえる人と聴こえない人が別の世界を生きているのではなく、同じ世界を生きていて、全てのいのちといのちがつながっている社会。

「音のない料理教室」で叶えたいのは、互いの違いを認め合い、尊重し、いのちといのちをつなげることです。聴こえるや聴こえない。見えるや見えない。歩けるや歩けない。個性の違いこそあれ、すべてのいのちの尊さに違いはありません。互いのいのちがつながって、ちがい を ちから に変えることができたら、きっと今より“いのち輝く”未来社会になると信じて活動しています。

SDGsとの関わり

3:肉体的にも、精神的にも、社会的にも、すべてが満たされた状態で生きる人が1人でも多くいる社会に貢献する活動であるため
4: 障害もひとつの個性だと気づけるきっかけを提供しているため
10:障害の有無に関わらず、様々なことが学べる・体験できる機会であるため

Mail:yoko_j.m_1117@icloud.com