私たちの共創チャレンジ
工芸とハプティクス(触覚技術)や体験共有技術をはじめとしたサイバネティック・アバター技術との融合による新しい価値伝達の創造への取り組みをはじめます。第1弾としてカーペットを対象に、踏み心地をデジタルで世界へ伝えるコンテンツの造成に着手します。⼤阪・関⻄万博を契機として、工芸×ハプティクスの取り組みをさまざまな工芸へ拡大発展させていきます。
具体的には、以下の取組みにチャレンジします!
・工芸品の持つ触感を遠隔地に伝達するコンテンツの開発
・産地から消費者へ工芸品の魅力を伝える場の造成
・工芸産地のファンを増やし、工芸観光を旅の主目的とする文化をつくる
・海外からの旅行者にも工芸産地を開放し、日本の工芸をグローバルなものとする
・工芸産地の経済的自立により、持続可能な産業としての成立を目指す
未来への宣言
工芸で日本の未来に豊かな文化を。
工芸のある生活は日本の文化をよい方向へかたちづくっていく。わたしたちはそう信じています。日本の自然、風土と向き合い、日本人の日々のいとなみにはいつも工芸がありました。文化とは人々の生活、暮らし、社会の仕組みを担うもの。工芸は日本の文化をつくってきました。いまなお300を超える多様な工芸が地域と共存し、日本独自の美しい生活を、そして日本文化を支えています。日本工芸産地協会は、豊かな文化、豊かな社会を願う方々と共に、工芸の持続的発展を通じてよりよい日本文化をつくるため努力していきます。
きっかけ
工芸(人の手と技術を介したものづくり)は、その地域の歴史、風土に根ざし、過去から未来へとその文化を受け継いでいくメディアです。工芸品はかたちあるものですが、私たちはそれにかたちのない心や意味を伝える力が宿っていると考えています。実際に現物を見て、触れ、使うことでしか伝えることが難しい工芸の魅力を、どう伝えていくか。わたしたちは常に課題を抱えてきました。慶應義塾大学大学院、名古屋工業大学との出会いを通じて、工芸の持つ質感、触感を、「遠く離れている人にも伝えたい」から「伝えることができる」に変容したことが、今回のチャレンジをはじめたきっかけです。
大阪・関西万博のテーマとの関わり
「いのち輝く未来社会」には「豊かな文化とともにある生活」が欠かせないと考えます。
文化とは人から人へ受け継がれる習慣であり、習慣とは地域の風土にあった心地のよい生活のなかで生まれてくるものです。工芸は人々の生活に豊かな文化を与え、「いのち輝く未来社会のデザイン」に大きく貢献していきます。