西成WAN

共創チャレンジ

2023.04.28

個人

チーム名西成WAN実行委員会
共創メンバーSHINGO★西成(ラッパー),松村嘉久(阪南大学国際観光学部教授),柳洋輔(Calmaart代表),大杉義信(Red Bull JAPAN),CASPER・VERYONEほか西成WAN協賛アーティスト,今池こどもの家ほか地域の子どもたち,阪南大学国際観光学部の学生たち,阪堺電車,(株)エイチ・ツー・オー商業開発,ミナミまち育てネットワーク,新今宮駅周辺観光まちづくり推進協議会
主な活動地域日本 / 大阪
活動テーマこども、子育て、教育、次世代育成 / 安全・防犯、セキュリティ / 文化・芸術(アート) / エンターテイメント / 音楽 / 観光、インバウンド / 地域活性化 / コミュニティ・まちづくり、住まい / モビリティ、交通 /

私たちの共創チャレンジ

 私たち西成WAN(Nishinari Wall Art Nippon)は,心無い落書きを消して,地域の子どもたちや住民にも参加してもらい,プロのアーティストが本気でウォールアートを描き,それを見に来る人たちを地域へ呼び込み,人が集い賑わうことで街の安全や安心を高めようと,2014年秋から大阪府大阪市西成区を中心に活動を展開してきました。街づくり活動であると同時に,アート活動でもある西成WANは,ウォールアートやストリートアートの認知を高めて,アーティストたちが活躍できる機会を増やし,西成からウォールアートを日本全国へ広めよう,という目標も掲げてきました。
 総合プロデューサーで西成区出身のラッパー,SHINGO★西成の呼びかけで,これまで何人ものアーティストたちがボランティアで参加して,西成区のあちらこちらのストリートに数々の作品を残してきました。私たちの想いは,SHINGO★西成の西成WAN応援歌『ここから… いまから』(https://www.youtube.com/watch?v=ebkaDKzjHk4)に込められています。自分たちのまちは自分たちでつくる,今できるコトを今できるヒトが,まちをキレイにこころをキレイに,アセラズ クサラズ アキラメズ。

未来への宣言

 これまで私たちは,大阪府大阪市西成区を中心として,心無い落書きだらけの壁や殺風景な壁に,プロのアーティストと地元の子どもたちが協働して,本気のウォールアートを描いてきました。私たちの目標は,アートを描くことで,外からこの街へ来る人が増えて賑わいが創出され,そうした人たちの目で地域に安全や安心がもたらされ,アート作成に参加した子どもたちに自分たちの街への愛着を高めてもらうことです。私たちはこの活動を通じて,ウォールアートやストリートアートの日本におけるステイタスを高め,アーティストたちが活躍できる場を西成発で日本全国へと広げていきたいとも願っています。
 私たちが目指す未来は,自分たちの街がどうすれば持続可能な発展を達成できるのか,ウォールアート制作に主体的に参加することによって,参加した一人一人が地域の課題と真摯に向かい合い,その解決に向けて実践し始める社会の実現です。変わらない状況を嘆くだけでは進歩はなく,変えようとする情熱と実践が大切です。志を同じくする仲間を集めて,できるコトから,できるヒトがやり始める,そんな社会が理想です。

きっかけ

 西成WANは2014年秋から子どもたちとのワークショップを始めて,2015年1月に第一弾「ここから いまから」を完成させて以来,2022年9月実施の第11弾まで,西成区内のあちらこちらのストリートに数多くの作品を残してきました。2015年9月完成の第二弾「アセラズクサラズアキラメズ」は,高さ7m幅70mという巨大な傑作で,地域の名所になっていました。しかし残念ながら,ストリートアートのはかなさ,街の新陳代謝の波のなか今はもう壊されて存在しません。活動を始めて9年が過ぎ,西成WANは地域の人たちから,応援していただける存在へと成長しました。第一弾を手伝ってくれた小学生たちも,今では中学生や高校生となって,アートの現場へ応援に来てくれます。

取組の展開

今後展開したい地域・方法 2023年4月現在,阪堺電車および(株)エイチ・ツー・オー商業開発などとの協働で,駅舎や商店街の壁にウォールアートを描くプロジェクトが進展しています。
 私たちは西成区発でウォールアートを日本各地へ広げていきたいと願っています。それも,屋内や民間所有の壁ではなく,誰もが見れるような公共性の高い空間をキャンバスにしたいと願っています。最も大切なのは西成区内での活動ですが,西成区の隣接地域や,大阪市内・大阪府内でも,ウォールアートを描く活動を展開していきたいと願っています。
共創を希望する方々 地域の人たちと協働でウォールアートを描き,街の活性化につなげようとする志のある人,組織,団体,この壁にアートを描いてもいいよ,という人,組織,団体との共創を希望します。海や河川の堤防,高速道路や鉄道の高架,そうした公共性の高い空間をぜひキャンパスとして提供していただきたいと願っています。これまで西成区と共創してきましたが,浪速区,堺市ほか,近隣や大阪府下の地方自治体とも共創を希望します。
 また,私たちの活動の趣旨に賛同して,アートを描いてもいいよ,というプロのアーティストとの共創も希望します。これまで,PERSUE(米国),ZOSEN & MINA(スペイン),DEMSKY(スペイン),Titifreak(ブラジル)など,海外在住の有名アーティストもボランティアで参加してくれました。ウォールアートを描くには,色々と実費がかかります。資金提供のみならず,私たちの活動に賛同して協力したいという人,組織,団体も広く求めています。

大阪・関西万博のテーマとの関わり

「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマと関連して,私たちの活動は,以下のような関りがあります。
 地域の子どもたちと協働してアート作品を完成させることによって,子どもたちのつながりを強め,アートを描く過程で地域との対話やつながりも強め,この地域にいま生きていることを実感できます。これは「いのちを守る」というテーマと関わります。
 その場所でなければ存立し得ないウォールアートを考えることによって,参加する人たちの創造性が刺激され促進されます。これは「いのちを高める」というテーマと関わります。
 アーティスト,地域の子どもたち,それを支援する人たち,多様な人たちが協働することによって,お互いがお互いの存在を認め合い,尊重しあって響きあうような関係性が築かれます。これは「いのちを響き合わせる」というテーマと関わります。

SDGsとの関わり

 私たちが活動を展開している西成区あいりん地域は,様々な社会問題を抱える地域で,生活保護受給者も多く,地域に住む子供たちのなかには,「貧困」と直面している者も少なくありません。貧困からどのように脱却するのか,たとえ貧困であってもどのように自尊心を保持して前向きに生きていくのか,西成WANの活動はそうした課題「貧困をなくそう」とも関わっています。
 心無い落書きが多い地域は,都会の空間に残された隙のようなところで,人の目が届かないからこそ心無い落書きが多発します。明るい街路灯で照らして防犯カメラで地域を見張っても,その抑止力は限定的です。他所から人がわざわざ見に来るようなウォールアートを描いて,人の目で安全と安心を確保することは,「住み続けられるまちづくりを」という課題とも深く関わっています。
 西成WANで描くウォールアートは,多様な人たちの協働がなければ実現しません。壁を提供してくれる個人や組織,活動趣旨に賛同して参加するアーティスト,活動を手伝う地域の子どもや学生たち,活動を温かく見守り応援する地域の人たち,実に様々な人たちが緊密に連携して実践してきました。西成WANはこうしたパートナーシップ無しでは実現し得ない活動です。

西成WANのこれまでの実績について確認できるYouTubeのURLを添付します。

https://www.youtube.com/watch?v=GL587R_d9sU&feature=youtu.be

https://www.youtube.com/watch?v=zpAx7oi18iQ

https://www.youtube.com/watch?v=T5QEFD5avXQ&feature=youtu.be

https://www.youtube.com/watch?v=hKKyS3NX1IQ

https://www.youtube.com/watch?v=AX5TXbQojUM

 

問い合わせ先

西成WAN実行委員会

委員長 松村嘉久

大阪府松原市天美南1-108-1 阪南大学国際観光学部

matsumuy@hannan-u.ac.jp